友好短信2021.1~12

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 第25期日中連続市民講座②、日中国交正常化50周年ー日中関係の現状と課題(12/18)

 第25期第2回日中関係を考える連続市民講座が12月18日、日中友好センター教室において開催され、(公社)日中友好協会専務理事の西堀正司氏が「日中国交正常化50周年-日中関係の現状と課題」をテーマに講義しました。コロナ禍と師走の忙しい中でしたが、講座には20人が出席し熱心に聴講しました。

 豊富な日中交流の体験を踏まえて、日中関係の歴史を振り返った後、日中関係の現状、現代中国事情、米中対立の現状等解説されました。

 ―日中関係は困難な状況の中にあるが、歴史に学びかつてのような過ちを犯さないことが大切だ。明年は日中国交正常化50周年の節目の年であり、戦後77年にあたる。1868年の明治維新から数えると1945年の敗戦までの77年と戦後の77年ということになり、戦前戦後の歴史を振り返る良い機会だ。

 日本は明治維新以降、富国強兵、脱亜入欧の政策のもと、時代とともに軍国主義に舵を切っていった。日清戦争から第1次世界大戦(対独参戦)で大陸の権益を追及し、さらに満州事変から日中全面戦争、太平洋戦争へと突き進んでいった。戦後は、戦争への反省を胸に、平和を国是として歩んできた。日本は米ソ冷戦の中、アメリカの強い影響下に置かれ、天皇の人間宣言、新憲法発布、朝鮮戦争、東京五輪などを経て、日中国交正常化が実現したのが1972年だった。日中関係は新しい時代に入った。改革開放以後の中国は飛躍的な発展を遂げた。日本は失われた30年と言われる長期停滞から抜け出せないでいる。現在、新型コロナウイルスの世界的蔓延、米中対立の激化など世界は大激変の時を迎えている。3度目の77年をどう歩んでいくか。歴史に学ぶこと、変化に対応することが必要とされる。相互尊重・相互理解・相互協力・相互利益が大切。―

 現代中国事情にも触れ、共同富裕(格差是正)、人口減対策、双循環(外需とともに内需拡大をはかる、量だけでなく質の向上をはかる)、人類運命共同体、SDGs・カーボンゼロなど幅広い分野に話が及び講義時間もあっという間に過ぎました。
 第25期日中関係を考える連続市民講座スタート(11/27)

第25期日中関係を考える連続市民講座が11月27日からスタートしました。県内の大学と県日中友好協会などで作る県日中学術交流委員会主催で、毎月1回のペースで文化、歴史、経済関係などをテーマに計6回の講座が開かれます。

 第1回は長野大学の塚瀬進教授が「辛亥革命110周年を迎えて―通説が見直される近年の研究動向―」と題して講演しました。当日は29名が熱心に受講しました

―清朝の改革や孫文の革命運動の実際の状況、西洋の影響(社会進化論の影響が強かった)、科挙廃止による影響、共和制の樹立と失敗・袁世凱の独裁などを紹介しながら、近代国家が持つ「領土・主権・国民」の3要素を創出する過程であったとし、かつては「革命」と「反革命」の2分法的な発想で辛亥革命を考察していたが、社会現象は2分法で割り切れない部分が大きく、皇帝専制政治体制が近代国民国家体制に変化するという、根本的かつ巨大な政治変動、社会変動の中で辛亥革命の意義を考察する研究が進められている―と語りました。講演終了後、出席者から活発な質問や意見が出されました。

 連続市民講座の開催趣旨は次の通りです。
 日中国交正常化から明年は50周年を迎えます。日中関係は新型コロナによる人的交流のストップ、米中対立の激化によって、経済、文化学術、スポーツなどの分野の交流においても困難が続いています。コロナ禍後を見据えて、日中共同声明の原点に返って両国国民の相互信頼関係を醸成していくことが望まれます。歴史的に深いかかわりを持ち、日本の最大 の貿易相手国である中国はGDP第2位の経済大国となり巨大な変化を遂げています。14億人が住む隣国中国に対する理解を深めることは日本にとって一層重要となっています。長野県日中学術交流委員会では、中国を多面的に理解するために県内で活躍している大学・短大等の先生を講師に迎え、第25期連続市民講座を計画しました。多数ご参加ください。

詳細はこちら――>第25期日中関係を考える連続市民講座「中国の歴史・文化と日本」

 中国帰国者援護市町村担当者研修会開く(11/24)

 長野県健康福祉部地域福祉課と長野県日中友好協会中国帰国者交流センターは11月24日、オンライン形式で中国帰国者援護に係る市町村担当者研修会を開きました。県・市町村・友好協会の帰国者支援に携わる34人の担当者が参加しました

 はじめに、県地域福祉課の伊東笑子課長補佐兼自立支援・援護係長と県日中友好協会の布施正幸理事長が県内の各市町村で帰国者援護の第一線で活躍されている担当者の日ごろの活動に感謝しあいさつをした後、長野市篠ノ井西中学などで長年、中国帰国者の子弟の教育実践に携わってこられた飯島春光先生が「ひいおばあちゃんは中国にお墓をつくったー中国残留日本人の孫たちと学んできた「満州」・戦争ー」と題して講演しました。先生には、同名の著書があります。自らの体験に基づく有意義な内容は感動を与えました。講演の概略は下記の通りです。

 ―1990年代後半、篠ノ井西中学に赴任した時、荒れた学校と言われる状態で、中でも帰国者子女に対するいじめが横行していた。「中国では日本人と言われ、日本では中国人のくせにと言われた」。当時の中学歴史には開拓団の記述がほとんどない中で、開拓団の歴史をどう理解させるか、この子たちの思いをクラスのみんなに共有してもらうための悪戦苦闘が続いた。当人たちに思いを語たってもらうとともに歴史学習の一環として地域の実情調査(家族と戦争との関わり)などに取り組んだ。この地域にも埴科郷開拓団送り出しの過去があり、生徒たちにっとっても他人事でなく、自分の家族(祖父母、曽祖父母)の関係者でなくなっている者がいることを知るようになった。新聞を作って発表したり、英語のスピーチ大会で発表する者もあった。「なぜ俺は中国なんだ」と語った中学生、当人たちは中国とつながっているという現実に直面する。中学時代にこういう授業を受けたかったと語った女子大生もいた。

 教科書で「満州移民」はどう記述されているか。地域で、学校で語られなかった、教わらなかった、教えなかった歴史ー私と「満州」。全国最多の「満州移民」を送出した県、として長野県の平和学習・人権学習は「満州移民」を抜きにして語れない。すべての市町村から「満蒙開拓団」を送り出し、すべての小学校(国民学校)高等科で「満蒙開拓青少年義勇軍」志願を勧めた。この事実を20代の82%、30代の66%、40代の38%が知らなかった。(2005年信毎) だが地域には、中国残留日本人1世とその一族(2世、3世、4世、5世)が生活している。1人の1世に対してそのファミリーは30~40人を数える。子供たちは、彼らに特有な悩みを抱えている。葛藤の中で生まれる疎外感、悩みを持っている。地域の大人たち、教師にも責任がある。当人たちとその保護者にも家族の歴史を知らせる意味がある。自分のルーツへの誇りをもって生きてもらいたい。

 今私たちは「満州移民」・戦争をどう学び、どんな未来を作っていくのか。満蒙開拓平和記念館を訪問されたことのある平成天皇は「満州事変に始まる戦争の歴史を忘れてはならない」と語られたことがあった。「前事不忘、後事之師」とのことわざもある。満蒙開拓記念館にはこの4~10月の間に県内49校の生徒たちが訪れた。歴史を知り、平和な未来を築いていきたい。―

 布施理事長は冒頭のあいさつの中で、県日中友好協会が県の委託を受けて、市町村援護担当者研修会、帰国者日本語教室、帰国者への理解を深める県民のつどい、地域における支援交流会などに取り組んできたことに触れた後、「本年は1931年の満州事変90周年にあたり、開拓団はその5年後からはじまり、長野県は全国一の3.3万人を送出した。敗戦前後の混乱の中でその半数が命を落とした。「前事不忘、後事之師」、痛恨の歴史を忘れてはならない。中国残留日本人と家族の過酷な運命に思いを致し、みなさんの幸せと日中不再戦、平和友好を願ってやまない。2008年のいわゆる新中国帰国者支援法以来、1世世帯のみなさんの年金の満額支給と生活支援、地域での生活支援が法的裏付けをもって届くようになった。引き続き1世の高齢化に伴う介護等の充実、2世に対する支援、3世・4世・5世に対する教育・就労支援などの課題がある。飯島光春先生の教育実践を通した貴重な体験をお話しいただき今後の取り組みの糧にしたい」と述べました。

 講演終了後、地域福祉課の木次しのぶ主事より「中国残留邦人等に対する支援策」(厚労省中国残留邦人等支援室主催の11/5会議資料)について説明報告が行われました。
 HSK中国語検定に32名が挑戦(11/20)

 HSK中国語検定が11月20日、長野ラジオ孔子学堂教室において開催されました。当日は小中学生から、高校生、大学生、一般社会人ら32名が1級から5級までの検定にチャレンジしました。

 午前は2・4級の試験、午後は1・3・5級の試験が行われました。HSKの級は1・2級が初級で、3.4級が中級、5・6級が上級という構成になっており、試験時間も級が上に行くほど長くなっています。

 4級、5級にはそれぞれ10人ずつが挑み、リスニング(聞き取り)、続いて読み取り、作文と真剣な面持ちで取り組んでいました。

  「これからは、英語プラス中国語の時代だから継続して上を目指します」そんな感想が返ってきました。また、1級を受けた小学5年生の女の子は、お母さんが中国語で「葡萄」の発音がきれいと中国の方に褒められたのをきっかけに中国語を学び始めたと紹介してくれました。

 数ある中国語検定の中でも、HSKは中国政府教育部(日本の文部科学省に相当)直属の機関が主催し、中国政府が認定する資格です。そのため、HSKの語学資格は、中国国内だけでなく、日本国内、そして世界中で公的証明として活用することができ、世界共通基準の資格として、ビジネスや学業等様々な分野でご活用されています。

 ちなみに、1級はあいさつと自己紹介、2級は簡単な会話、3級は旅行での会話、4級は中国人と比較的流暢にコミュニケーションできる、5級は中国語の映画・テレビの内容が理解できる、6級は中国語で自分の考えを流暢に表現できるなどの目安があります。語彙数も150、300、600、1200、2500、5000とどんどん増えていきます。

 長野孔子学堂では春秋年2回地元で野試験を実施しています。
 第39回中国語スピーチコンテスト長野県大会、31人が出場(10/23)

10月23日、長野県日中友好協会ラジオ孔子学堂の主催による第39回中国語スピーチコンテスト長野県大会が信濃教育会館講堂で開催され、高校生、大学生から70代の中国語学習者までの31人が出場しました。高校生や大学生の活躍が注目されました。

朗読部門には高校生の部3人、大学生の部13人と一般の部10人が出場、それぞれの全国統一課題文を発表し発音や表現力、熟練度を競いました。

 スピーチ部門には5人が出場し、自作文で内容や表現力を競いました。
留学生との出会いから始まった中国語、中国人とのチャットを通じて両国の文化・感性の共通点を実感、亡き妻と旅した中国の思い出、郵便ポストの色の違いに想う、月のように前途を照らす中国語など多様なテーマを取り上げ、レベルの高い弁論発表となりました。

スピーチ部門で優勝したのは、安曇野市出身の学生、溝邉幹太さん(22)。溝邉さんは昨年に続いての優勝で、姨捨の月を見て、中国語が月のごとく自分の行く手を明るく照らしてくれているとの思いを流暢な中国語で発表しました。

 岩下隆審査委員長は講評の中で、熱のこもった発表で日ごろの努力の成果が見られ接戦だったと述べるとともに、「正確な発音や流暢さ、イントネーションや区切りを意識すること、語りかけるように発表することが、美しい中国語に必要。スピーチ部門では日ごろの中国人との交流や、中国語を学ぶ中での発見などに分析が加えられ、表現されたスキルの高さに敬服した。また今後の希望や夢・新たな決意も表明され、多くの方に共感と元気を与えることが出来たと思う。最後に中国のことわざ「不怕慢、只怕站」(ゆっくりなことを恐れず、立ち止まことを恐れる)を贈ります」と、激励しました。

 安芸洋一長野ラジオ孔子学堂長は冒頭の主催者あいさつで「コロナ禍により、学習機会がリモートになるなど、困難な中、勇気をもってチャレンジした出場者に敬意を表します。日ごろの学習の成果を発揮してください。中国語の学習を通じて相互理解を深め、日中友好の輪が広がることを期待しています」と述べました。

 西堀正司県日中友好協会副会長は来賓あいさつの中で「来年は日中国交正常化50周年を迎える。スピーチコンテストも39回目をむかえたがこの間中国語の普及向上に貢献してきた。中国語を通じて現在の中国を理解し日中友好に貢献してほしい」とあいさつしました。

 当日は、コロナ対策がとられて実施されました。

 入賞者は次のとおりです。
 スピーチ部門 大学生・一般の部 ①溝邉幹太 ②田嶋恭史郎  ③佐藤豊子  (奨励賞)清水浩 (敢闘賞)大崎早恵
 朗読部門 高校生の部 ①壇ノ原美月 ②宮川知南  ③加藤美幸
 朗読部門 大学生の部 ①五味英恵 ②藤山愛深 ③伊藤美咲  (奨励賞)原山紗知 (敢闘賞)小林未来 
 朗読部門 一般の部 ①依田光枝 ②福士奈々美 ③宮坂光子  (奨励賞)中村美月 (敢闘賞)山内志歩 

 入賞者にはトロフィーや楯が贈られました。成績優秀者は来年1月の全国大会に推薦されます。

  コロナに負けず第19回日中友好マレットゴルフ大会(9/25)

 好天に恵まれた秋空のもと、長野市友好協会主催の第19回日中友好交流マレットゴルフ大会が、9月25日長野市犀川第2運動場マレットゴルフ会場で開催されました。

 コロナ禍が続く中、マスク着用姿で、中国帰国者15名、市日中友好協会会員8名の23名が参加し、18ホール(パーク2)総延長1,143mのコースを、和気あいあいと楽しみながら、心地よい汗を流しました。

 結果は、男子が宇土春雄さんがネット70の好スコアで、女子は呉海鳳さんがOB3回を打ちながら74のスコアでそれぞれ優勝しました。

 入賞者にはたくさんの賞品・景品が用意され、また参加者全員にきれいな布で作られた「ティッシュケース」が贈られなかなか好評でした。お互いの健闘を称えながら記念写真に納まりました。(長野市日中副理事長吉岡弘海)

 資源の森ー直富日中交流展示館を訪ねて(9/20)

 先ごろ、「直富商事資源の森展示館川端分室」を訪ねました。木下雅裕夫妻をはじめ展示担当の皆様のあたたかい歓迎を受け、木下さんの中国との関わり等、思い出話に花が咲いた後、展示室を案内いただきました。

 「資源の森展示館」は直富商事本社の別館にあり、資源リサイクル等会社の取り組みを図表や模型入りでわかりやすく展示していて、勉強になりますが、川端分室は、会社(木下相談役)が中国との経済取引とともに積み重ねてきた日中交流の足跡を展示していて、大変興味深い内容です。

 1985年から伊藤忠商事の依頼を受け北京市の企業に技術指導者を派遣したのが中国とかかわりをもったスタートで、86年からは長野県経済界代表訪中団に参加し以後毎年中国を訪れ視察交流を重ねてきたこと、天津市や吉林省長春市・四平市、江蘇省連雲港市との経済交流を積み重ねてきたことなどが年表からわかります。

 特に注目すべきは、2004年に石家庄市の賛皇県孤山村への直富希望小学校の建設資金を贈呈し以後学校への様々な資材提供、隔年ごとの学校関係者の来日招待と自身の学校訪問交流を続けてきたことがあります。直富希望小学校の全校児童の寄せ書きは大きな横額に飾られ、会場を見渡しています。

 もう一つは、王毅大使と大変懇意となり、スキーなどに招待し、交流を深めてきたこと。木下さんの中国の人々と深く付き合う才能は天性のものがあり、感心させられます。王毅先生の写真の前で交流の様子を懐かしく語る口調は誇らしげでした。

 ショーケースには北京オリンピックや上海万博など諸々の立派な記念品が展示されています。交流の中で入手した貴重な思い出の品だそうです。会社の隆盛を祈っての掛け軸や石家庄市名誉市民の額なども目に留まります。またお酒の好きな木下さんらしく中国酒の展示コーナーもありました。

 自伝の『この手が導く』には、困難を乗り越えながら、信念を貫き事業を拡大してきたことが綴られていますが、中国との交流においても大きな足跡を残されたことがわかります。中国の人を感動させる不思議な魅力があり、この展示からもそのことが伝わってきました。大勢の方に見ていただきたいと思います。(F)
 県日中学術交流委員会21年度総会を開催(8/3)

 長野県日中学術交流委員会は8月3日長野市内のホテル犀北館において定期総会を開催し、2020年度の活動報告と決算報告、各大学・短大等の学術交流報告を承認し、2021年度の活動方針と予算などを決定しました。コロナ禍で制約はありますが、各大学、短大の学術交流促進や連続市民講座、記念講演会、留学生支援などに取り組んでいくとしています。総会には、信州大学、長野大学、県立大学、上田女子短大、県日中友好協会、ラジオ孔子学堂など関係者が出席しました。

 濱田州博会長(信州大学学長)は「コロナ禍にあって、訪中も中断し日中間の交流がストップしていることは大変残念だ。相互に訪問して対面交流することは当面むずかしと思うが、オンラインでの交流等工夫していきたい。信州大では河北医科大学とオンライン会議を実施した。模索しながら交流再開に備えていきたい」とあいさつしました。

 席上、小林一洋県国際交流課長と小池明上田女子短大学長よりあいさつをいただきました。小林課長は、日ごろ日中学術交流や、留学生受入れに尽力していることに敬意を表した後、「県としても河北省への留学生派遣事業や中国を相手国とする東京五輪ホストタウン事業に取り組んできた。大学生サポーターを募集したところ37人が登録し5回の講座を行い、8月2日にはオンラインで中国卓球選手の応援イベントを行った。多文化共生に取り組み、アフターコロナを見据えて留学生交流等再開していきたい」と述べました。

 小池学長は「コロナ禍によって今までの価値観(の限界)があらわになってきている。中国のプレゼンスが大きくなっており米中対立が激化している中で中国の台頭に対する反発があるが、世論が一色になってしまうのはまずい。自己主張が無いといわれる日本人だが潤滑油的なソフトパワーは貴重。特に学術交流の果たす役割は大きいので皆で努力していきたい」とあいさつしました。

 総会議事終了後の意見交換では、出席者がそれぞれの立場から発言しました。布施正幸県日中友好協会理事長は、「コロナ禍や米中対立の激化によって、日中関係は困難な状況におかれているが、14億人の住む中国と安定した友好協力関係を維持発展させていくことは日本にとって重要な課題。それぞれの国にはそれぞれバイオリズムがあると言われる。中国は巨大な変化を遂げているが、交流を通じて理解と友好を深め、平和に貢献していきたい」と述べました。
 東京五輪ホストタウンNAGANO中国オンライン応援イベント(8/2)
感動を共有東京五輪、準備すすむ北京冬季五輪

 東京五輪ホストタウン長野県実行委員会(高波謙二会長、長野県&長野・須坂・上田・飯山市、山ノ内・下諏訪町、県日中友好協会、県立大・長野大などで構成)は、コロナ禍にあっても、東京五輪に出場する中国選手団を応援し、大会の感動を共有できる場としてオンライン交流サイトを開設し、8月2日、卓球の競技中継時間に合わせてオンラインで中国選手に声援を送ることとし、300名をめどに参加者を募集しました。

 当日は9:00~13:00、応募者の皆さんがそれぞれ自宅から卓球男女団体1回戦を観戦しながら選手への声援、応援メッセージを送りました。卓球王国中国選手のさすがの活躍、そして日本選手の活躍もひかり、大いに盛り上がりました。最終的に女子団体では、中国が金メダル、日本が銀メダルを獲得し、今大会を通じて、深く印象に残るものとなりました。

 引き続いて、13:00~15:00は交流イベント中継が行われました。ホストタウン長野県実行委員会を代表して高波謙二会長(県日中友好協会会長)が、「本日のオンライン交流を通じて、中国に対する理解を深め、日本選手の活躍も応援しつつ、中国選手を応援し、その熱気が来年2月の北京冬季五輪に引き継がれるようお祈りしたい」とあいさつしました。

 続いて「卓球をはじめ中国チームの躍進について」をテーマにトークセッションが行われました。

 西堀正司副会長から中国選手団の活躍や長野県と中国との卓球やスキーを通じての交流の状況が紹介されました。また駐日中国大使館政治部(友好交流)二等書記官の付博さんが「長野県が中国のホストタウンとして阿部守一知事はじめ様々な応援をしていただいたことに感謝したい。東京五輪の成果を引き継ぎ明年2月の北京冬季五輪の成功を目指していきたい」などとあいさつしました。

 長野市卓球協会の小林健一理事長は中国卓球の強さの背景にジュニア育成のシステム化が為されている事情を紹介するとともに日本も若手の育成が進み、今大会では混合ダブルスで初の金メダルを勝ち取ったこと等を解説しました。続いて大学生サポーターの根橋佑奈さんと大工原初さんが今回のイベントに先立ちサポータ養成講座に参加し中国や中国との交流について関心を高めたこと等を話しました。実行委員会事務局長の小林一洋・県国際交流課長は実行委員会としての今までの取り組みを紹介しました。また中国チームの皆さんが日本に来る飛行機の中で見ていただいた応援メッセージ動画(阿部知事も出演)も紹介されました。

 続いて、ホストタウン実行委員会に参加している、4市2町、並びに長野県の担当者から中国との交流が紹介されました。また大使館から特別に提供いただいた北京冬季五輪のプロモーションVTRを鑑賞しました。

 付博さんは今回の催しが成功裏に行われたことに祝意を表したうえで「長野県は河北省と友好県省の関係をもち交流を発展させてきたが、23年には40周年を迎える。来年は日中国交正常化50周年、アフターコロナに向けともに協力して日中間の交流を盛り上げていきたい」と述べました。

 閉会のあいさつで、西堀副会長は「中国はウインタースポーツ人口3億人を目指し、来年の北京冬季五輪の準備が着々と進んでいる。今回のイベントを通じて次代をを担う若者が是非中国を訪れ交流していきたいと思っていただければ幸いです」と述べました。

長野県と中国とのスキー交流の歩み(2021.8.30)
 ①長野県と中国スキー界、交流と協力の歴史--長野県日中友好協会 西堀正司
 ②長野県と中国とのスキー交流関係史年表長野県日中友好協会  布施正幸

 
 <北京冬季五輪>張家口のスキー競技会場の準備すすむ(8/1) 

張家口エリアには大会会場が8つあります。バイアスロンセンター、ノルディックジャンプ台、クロスカントリー会場、雲頂スノーパークA、雲頂スノーパークBの5の試合会場と、他に張家口冬季オリンピック村、張家口山地メディアセンター、張家口エリア表彰プラザなどの3の会場です。張家口での試合は主にスキーとバイアスロンの2大項目があり、それがスノーボード、フリースタイル、クロスカントリー、ジャンプ、ノルディックとバイアスロンの6の分項目に分類され、更に50の具体的な試合項目に分けられています。

 6月末には、「簡約、安全、素敵」をモットーに、76のオリンピックにかかわる施設を完成し、試合に関する各サポートプロジェクトを着実に進めています。

 6月15日現在、ジャンプ台、クロスカントリーセンターとバイアスロンセンターの工事はすでに完成し、オリンピック村の内装工事も基本的に完成して周辺の道路工事と緑化を進めています。8月末には大会運営を可能にするために、外部環境を整えるように取り組んでいます。

 次の分野においても対策を講じています。コロナ対策として、防御案を立てて、会場の周辺に公共地域を設置し、会場に入る人々に事前登録とチェックを行う予定です。飲食原材料の供給基地との契約や医療サポートグループの充実、市民ボランティアを1万4千人、試合ボランティアを5千人養成していきます。(紀竑訳)  

 満蒙開拓平和記念館だより21夏
 
語り部定期講演の再開     

                     満蒙開拓平和記念館 事務局長 三沢亜紀

 記念館開館の2013年7月から毎月2回続けてきた語り部定期講演。飯田日中友好協会が立ち上げた「満蒙開拓語り部の会」を引き継ぐ形で、中島多鶴さんや残留婦人の方々が中心となって展開してきました。狭いセミナールームに溢れんばかりの聴講者が参加した回もありました。ところが、昨年コロナの感染拡大とその対策のため1年間休止措置をとりました。昨年はちょうど戦後75年の年でもあり、貴重な体験者の生のお話を聴く機会が失われたことは大変残念でした。

 今年の4月より、語り部さんや聴講者にもご理解をいただいた上で感染対策をして再開。久しぶりにお会いする語り部さんたちは、1年間のブランクを感じさせないしっかりとしたお話をしてくださっています。満州の風景や泥の家の造り方、冬場の子どもの遊び、ソ連軍が攻めてきた時の恐怖感や逃避行での喉の渇き・・・。何度も聴いたお話が、コロナ前よりもリアルに伝わってくるのはなぜでしょう。貴重な機会をこれからも続けていければと思います。

 中国メディア大学と孔子学堂の協定(8/1)  

長野県日中友好協会は2007年に中国国際放送局と「長野県日中友好協会ラジオ孔子学堂に関する協定書」を結び、中国語講座の開講、中国文化の普及などに取り組んできました。

 昨年中国の機構改革により、国際放送局が孔子学堂事業から離れることになり、代わって関係の深い中国伝媒大学(伝媒:メディアやコミュニケーションの意味)を紹介され、6月、県や県立大学のご協力もいただき調印し、このほど孔子学院のセンターである中国中文基金会の正式承認もおりました。

 中国伝媒大学は北京にあり学生数1万人余り、メディア人材を送り出している有名大学。長野県日中友好協会ラジオ孔子学堂(長野ラジオ孔子学堂)の名称はそのまま継続されます。

 上田日中21年度定期総会を対面で開催(7/17)
 
 上田市日中友好協会2021年度定期総会が7月17日、上田市内のささやホールで開催されました。会員はじめ来賓として土屋陽一市長、羽田次郎参議院議員、井出庸生衆議院議員(代)、清水純子県会副議長、県日中友好協会からは西堀正司副会長、布施正幸理事長、近隣の小諸市日中の清水清利副会長、軽井沢日中の佐藤敬治会長、中山幸夫事務局長ら30名が出席しました。

 田中晃美会長は、「上田日中は1955年設立以来66年の長きにわたり、中国との親善友好に努めてきた。寧波市との友好関係も結んでいる。昨年来、コロナ禍によって交流が中断しており、私たちの思いと逆な残念な現状だが、困難な時こそ日中民間交流が大事だと思う。明年の国交正常化50周年に向けて力を合わせて行きたい」とあいさつしました。来賓の皆さんから激励の祝辞が述べられました。

 総会議事では20年度の活動報告と決算報告が承認され、21年度の活動報告、予算が採択されました。活動方針では中国帰国者支援活動、中国語教室の運営、多文化共生推進事業への協力、新会員加入促進などに取り組みつつ、日中国交正常化50周年事業を準備していくとうたっています。また役員改選で、田中会長の後任として小林隆利氏(理事長)を新会長に、高田忍氏を理事長に選出しました。小林新会長は、会員同士の交流を大切にしながら、上田市と協力して友好交流活動にとりくんでいきたいと述べました。

 第二部の記念講演では、西堀正司・公社日中友好協会専務理事が「日中関係の行方」と題して講演し、中国の歩んできた歴史と現状、日中関係を取り巻く複雑な状況などを分かりやすく解説し好評でした。布施理事長は、来賓祝辞の中で、日ごろの協力に感謝した後、当面身近な交流に取り組みつつ、アフター・コロナ、明年の国交正常化50周年の交流再開に備えましょうとあいさつしました。
 諏訪日中36回総会開く―アフターコロナを見据えて(7/12)  

 諏訪市日中友好協会は7月12日、諏訪市役所大会議室で第36回定期総会を開きました。総会には26人が出席しました。金子ゆかり会長(諏訪市長)は、「日中関係はコロナ禍によって交流がストップしているが、中国は日本にとって重要な国であり、政治的なギクシャクを越えて国民同士の交流理解を望んでいる。アフターコロナを見据えて頑張っていきましょう」とあいさつしました。

 吉澤美樹郎市議会議長と岩波寿亮諏訪商工会議所会頭、布施正幸県日中友好協会理事長が祝辞を述べ日中友好の懸け橋としての協会の活動に期待しました。

総会で採択された基本方針は、昨年来のコロナ禍で、諏訪市日中友好協会の維持存続を最優先し、来年度の活発な交流活動に備え力を蓄える年とし、具体的な事業としては、①映像で巡る中国旅行(9月老人福祉センターにて)②仏法紹隆寺の夜間照明イチョウと護摩法要の体験(10月28日日本の密教に関わる護摩行を中国人留学生などに体験してもらう)などに取り組んでいくこととしました。(諏訪市日中友好協会理事長 矢島庄一)

 丸山邦雄氏の顕彰碑完成式典(7/10)              

 敗戦後「満州」からの邦人引き上げに尽力され「NHKドラマ、どこにもない国」の主人公のモデルとなった丸山邦雄氏の顕彰碑完成記念式典が新型コロナのためちょうど1年遅れで7月10日開催されました。

 飯山駅前公園での顕彰像除幕式の前段で記念講演会が飯山市文化交流館「なちゅら」で行われ、どこにもない国の制作に携われた中村高志氏、満蒙開拓平和記念館の寺沢秀文氏の講演があり、過去の歴史を知り、未来に繋いでいく大切さを噛み締めました。

 会場はコロナ感染対策で入場制限がありましたが200名ほど参加があり、飯山日中の会員は20名も集まり1年以上ぶりの再会と変わりないことに感激しました。長野市日中からも3名の方がおいでくださいました。

 未だ新型コロナの収束は見込めない状況ですが、協会だよりで絆を保っていく所存です。飯山にお越しの際は、飯山駅前公園の丸山邦雄氏の銅像をご覧ください。(飯山日中友好協会事務局長 滝沢周一  )

  長野県立美術館に移植された友好の枝垂桜元気に成長(6/29)   

 長野県立美術館が4月1日オープンしましたが、その庭に唐家璇・中日友好協会会長が2016年9月来県のおりに阿部守一知事、程永華大使、高波謙二会長4名で記念植樹した友好の枝垂桜が移植され、元気に活着成長しています。

 来春には立派な花をつけ、来館者を迎えてくれることでしょう。

  日中スキー交流委員会総会開催-明年の北京冬季五輪に向けて(6/28)   

長野県日中スキー交流委員会(北野貴裕会長)は、6月28日、犀北館ホテルにおいて21年度総会を開き、20年度の活動報告・決算報告を承認し21年度の活動方針などを決定しました。総会には県(スポーツ課・国際交流課)をはじめ県スキー連盟、県日中友好協会、飯山・白馬・長野・野沢温泉の行政・スキークラブ関係者が出席し熱心に意見交換をしました。

太谷陽一県スキー連盟副会長は、「明年2月には、いよいよ北京冬季オリンピック・パラリンピックが開催される。私達にとっての成功は、長野県の選手が一人でも多く参加し好成績上げる事にある。コロナ感染が収束し、本会の活動が再開されて有益な交流促進に繋がる事を願っている」と挨拶しました。田島康彦県スポーツ課振興係長、小林一洋国際交流課長、西堀正司県日中友好協会副会長が「これまでの日中スキー交流の様々な取り組みが実を結び、北京冬季オリンピックが素晴らしい大会になる事を願っている」などと述べました。

本年度の計画として、北京冬季オリンピックに向け中国の国家プロジェクトへの協力を中心として、中国スキー訓練隊の受入れ、県ジュニアスキー訓練隊派遣などをあげています。

   第59回長野県日中友好協会定期大会ー歴史を教訓に相互信頼回復に努める (5/18)
       <書面決議で実施、新年度方針承認>

 第59回県協会定期大会は、新型コロナ禍のため昨年に引き続き書面審議方式で行われました。3月25日の大会準備委員会において、大会議案の原案及び、定期大会に向けての第3回理事会と定期大会の持ち方について検討が行われ、①理事会を書面決議方式で行い、大会に提出する議案と定期大会を書面審議方式で行うことの承認を得、そのうえで、②大会代議員と県役員に大会議案の承認を得ることとしました。

 第3回理事会の決定(4月15日集約)に基づいて、大会構成員に書面審議をお願いしたところ大会議案(20年度活動報告・決算報告・監査報告、21年度活動方針案・予算案)を承認(5月18日)いただきました。

◇20年度活動報告は、次のように1年の取り組みを振り返っています。

 昨年は戦後75年、日中友好協会創立70周年の節目の年に当たり両国関係の好転が期待されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって人的交流がストップし、経済・文化・スポーツ交流等にも深刻な影響を及ぼす年となった。東京オリンピック・パラリンピックも延期となった。
 また、米中対立の激化も多くの人の憂うるところだった。米大統領選の結果、対話路線に回帰すると期待されたが、米中関係は、厳しさが続き、日中・日米関係にも強い影響を与えている。国際情勢が激変している中で日中関係は今後も紆余曲折が予想されるが、我が国としても対米一辺倒の思潮に押し流されることなく14億の人々が住む、歴史的にも経済的にも深いかかわりを持つ中国と、不再戦・平和友好・覇権反対を大切にして安定的な友好協力関係を築いて行きたいものだ。
 県協会はこの一年、コロナ禍の影響を受け、予定していた、諸事業の多くを、中止せざるを得なくなり、関係の皆様に多大なご迷惑をおかけすることになった。東京オリンピックホストタウン事業や北京冬季オリンピック支援交流事業がストップしたことは大変残念なことだった。こうした中にあっても海を越えて義援金募金の取り組みやマスクの贈呈支援、励ましのエールの交換が行われたことを銘記したい。5月の定期大会はやむを得ず書面決議で行った。一定の落ち着きを見る中で、6月からは中国帰国者日本語教室や中国語講座・中国語スピーチコンテスト等を実施した。各地区協会でも、対策を講じながら身近な交流事業を実施した。また、会員の高齢化と会員の減少が進む中で協会の再生を目指して改革検討委員会を設置し検討を進めてきた。年末の第2回理事会では、2020年のまとめと2021年の交流計画並びに特別支援金など財政対策について協議した。特別支援金は各地区協会、役員各位ほか皆様のご協力で目標を超える250万円余りが集約された。
①コロナ禍が拡大する中で、中国留学生ホームステイ受入れ(7月)、日中友好キャンプ(7月)、協会70周年記念講演と祝賀の集い(10月)、70周年記念祝賀大会参加友好訪中団派遣(10月)など予定していた事業の多くを、中止せざるを得なくなり、関係の皆様に多大なご迷惑をおかけすることになった。東京オリンピックホストタウン事業や北京冬季オリンピック支援交流事業がストップしたことも大変残念なことだった。
② (公社)日中友好協会の呼びかけに応えての新形コロナウイルス義援金募金(147名、618千円集約)の取り組みに続いて、マスクの贈呈支援、励ましのエールの交換が行われた。中国大使館、中国体育総局、河北省、石家庄市、四平市、人民中国、孔子学院、深圳市易聯技術有限公司、中国友人などから6万枚を超えるサージカルマスクが寄贈された。マスクは県や市を通して医療、衛生部門に贈呈された。友好都市や交流相手からの励ましのエールも多数寄せられた。
③5月の定期大会は書面決議で行った。
④第13期長野ラジオ孔子学堂中国語講座は4月60余名の受講生が参加し、初級・準中級・中級・上級(昼・夜)の7クラスで学習がスタートした。コロナのため2か月間弱中止されたが、6月に再開された。10月10日には第38回中国語スピーチコンテストが行われた。6月と9月にはHSK中国語検定試験を実施。中国文化サロン(民族楽器フルス・二胡・中国茶・中国の歌教室など)も開講された。
⑤ 中国帰国者日本語教室は地域の状況を踏まえてコロナ対策を取って実施された。帰国者支援市町村担当者研修会は満蒙開拓平和記念館の協力を得て資料配布方式で行われた。
⑥満蒙開拓平和記念館はセミナー棟が完成し、修学旅行生の受け入れなどが期待されたが一時休館となり、6月から再開された。秋は修学旅行生など来館者が増えた。
⑦会員の高齢化と会員の減少が進む中で協会の再生を目指して改革検討委員会を設置し検討を進めた。コロナ禍が追い打ちをかけ財政がひっ迫する中、特別支援金をお願いした。目標を越え250万円余りが集約された。
⑧東京オリンピック・パラリンピックホストタウン事業はオリンピックの延期とともに主たる事業は中止となった。12月、長野県実行委員会主催による「東京オリンピックパラリンピックホストタウン・オンライン講演会」が開催されZoom形式でも参加した。
⑨人民中国読者会は、定例読者会を開催した。
⑩日中関係を考える連続市民講座は県日中学術交流委員会主催で中国を多面的に理解するために県内で活躍している大学・短大等の先生を講師に迎え、24期は11月から6回実施。
⑪日中友好新春座談会・新年会(1月)、第12回中国帰国者への理解を深める県民のつどい(2月)、第43回日中スキー交流会(2月)はコロナ禍のためやむなく中止。
⑫3月、第26回県日中友好都市交流会議をZoom形式で開催した。
⑬各地区協会では、対策を講じながらできる範囲で身近な交流事業を実施した。伊那日中のオンライン中国語会話教室、千曲市日中の邢台市との友好交流都市提携の市への働きかけ、軽井沢日中の満蒙開拓記念館参観バスツアー、長野市日中の中国民族楽器演奏会、卓球連盟のコロナ対策をしての卓球大会などが紹介された。

◇活動方針では、総論として「コロナ禍にあって日中間の人事、文化スポーツなどの交流がストップし、さらに尖閣問題や米中対立の激化などによって、困難が続いているが、 こうした中、2月に発表された内閣府の世論調査(昨年秋実施)によると中国に親しみを感ずる人の比率は22.0%、中国を重要と思う人は78.2%となっており、中国との平和友好協力は日本の今後にとって避けて通れない重要課題と国民の多くが考えていることがわかった。(昨年の日中の往復貿易額は32兆円、日米貿易は20兆円)。本年は満州事変から90周年、辛亥革命から110周年にあたる。コロナ禍によって、世界は大きな困難に直面するとともに、国際的な力関係の変化によって大きな変革期に入っている。歴史の教訓に学び、友好平和を願いながら、巨大な変化を遂げている中国の現状に関心を寄せ、相互に等身大の理解をすすめ、相互信頼回復に努めていきたい。日中平和友好条約を基礎に友好を望む両国の有為の人々と連携し交流の活性化を図り、特に若い世代に中国の魅力に関心を持ってもらい友好運動への参加を働きかける。協会は民間の立場で、県はじめ関係団体の協力を得て、交流の再開に備え、可能な取り組みを実施していく。コロナ禍の中で、制約があるが、東京と北京のオリンピックへの協力、さらに来年の日中国交正常化50周年事業を展望して友好の歩みを進めていく」とし、概略下記の取り組みを掲げています。

◎日中平和友好条約を基礎に国民感情の改善、友好関係の発展を目指す取組みとして、講演と記念のつどいの開催(10月)、東京五輪パラリンピックホストタウン事業(7~8月)、北京冬季五輪支援交流、来年度の日中国交正常化50周年記念事業の取り組み準備、長野県日中友好の翼訪中団派遣準備などを進める。

◎日常的な相互理解増進のための活動として、長野ラジオ孔子学堂中国語講座を核に中国語の普及向上に力を入れ、中国語講座、夏期スクーリング、中国語スピーチコンテスト、HSK中国語検定、中国文化講座(二胡・フルス演奏、中国茶、中国の歌、中国映画など)の実施。県日中学術交流委員会に協力して、第25期日中関係を考える連続市民講座(11月~6回)実施。更に、中国帰国者支援交流事業、満蒙開拓平和記念館運営協力、中国留学生・技能実習生などの支援と交流、組織と財政の強化を図る。 第59回長野県日中友好協会定期大会ー歴史を教訓に相互信頼回復に努める 。
 第24期日中連続市民講座⑥「コロナ禍によって変わる日中ビジネス」 (4/24)

 第24期第6回日中関係を考える連続市民講座が4月24日、日中友好センター教室において開かれ、松本大学教授で中国経済が専門の兼村智也先生が「コロナ禍によって変わる日中ビジネス」と題してオンラインで講演しました。コロナ禍の中でしたが、講座には12人が出席し熱心に聴講しました。

 兼村先生は、「コロナ禍の中で、マスクや防護服など医療関連物資の調達が滞るなどサプライチェーン(供給網)の寸断でモノの移動が止まる等中国依存度の高さが明かとなり、国同士の付き合い方を再検証する必要が指摘されている。また米中対立が激化している中で、アメリカのデカップリング政策に沿う形での開発や生産の”脱中国化”の動きが生まれており、二重に問題が提起されている。

 中でも半導体メーカーを中国から引きはがす政策に力を入れているアメリカは台湾さらに日本を巻き込んでこの政策を進めようとしている。一方中国は14億の巨大市場をバックに、内需拡大で対抗しようとしている。このような中で、日系企業の対中ビジネス行動はどう変化しているか?

 中国進出日系企業は”現状維持”の姿勢で、競争力のある日系企業にとって中国市場は依然として大きな魅力と考えられている。求められているのは中国拠点の自立化で、日本の本社と切り離した中国子会社内での資材・資金の運用の現地化が最大の経営課題となっている。

 現地化がむずかしい理由としては人の入れ替わりが激しく定着しない、人材育成が難しいこと、日本企業はマニュアルでなく人を通じてノウハウや仕組みを移転していく体質があり現地に任せる覚悟が不足していること等があげられる。一方コロナ禍で日系企業の評価は雇用を守る等評価が高まっていて、良質な人材が集まる可能性も生まれている。人の現地化に成功した企業に見られる特徴としては、日本での就学・就業経験があり、日本の本社のことを知っていて本社社長との信頼関係があり、旺盛な企業家精神を持っていることなどがあげられる。

 自立した拠点としての可能性を持っているのは、アジアの中でも中国・ベトナムのみ。日系企業が経営の現地化をはかるうえで適当な地域。日本国内企業は、一方で中国と一線を画したアメリカやアセアンとなどとのサプライチェーンを形成しつつ、もう一方で中国でのサプライチェーンにも足場を築くこと、両にらみの体制構築が有益ではないかと考える。」と指摘しました。

 アセアンと中国との経済的結びつきやアセアン諸国の人件費の比較、ベトナムは人件費も上がり飽和状態に近づいていてサプライチェーンの上でも楽ではないこと、アジア最後のフロンティアミャンマーの事情などにも話が及び有意義な講座となりました。

 第24期講座はこれで終了し、来期は11月からスタートする予定です。ご協力ありがとうございました。
  HSK中国語検定に31名が挑みました(4/10)

 HSK中国語検定が4月10日、長野ラジオ孔子学堂教室において開催されました。当日は小中学生から、高校生、大学生、一般社会人ら31名が1級から6級までの検定にチャレンジしました。

 会場には、午前9時には受験生が入室、9時半から2・4・6級の試験が始まりました。午後は1時半から1・3・5級が行われました。

 レベルの高い4級、5級、6級(6級が最上級)の受験者が多く、リスニング(聞き取り)、続いて読み取り、作文と皆さん真剣な面持ちで試験に挑んでいました。

 長野ラジオ孔子学堂では、次回は9月11日にHSK検定を予定しています。地元長野で受験でき、学生割引もあります。
  2021年度長野ラジオ孔子学堂中国語講座がスタート(4/1. 2. 7)
  21年度長野ラジオ孔子学堂中国語講座がスタートしました。4月1日、2日、7日の3回に分けて開講式が開かれました。

 今年度は入門、初級、中級、上級のそれぞれ昼の部・夜の部が開設されていて、これから中国語を学びたい人や学び始めた人が参加しやすいカリキュラムになっており、入門・初級クラスも中国語学習の意欲が感じられました。コロナ禍での開講で、対面授業とオンライン授業を併設していくことなど工夫して進めていくことになります。

 開講式では、安芸洋一学堂長に代わり、布施正幸執行理事が「継続こそ力です。中国語の環境にできるだけ身を置き、中国語の発音になじみ、親しんで、且つコミュニケーション・友好交流の手段として活用していってください。HSK中国語検定も長野で受けられるので、レベルアップを目指して頑張ってください」とあいさつ。

 受け持ちの王秋菊、範為為、顧淑鳳、呉老師(先生)から一緒に楽しく、真剣に学んでいきましょうと激励されました。

 戸井田靜男事務局長から、刷り上がったばかりの「孔子学堂便り」が配布され、講座運営や孔子学堂の実施事業の紹介などが行われ、受講生の皆さんはそれぞれの教室に分かれて早速授業が行われました。
 第24期日中連続市民講座⑤清朝中期の対外政策:「独裁」の実態・歴史の亡霊(3/13)

 第24期第5回日中関係を考える連続市民講座が3月13日、日中友好センター教室において開かれ、信州大学人文学部准教授の豊岡康史先生が「清朝中期の対外政策:「独裁」の実態・歴史の亡霊」と題して講演しました。コロナ禍の中でしたが、講座には21人が出席し熱心に聴講しました。

 豊岡先生は、「ここ数年、中国(あるいはロシア・トルコなどの旧近世帝国の後継国家)に関して、元首による「独裁」、いわば歴史の逆行を問題視する言説が見受けられる。その当否はさておき、実際に前近代帝国において「独裁」はいかに行われていたのだろうか?清朝中期(18世紀~19世紀前半)の政策決定のあり方について、制度・具体的ケースを取り上げて話したい。」と述べ、清朝漢地の政策決定機構について解説し、更に1808年のイギリス軍のマカオ上陸事件がどのように処理されたかを紹介しました。

 「結論的に言えば、清朝における「独裁」とは、重要な書類は皇帝が決裁しているけれども、政策策定は皇帝を補佐する少数の上級官僚が行っていた。その政策内容は、マジョリティである漢地・漢人(大多数を占める漢民族)に配慮したパフォーマンスに満ちたものになっていた。その意味では、皇帝が好き勝手に権力を振るう、というイメージとはかけ離れていたと言える。さらに、その政策内容は、ときに外国からは超時代的で自己中心的な「中華思想」そのものとされてきたが(「中華思想」は実際には1936年和田清らが日本の中国侵略の理由づけのために作り上げた虚像であった)、実際には柔軟な(あるいは”弱腰”な)判断を下すこともあり、むしろ諸外国の認識は表面的なパフォーマンスにとらわれてしまっているともいえる。」と指摘しました。

 現代中国との比較の角度からも興味深いお話でした。

 次回の第6回講座は、4月24日(土)、兼村智也・松本大学教授が「コロナ禍によって変わる日中ビジネス」をテーマに講演します。
 長野市と石家庄市の友好都市40周年の記念写真展開く(3/3~14)

 長野市と中国・石家庄市友好都市締結40周年を記念して、記念写真展が3月3日から14日、長野市役所第1庁舎1階の市民交流スペースで開催されました。また3月10日には長野市出身の高山賢人さんが奏でる中国の伝統楽器・二胡のコンサートなどが行われました。

 長野市と石家庄市は1981年4月19日友好都市を締結し、友好交流を続けてきました。両市の市長の相互訪問や語学研修生や中学生訪日団を迎えての交流や卓球交歓大会、近代都市に生まれ変わって発展を遂げる石家庄市の街の風景等が大判のパネルで紹介されていました。二胡の演奏会には約50名の市民が参加し、高山さんの演奏に酔いしれていました。

 なお、長野市と米国クリアウォター市との姉妹都市62周年記念展示とサックス&ピアノライブコンサートも行われました。
 第24期日中連続市民講座④「漢詩のユーモア 杜甫・李白・白居易・蘇軾を中心に」(2/20)

 第24期第4回日中関係を考える連続市民講座が2月20日、日中友好センター教室において開かれ、中国文学専門で長野県立大学教授の谷口真由実先生が「漢詩のユーモア 杜甫・李白・白居易・蘇軾を中心に」と題して講演しました。コロナ禍の中でしたが、講座には39人が出席し熱心に聴講しました。

 谷口先生は、「風刺は対象を見下す視点に立つが、ユーモア(諧謔)は自身を含めて対等に見る親しみ深い視線を特徴とする」とし、後漢末期から唐・宋に至る著名な詩人(ほとんど官吏・政治家でもあった)を取り上げ、その生きた時代背景も紹介しながら、現実の不条理や人間共通の弱点をおおらかに面白がり現代の人々をも共鳴させる作品が生まれたことをわかりやすく話しました。―

 ◎「竹林の七賢」は激動の血に彩られた時代に、限りある自己の生をより十全に生き抜こうとし、世間的価値観の呪縛を脱して私の流儀で固有な運命を選びとろうとした。厳しいい言論統制の中を生き抜いていく知恵とユーモアが見て取れる。彼らは誰よりもよく笑い、また目が眩むほど憤り得た。陶淵明は下級官吏を辞し、酒をこよなく愛し、自然を楽しみ、詩を作り悠々自適な生活を送った。

 ◎盛唐の詩人、杜甫は安史の乱や朝廷内部の政争など政情不安の時代を生き、社会詩人と評される。政治・社会の矛盾を鋭いまなざしでとらえ直截に表現した社会批判詩を多数作っている。一方で、「飲中八仙歌」などでは戯れに自身や友の姿を滑稽に描いた詩もみられる。曲江の酒家に立ち寄り、憂さを晴らす詩も作っている。人の世は乱で荒れ果てても自然は悠然としているとうたう。また杜甫には珍しくデカダンの詩もある。成都の草堂にあっては秋の暴風で吹き飛ばされた粗末な家にあって千万間の広い部屋に貧しい人々がつどい笑いあうことを夢想する詩もみられる・・・

 ◎李白は盛唐の代表的な詩人で杜甫より11歳上。その詩は天衣無縫、自由闊達で「詩仙」と称された。「月下独酌」では名月を迎え影に対して3人となる、行楽すべからく春に及ぶべし・・言葉遊びや擬人法が見られる。杜甫は李白を一斗詩百編と評した。李白の多くの詩文は酒にちなむものが多く、ユーモアや比喩にあふれたものが多い。

 ◎白居易は中唐の代表的詩人、地方官吏の家に生まれたが優秀な成績で進士に合格、中央政界で活躍するも、左遷などを体験した。平易な用語でわかりやすい詩を意識的に制作した。風諭詩(婉曲な政治批判の詩)、閑適詩(静かに自然を楽しむ詩)、感傷詩(男女の愛情を描く詩)に分類し、『白氏文集』を編集し、平安文学に大きな影響を与えた。「白鷺」は罪を得て流されていく道中の詩であるが笑いで包んでいる。「重題」では廬山こそはうるさい名誉心からの逃避場所であり、司馬というつまらぬ官職も隠居役としてはなかなかいい、とうたう。

 ◎蘇軾は北宋の詩人、進士に合格したが新法・旧法の争いに巻き込まれ、海南島に流されたこともある。「海内に知己あれば天涯も比隣の如し」は有名な句。比喩表現や比較(なぞらえる)、典故(古典からの出典)、詩語(畳韻語)の面白さがある。―

 まとめとして、「ユーモアは遊びの精神に基づくが、単なる笑いではなく、政治の世界でのつまずきに遭遇した作者の苦しみの中から生み出された。自己の内省を経て、自身の弱さやダメぶりを認め、それを、滑稽・諧謔的な言葉で表現している。作者は、ユーモアを表現することによって、逆境の苦しみを打破する起爆剤としている。それゆえ、読者に困難な現実に向き合う力を与えてくれるのではないか」先生の結びの言葉に、共感の拍手が送られました。

 次回の第5回講座は、3月13日(土)、豊岡康史・信州大学人文学部准教授が「清朝の対外政策の決定方法と現代中国」をテーマに講演します。
 日中友好春節コンサート熱いひと時を過ごす、中国民族楽器演奏に大きな拍手(2/14)

 日中友好春節コンサート・中国民族楽器演奏会が2月14日、長野市芸術館大ホールで開催され、400人の市民が二胡や古筝、琵琶などの演奏を楽しみました。2時間余りの演奏に酔いしれた観客の皆さんから盛んな拍手が送られました。

 出演者は、二胡奏者で日本二胡振興会会長の武楽群さんはじめ若手二胡奏者の高山賢人さん、古筝奏者の王敏さんと渡邊美姫さん親子、琵琶奏者の何晶さん、ピアノ伴奏の高久史子さんらとともに、久保里子さん主宰の長野二胡学友会の皆さんや長野ラジオ孔子学堂の長谷川宗利さん、鈴木正彦さんも加わりにぎやかな舞台となりました。

 武楽群さんは1988年に来日、武蔵野美術大学空間演出デザイン学部に留学。音楽、美術、演劇、著作など、多方面で活躍。現在、中国音楽家協会二胡学会理事、NPO日本二胡振興会の代表理事として、日本における中国楽器二胡の普及振興に努めています。あいさつの中で、「30年ほど前来日した時は二胡を知っている方も少なかったが今や多くの方が二胡を愛好している。こんなにうれしいことはない。今日は中国の民族楽器の演奏を堪能してほしい」と語りました。また東日本大震災被災地に何度も足を運んだことやつなみで押し流された流木で二胡を作って演奏していること等も紹介されました。武さんに師事した久保里子さんの名司会で気持ちよく進行していきました。

 オープニングの合奏では春節にちなんで「喜洋洋」そして「良宵」、さらに3.11の10周年にあたり「花は咲く」が演奏されました。続いて高山賢人さんが若者ならではの演奏スタイルで、「女人花」「君をのせて」「愛燦燦」「リベルタンゴ」などを披露しました。古筝奏者の王敏さんは「鉄馬吟」を、琵琶奏者の何晶さんは「彝族舞曲」を、古筝二重奏では王敏・渡邊母子が「豊収鑼鼓」を披露しました。武楽群さんと王敏さんの二胡と古筝の合奏「二泉映月」では”津波二胡”での演奏となり、不屈の精神、未来への憧れを表現していると言われ、聴衆に感動を与えました。古筝、琵琶、二胡の合奏による「沖縄メドレー」、武さんと久保さんの「草原新牧民」も感動を与え、拍手が鳴りやまない中、アンコールに応えて出演者が勢ぞろいして、「早春賦」「賽馬(草競馬)」)が演奏されました。2時間余りがあっという間に過ぎ、長野市日中友好協会から花束の贈呈が行われ終演となりました。

 「二胡をはじめ中国民族楽器の素晴らしい演奏を楽しく聞かせていただきました」と語りながら帰って行く観客の皆さんを、コロナ禍の中で、無事コンサートが実施できたことに感謝しながら、スタッフも嬉しく見送りました。
  オンラインで中国語講座を継続(1/28)

 長野ラジオ孔子学堂はコロナ禍による感染予防対策として、1月下旬からオンライン方式で中国語講座を継続していくこととなりました。オンライン授業は初体験の受講生も真剣に方法を会得して遠隔授業に備えました。

 戸井田靜男・孔子学堂事務局長は「高齢者の方も、悪戦苦闘しながらも、このような機会は貴重ですと言って頑張っています。当面2月、3月はこの方式で進めていく予定です」と述べていました。

 授業ではパソコン画面に先生の顔や文字とともに、受講生の皆さんの顔も映し出され身近にお互いを意識しつつ学習に励んでいました。
  第24期日中連続市民講座③「米大統領選と米中対立に想う」(1/23)

 第24期第3回日中関係を考える連続市民講座が1月23日、日中友好センター教室において開催され、米国の社会経済事情に詳しい上田女子短期大学の小池明学長(経済学、金融論)が「米大統領選と米中対立に想う」と題してオンラインで講演しました。コロナ禍の中でしたが、講座には19人が出席し熱心に聴講しました。

 小池先生は、過去10年間の米国と中国の主な出来事を振り返った後、米国事情、米中関係、日本の取るべき道などについて話しました。(概略下記参照)

 ―米ソ冷戦時代には米国には中国を引き寄せるべきだとの思いがあり、WTOなどへの加盟によって世界標準に近づいて民主化も進むだろうとの思いがあった。もちろん14億の人口・市場に対する関心もあった。中国はこの10年間成長を続け現在世界のビッグプレーヤーとして存在感を増している。米国は中国を次第に警戒し対抗する政策をとるようになった。
 トランプ前大統領の任期中に米国社会の分断が広がった。南北戦争でも同じだが今後、分断解消に相応の時間がかかるだろう。バイデン新大統領は対話を重要視した政治を進めていくとみられる。
 一方、対中政策についてはバイデンはトランプとは違って中国寄りとの見方もあるが、米国の世論が強硬論を支持しており、トランプとの対抗上強硬なことを言った。急激に融和策へとかじを切り直すことはないだろう。競争対立関係は変わらないが、妥協できることは建設的にやっていこうとするだろう。
 日本は、米国寄りの立ち位置だが、中国との歴史的、経済的関係の大きさを考えれば安定的な関係を築く努力が求められている。正当なことを主張しつつ見返りも用意し交渉の材料を持つことが必要だ。―

 興味深い内容でメモを取りながら真剣に聞き入りました。オンラインによる講演は初めての試みでしたが、今後より改善して、交流機会を作っていきたいと思います。次回は2月20日(土)谷口眞由実・県立大学教授が「漢詩のユーモア--李白・杜甫・白居易・蘇軾を中心に」をテーマに講演します。
 
 
「日中友好春節コンサート・中国民族楽器演奏会」の取り組みすすむ (1/20)                     

 2月14日(日)日中友好春節コンサートを開催します。日本二胡振興会会長の武楽群さん、長野出身の高山賢人さんの二胡、古筝の王敏さん、琵琶の何晶さん、地元の楽友会の皆さんも多数出演します。

 春節にふさわしい楽しいコンサートになるものと確信しておりますので大勢の皆様のご来場をお待ちしております。

 (長野市日中友好協会 米山達雄)


 新春を飾る日中友好春節コンサート・中国民族楽器演奏会においでください。


 二胡/武楽群・高山賢人、古筝/王敏・渡邊美姫、琵琶/何晶、ピアノ伴奏/高久史子


日時:2月14日(日)開場13:00 開演14:00
場所:長野市芸術館メインホール
入場券:大人2,000円 小中高生1,000円(全席自由席)
主催:長野市日中友好協会(TEL026-224-6517)
後援:長野市・(公社)日中友好協会・長野県日中友好協会・信濃毎日新聞社・週刊長野新聞社・長野市民新聞社
  
≪満蒙開拓平和記念館だより≫セミナールームで修学旅行の受け入れ(1/1)  

                                   満蒙開拓平和記念館 事務局長 三沢亜紀       

新型コロナウイルス感染拡大の影響で来館者が激減した記念館ですが、秋以降、小中学校の来館で思わぬ賑わいとなりました。長野県外への修学旅行を断念した県内の学校が、代わりに県内に行先を変更し、当館にも来てくれたといういきさつです。

 子供たちの立場になって考えると、楽しみにしていた場所へ行けなくなってさぞ残念だろうと思います。しかし、お陰で地域の歴史を知る機会を得ることができたと前向きに捉えている先生方の声も多く、満蒙開拓の歴史に正面から向き合う子どもたちの姿に希望を感じました。

コロナ禍で休館し、先行きが見通せなかった頃を思うと大変ありがたく、一昨年増築したセミナー棟も大活躍です。県内各日中友好協会の皆さまにもご心配をいただきました。今シーズンの経験を活かし、学校の来館をどのように軌道に乗せ経営上持続可能にしていくのか、知恵を絞っていきたいと思います。

 本格的な平和の種まきは、これからです。本年もご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

 

  初春を迎えて

           長野県知事 阿部守一         

 皆様には、健やかに新春をお迎えのことと存じます。

貴協会には、長野県と中国との友好交流活動に対して格別の御理解と御支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

昨年は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行により、多くの国で感染の抑制を目的とした渡航制限や外出制限等が実施され、人的交流が制限されることとなりました。日中関係においても、日中友好協会創立70周年の記念すべき年となりましたが、本県も含め中国との間で長年続けてきた数多くの交流行事等が中止または延期となりました。

そのような中、友好都市である河北省はもとより、中国国家体育総局、中国人民対外友好協会、中国大使館、吉林省などから心温まるメッセージが添えられた防疫物資を寄贈いただきましたことは、大変ありがたく、強い絆を改めて感じる機会ともなりました。

本年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されています。コロナの収束と早期の人的交流の再開により、この大会が、世界中の人々が交流しつながる姿を発信する場となり、来年開催予定の北京冬季オリンピック・パラリンピックへとつながっていくことを切に望みます。県といたしましては、貴協会との連携のもと、東京オリンピック・パラリンピックの中国ホストタウンとして、人的・経済的・文化的な相互交流など、より一層交流を深め、未来につないでいけるよう取り組んでまいります。

結びに、重要な節目となる年頭に際しまして、皆様の変わらぬ御支援と御協力をお願い申し上げますとともに、貴協会の益々の御発展を御祈念申し上げ、挨拶といたします。

 

新春メッセージ

中華人民共和国駐日本国特命全権大使 孔鉉佑 

 2021年の新年を迎え、謹んで新春のお祝いを申し上げます。

  中日の民間交流は両国友好関係の重要な基礎であります。長野県日中友好協会は創立64年来、中日友好の信念を堅持し、経済、文化、スポーツ、青少年など幅広い分野で多種多様な交流活動を行い、河北省、北京市をはじめ中国各地方との協力、また両国民の友情増進に大きく貢献されました。謹んで敬意を申し上げます。

 昨年から新型コロナウイルスが全世界に広がり、中日両国は共にコロナと戦っています。この戦いにおいて両国民間団体、地方政府など各界人士が互いに見守り、助け合う精神は高く評価され、中日関係にとってプラスとなり、両国民間友好の美談でもあります。

当面、コロナの影響で人が集まって、交流することができませんが、コロナ収束後、人的往来を含め、中日双方の友好交流の更なる発展を期待しております。今年、延期された東京五輪大会が開催される見込みです。長野県は中国代表団ホストタウンとして、是非このチャンスを活かし、コロナと戦いながら友好往来の伝統を受け継ぎ、新たな交流方式でホストタウンの関連事業を成功裏に開催されますよう楽しみにしております。

先般閉幕した中国共産党第19期中央委員会第5回全体会議(五中全会)は「国民経済・社会発展第14次5カ年計画と35年までの長期目標の策定に関する中共中央の提議」を採択し、今後中国の発展の雄大な青写真を描き、ハイレベルの対外開放を実行し、協力ウィンウィンの新局面を開拓すると明言しました。これは両国地方交流と協力のいいチャンスと信じております。

中国大使館としては、引き続き貴協会並びに長野県各界の方々と共に、中日民間友好と両国地方交流を全力で支援し、両国関係の発展を支える民意の基盤を打ち固めるために努力していく所存であります。長野県日中友好協会の益々のご発展と長野県民のご多幸を心よりお祈り申し上げます。

 

  手を携えてともに友好に努力しましょう    

中日友好協会常務副会長 程永華

新春を迎え、私は中日友好協会を代表して長野県日中友好協会の友人各位と、「日本と中国」紙を通じて、長期にわたって中日友好事業の発展のために関心と支持を寄せていただいた長野県各界友人の皆様に謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

 長野県と中国の友好交流は悠久の伝統を有しています。長野県日中友好協会は多年にわたり中日友好の信念を揺るぎなく堅持し、中日関係の発展と両国の交流と協力に積極的に努力し貴重な貢献をされた、私たちの古くからの良き友人です。

 昨年、新型コロナウイルスは全世界を襲い、世界を危機に陥れました。コロナ禍に対し、中国人民と長野県人民は心を通わせ相互に物資を贈り、声援を送り合い、「山川異域、風月同天」(山川は異なれど風月は同じ)の人々を感動させる美談が生まれました。ここにコロナ禍と闘う中国人民に対する支援に対し心より感謝申し上げます。

 現在、世界は百年に一度の大きな曲がり角を迎えており、国際情勢は不穏定で不確定性が増しています。中日両国はアジアと世界の重要な国であり、世界の平和と繁栄を担う重要な責任を有しています。国の交わりは民が相親しむことにあります。新しい情勢のもと、新時代の要求にあった中日関係を築いていく積極的役割を果たしていくために、両国の民間が手を携えて、両国人民の相互理解と友好感情を不断に増進させていく努力をしましょう。新しい1年、中日友好協会は友人の皆さんとともに友好の初心に立って、困難を克服し、各分野の交流と協力を立派に展開し、中日関係を持続的に改善、発展させていきたいと願っております。

中日友好事業の一層の発展と、友人の皆様のご多幸をお祈りいたします。私たちは兄弟のような間柄として、ともに春風を待ちましょう。

 

コロナ禍乗り越え平和友好の原点に立って交流の再開へ

<年頭のごあいさつ>   長野県日中友好協会 会長 高波謙二   

明けましておめでとうございます。コロナ禍の中にあって、大変な1年間でしたが、皆様の日中友好の粘り強い意志とご尽力に敬意を表し、県協会の諸活動へのご支援ご協力に心より感謝申し上げます。

 昨年は戦後75年、日中友好協会創立70周年の節目の年に当たり両国関係の好転が期待されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって人的交流がストップし、経済・文化・スポーツ交流等にも深刻な影響を及ぼす年となりました。

また、米中対立の激化も多くの人の憂うるところでした。米大統領選の結果、対話路線に回帰すると期待されますが、米中関係は日中・日米関係にも強い影響を与えています。国際情勢が激変している中で日中関係は今後も紆余曲折が予想されますが、我が国としても対米一辺倒の思潮に押し流されることなく14億の人々が住む、歴史的にも経済的にも深いかかわりを持つ中国と、不再戦・平和友好・覇権反対を大切にして安定的な友好協力関係を築いて行きたいものです。

県協会はこの1年、1月の日中友好新春座談会と新年会開催直後からコロナ禍の影響を受け、予定していた、諸事業の多くを、中止せざるを得なくなり、関係の皆様に多大なご迷惑をおかけすることになりました。東京オリンピックホストタウン事業や北京冬季オリンピック支援交流事業がストップしたことは大変残念なことでした。こうした中にあっても海を越えて義援金募金の取り組みやマスクの贈呈支援、励ましのエールの交換が行われたことを銘記したいと思います。5月の定期大会はやむを得ず書面決議で行いました。一定の落ち着きを見る中で、6月からは中国帰国者日本語教室や中国語講座・中国語スピーチコンテスト等を実施しました。各地区協会でも、対策を講じながら身近な交流事業を実施しました。また、会員の高齢化と会員の減少が進む中で協会の再生を目指して改革検討委員会を設置し検討を進めてきました。

本年は満州事変から90周年、辛亥革命から110周年にあたります。友好平和を願いながら、巨大な変化を遂げている中国の現状に関心を寄せ、相互に等身大の理解をすすめていきたいと思います。コロナ禍によって、大きな困難に直面していますが、早期の平穏化を願い、友好の原点を踏まえて、交流の再開に備え、相互信頼の回復に努めていきたいと思います。ご支援ご協力をお願い申し上げます。

 

河北省張家口市に五輪ジャンプ台が完成(12/3)2020
           

2022年北京冬季オリンピック・パラリンピックのスキー競技の一部は私の故郷――河北省張家口市で行われるので、今日はその競技場の一つであるスキーのジャンプ台の建設状況についてお届けしたいと思います。

ジャンプ台は国家スキージャンプセンターの中に作られ、外観がかつて中国の宮廷で吉祥の象徴として用いられた器物「如意」に似ていることから「雪如意」と名付けられました。標高差が160メートル以上もあり、競技エリアの中で最も施工量が多く、建設のハードルが高い競技場の一つだそうです。2018年5月1日から正式に着工し、昨秋9月にスキージャンプの国際大会開催基準を満たす段階まで工事が終わりました。今はジャンプ台の内装工事や周辺の整備作業が着々と進められているところです。写真は先方から送られてきたものなので、皆様のご参考になりましたら幸いです。

ちなみに、北京から張家口市までの新幹線も19年12月に開通しましたので、22年には北京から新幹線に乗って、張家口の最新の競技施設までオリンピック選手の応援に行ってみたいですね!(県国際交流員・李妮)

 第24期日中連続市民講座②、中国語と日本語-日中文化比較(12/19)  2020

 第24期第2回日中関係を考える連続市民講座が12月19日、日中友好センター教室において開催され、清泉女学院短大中国語講師の王秋菊先生が「中国語と日本語ー日中文化比較」をテーマに講義しました。コロナ禍と師走の忙しい中でしたが、講座には24人が出席し熱心に聴講しました。

 主語と動詞をはっきりさせる中国語と主語と動詞があいまいな日本語の特徴に触れた後、日常のあいさつと配偶者の呼称、漢字から見た古代女性の社会的地位、老子・孔子・荘子・孟子など古代思想家が中国語と中国文化に与えた影響、詩詞が中国語と中国文化を豊かにしたこと、中国の4大名作と4大奇書(「三国志演義」「西遊記」「水滸伝」「金瓶梅」が4大奇書と言われていたが、「金瓶梅」の代わりに「紅楼夢」を加えたものが4大名作と呼ばれるようになった)へと話が進みました。

 更に、『漢委奴国王』(紀元1世紀、後漢の光武帝が日本の奴国王に与えたと「後漢書」に記されている「漢の倭奴国王」)金印と漢字の日本伝来、明代にイタリア人宣教師マテオ・リッチが漢字をローマ字表記することをはじめ、これが、現代中国で広く使われている「漢語ピンイン法案」へとつながっていったこと等興味深い話が続きました。また、明治期には革命、科学、共和、哲学、自由など多くの社会科学用語などが日本から中国に逆輸入されたこと、峠や辻、切符、切手などは和製漢字単語であることも紹介されました。玉や紅が好きな中国人、気の毒な犬、四君子と尊ばれる「梅・蘭・竹・菊」など話は中国文化に幅広く及び講義時間もあっという間に過ぎました。
 東京五輪・パラリンピックホストタウン・オンライン講演会
上原大祐さん「パラスポーツの魅力を語る」(12/16)
     2020

 東京オリ・パラホストタウン長野県実行委員会(高波謙二会長)は12月16日長野市生涯学習センターにおいて上原大祐さんを講師に迎えオンライン講演会を開催しました。上原さんは軽井沢町出身で、パラリンピック・アイスホッケーの日本代表選手として、2006年トリノ、2010年バンクーバー、2018年平昌冬季パラリンピックの3大会に出場し、2010年バンクーバー大会では準決勝で決勝ゴールを決め、銀メダル獲得に貢献しました。引退後は、「誰もが夢を持ち挑戦する世の中を作っていきたい」との思いから、2014年にNPO法人D-SHiPS32、2017年に一般社団法人障害者攻略課を設立、障害のある子供たちとその家族のサポートを行いながら、企業や自治体と連携し、全国でパラスポーツの普及を通じた地域作りに取り組んでいます。

 宮原茂県国際担当部長(実行委員会副会長)が講演に先立って、長野県と6市町村が中国を相手国とする東京五輪ホストタウンとなって各種事業に取り組んでいることや東京大会の後、2022年には北京冬季五輪・パラリンピック大会も控えていて、長野県は冬季スポーツ団体と協力しながら支援・交流を深めていることを紹介した後、「コロナ禍で活動が制約される中、オンライン講演会を開催することとなった。パラリンピアンだった上原さんの活躍の体験をお聞きしパラスポーツの魅力に理解を深めていきたい」とあいさつしました。

 上原さんは子供の頃の体験に触れ、決してあきらめない精神、こんな工夫をすれば楽しんでできると思って次々といろいろなことに取り組んできた事例を紹介しました。
 原点は、生まれつき両足が不自由だったが、自転車に乗りたいと言うと母は無理だと言わず八方手を尽くし手こぎの自転車を手に入れてくれ、自転車に乗れるようになったこと。母は「ごめんね」から「誇れる我が子」へと、認識を改めさせてくれた。できないと思われていることは実際はやればできることが多い。どうしたらできるかを考える。「1クラス1畑」で車いすでも楽しめる畑を作った。車いすキャンプや陸のカーリング=ボッチャの開催、車いす用着物の開発、長野県民パラスポーツ大会を始めたが各県に広げて全国大会を目標にしていきたい。他人事を自分事にし友達ごとにして共生社会を作っていく。共生社会を作るにはチョコチョコ行い、ちょっとしたことでも良いから発信し続けることが大切。障がい者体験だと言って大変だねを届ける体験は逆効果で、こんな工夫をすれば楽しんでできるという発想が必要と思うなどなど、アイデアとそれを実践していく上原さんのエネルギーは聞く人に感動を与えてくれました。

 <ホストタウンの取り組み紹介>東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、地方自治体がホストタウンとなり、住民と一体となって相手国の選手や関係者、オリンピアン・パラリンピアンとの交流を行い、地域の活性化などをはかる取り組みです。長野県と4市(長野市・上田市・須坂市・飯山市)2町(下諏訪町・山ノ内町)が中国を相手国とするホストタウンとして国に登録しています。長野県としては2022年の北京冬季オリンピック・パラリンピックも見据えて、スキーやスケート、アイスホッケー、カーリングなど冬季スポーツ交流を行ってきました。上原さんの精神を受け継いだ後輩選手の皆さんがパラアイスホッケーで好成績を収めることを期待したいと思います。
  第24期日中関係を考える連続市民講座スタート(11/21)   2020

第24期日中関係を考える連続市民講座が11月21日から始まりました。県内の大学と県日中友好協会などで作る県日中学術交流委員会主催で、毎月1回のペースで文化、歴史、経済関係などをテーマに計6回の講座が開かれます。

 第1回は長野大学の塚瀬進教授が「中国における歴史教育の特徴と問題点」と題して講演しました。自身が中国近現代史を研究している立場から、中国人がどのような歴史認識の中にいるのか知ることなしには中国人研究者の研究論文を深く理解することができないとの問題意識に立って、①中国の歴史教育の特徴、②歴史教科書の制度的変遷、③一般的な中国人の近代以降の歴史観、④日中戦争についての記述、⑤歴史認識の相違などについて語りました。講演終了後、出席者から活発な質問や意見が出されました。

 主催者はコロナ禍の平穏化を願いつつ、皆さんの協力を得ながら講座を進めていきたいと述べていました。第2回は12月19日、王秋菊・清泉女学院短大中国語講師が「中国語と日本語-日中文化比較」とのテーマで講演します。

 連続市民講座の開催趣旨は次の通りです。
-戦後75年、日中国交正常化から48年を経過し、日中関係の改善加速が期待された中でしたが、新型コロナの世界的感染拡大によって、人的交流がストップし、経済、文化学術、スポーツなどの分野の交流においても困難が続いています。早期の平穏化を願いつつ、コロナ禍後を見据えて、両国国民の相互信頼関係を醸成していくことが望まれます。 歴史的に深いかかわりを持ち、日本の最大の貿易相手国である中国はGDP第2位の経済大国となり巨大な変化を遂げています。14億人が住む隣国中国に対する理解を深めることは日本にとって一層重要となっています。中国を多面的に理解するため県内で活躍している大学・短大などの先生を講師に迎え第24期講座を計画しました。お誘いあってご参加ください。

詳細はこちら――>第24期日中関係を考える連続市民講座「中国の歴史・文化と日本」

第2回は12月19日(土)王秋菊・清泉女学院短大中国語講師が中国語と日本語・文化比較について話します。
第3回は1月23日(土)小池明・上田女子短大学長が米大統領選と米中対立について話します。
第4回は2月20日(土)谷口眞由実・県立大学教授が漢詩のユーモアについて話します。
第5回は3月13日(土)豊岡康史・信州大学准教授が清朝の対外政策決定方と現代中国について話します。
第6回は4月24日(土)兼村智也・松本大学教授がコロナ禍で変わる日中ビジネスについて話します。
 コロナに負けず第18回日中友好マレットゴルフ大会楽しむ(10/31)    2020

 長野市日中友好協会主催の第18回日中友好マレットゴルフ大会が10月31日、長野市犀川第2運動場マレットゴルフ場で開かれました。雨のため2度延期されていましたが3度目の正直、この日は快晴で風もなく穏やかな日和で、絶好のプレー日和になりました。

 コロナ禍の中での開催でしたが、中国帰国者14名、国際交流員1名、協会会員10名、総勢25名で18ホールのストロークプレーを楽しみました。

 OBを多発した人もいましたが、エチケットリーダーと協力して和気あいあいとプレーができました。結果は男子が戸井田靜男さん、女子は帰国者の中村国子さんが優勝しました。たくさんの賞と景品が用意されていました。参加賞は石家庄市から贈られたサージカルマスクで、参加者に好評でした。

 1位になった帰国者の野村洪才さんは「大変楽しかった。また参加したい」との感想でした。今後も日中友好のため続けていきたいと思います。
        (長野市日中友好協会 米山達雄)

 中国語スピーチコンテスト長野県大会、コロナにめげず若者が活躍(10/10)    2020

10月10日、長野県日中友好協会ラジオ孔子学堂の主催による第38回中国語スピーチコンテスト長野県大会が信濃教育会館講堂で開催され、高校生、大学生から70代の中国語学習者までの18人が出場しました。高校生や大学生の活躍が注目されました。

朗読部門には高校生・大学生の部6人と一般の部7人が参加、それぞれの全国統一課題文を発表し発音や表現力を競いました。

 スピーチ部門には5人が出場、自作文で内容や表現力を競いました。百年前にもあった交流、中国がくれた勇気、本音の交流で真の友を、食文化の違いなどを取り上げ、レベルの高い弁論発表となりました。

スピーチ部門では安曇野市出身で小松大学の学生、溝邉幹太さん(21)が優勝しました。溝邉さんは中国南京に4か月間短期留学した時、色々な国からの留学生と交流した体験を語り、「本音で話し合う中で真の友人ができた。国同士も仲良くなれると」と述べました。準優勝の久保田弘樹さん(19)は長野高専の学生で、「祖父と100年前日本に留学した中国青年との間の手紙を見て友好の大切さを感じた」と発表しました。

 岩下隆審査委員長は講評の中で、スピーチはじめ朗読部門でも素晴らしかったと述べるとともに、「正確な発音や流暢さ、イントネーションや区切りを意識すること、語りかけるように発表することが、美しい中国語に必要。スピーチ部門では心に響く内容が多かった。心を込めて語りかけ高得点を獲得できた。コロナ禍で心が内向きになっているが、交流して、言葉を通して本音を語り互いを知ることが大切。論語に知・好・楽(これを知るものはこれを好むものに如かず、これを好むものはこれを楽しむものに如かず)という教えが出てくるが、中国語を知り、好きになり、楽しんで下さい」」と、激励しました。

 安芸洋一長野ラジオ孔子学堂長は冒頭の主催者あいさつの中で、コロナ禍により、学習機会の減少にもかかわらず、勇気をもってチャレンジした出場者に敬意を表した後、日ごろの学習の成果を発揮するよう激励、中国語の学習を通じて相互理解を深め、日中友好の輪が広がることを期待していますと述べました。西堀正司県日中友好協会副会長も日本にとって大事な隣国中国は大きく変化発展している。コロナ禍が納まることを願い来年の東京五輪、22年の北京冬季五輪など交流を進めたい。中国語を学び現在の中国を理解し友好促進に貢献してほしいとあいさつしました。

 また、清泉女学院短大講師の王秋菊さんは審査員を務めるとともに、「中国語の学習方法」と題して講演しました。中国語の学習にとって発音は非常に大切と述べ、中国語には日本語にない子音、母音、四声などがあり、これをマスターするために繰り返し練習することが必要と強調しました。皆さんうなずきながら聞き入っていました。

 当日、会場には出場者の友人や中国語学習仲間なども応援に駆けつけ拍手を送っていました。

 入賞者は次のとおりです。
 スピーチ部門 一般・大学生の部 ①溝邉幹太 ②久保田拓樹  ③大矢健一 (奨励賞)伊藤育子 (敢闘賞)登内七海
 朗読部門 高校生・大学生の部 ①滝澤燿 ②山口まどか  ③村松日穂   (奨励賞)石坂実優 (敢闘賞)青柳明里 (努力賞)鹿野日南子
 朗読部門 一般の部 ①老月秀光 ②宮沢一三 ③依田光枝   (奨励賞)大嶋くに子・塚田益裕 (敢闘賞)森川敬子・横川正秀 

 入賞者にはトロフィーや楯が贈られました。成績優秀者は来年1月の全国大会に推薦されます。

 


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