第5巻第10号                    1992/7/1
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DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY

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毎月1日発行[発行責任者:守 一雄]

(PDC00137, dmori@c1shin.cs.shinshu-u.ac.jp)



 先月号で紹介した『黒い輪』光文社\1800は、めでたく長野市での先月のベストセラー第1位に輝きました。もう1冊の『反オリンピック宣言:その神話と犯罪性をつく』風媒社\1133も売れるといいのですが。そして願わくば・・・ と言っているうちに、7月になりましたが、『黒い輪』以降、特におすすめできるような本に出会いませんでした。そこで、今月号は、DOHCの第2巻(1988-89)で紹介した本を再録し、若干の情報を付け加えることにします。 (守 一雄)

【DOHC第2巻(1988/10から89/9)で紹介した本】

●第1号 「昨年一年間の読書リスト」とそのBEST1として、広瀬隆『危険な話』八月書館1,600円を選出。(この本は、その後『新版:危険な話』として新潮文庫になりました。反原発運動の火付け役となった本です。『眠れない話』(新潮文庫)『最後の話』(八月書館)とともに3冊シリーズになりました。)
●第2号 G.ブロイアー『社会生物学論争』どうぶつ社2,800円・「アグネス論争」を愉しむ会編『「アグネス論争」を読む』JICC出版局350円。(後者は古い話題となりましたが、前者に関しては、最近やっと論争が見られるようになりました。『現代思想』1992年5月号は、「特集ドーキンス」で、社会生物学についての最新の論争がなされています。)
●第3号 橋本治『桃尻語訳「枕草子」(上)』河出書房新社1,200円(その後、中・下巻も出て完結しました。私の読みでは、これはもうすぐ文庫になると思います。)
●第4号 石弘之『地球環境報告』岩波新書530円(今年は地球環境サミットも開かれ、地球環境がキーワードになりました。いい本ですが、核廃棄物に触れていない点が気になります。)
●第5号 清水義範『永遠のジャック&ベティ』講談社1,200円(これも講談社文庫になりました。清水義範の本は、続々、文庫になっています。先月も3冊文庫が出ました。どれもおもしろかったけど、清水義範ばかり紹介しとるのもイカンデ。)
●第6号 竹内久美子『浮気人類進化論』晶文社1,200円・小倉千加子『セックス神話解体新書』学陽書房1,300円(その後、竹内久美子氏の新刊が2冊出ています。『男と女の進化論』新潮社1,250円、『そんなバカな!』文芸春秋社1,300円。上述の『現代思想』には竹内久美子批判の論文がかなりあります。)
●第7号 神林章夫『信州大学経済学部”組織は考える”』第一法規1,500円・菅原憲義『教育支配の構図:教育県長野の実際』労働旬報社1,400円
●第8号 D.キイス『アルジャーノンに花束を』早川書房1,200円
●第9号 上野千鶴子『女遊び』学陽書房1,400円・鹿嶋敬『男と女:変わる力学』岩波新書490円
●第10号 小原嘉明『オスとメス:求愛と生殖行動』岩波ジュニア新書600円(ウェーン。この本はその後絶版になってしまいました。古本屋で見つけたらぜひ買っておきましょう。)
●第11号 別冊宝島70『ザ・中学教師』JICC出版局980円(その後、数冊続編が出ています。河上亮一『プロ教師への道』JICC出版局1,400円は、そのシリーズの中心的著者の単行本)・別冊宝島90『大学の事情』JICC出版局1,010円(大学関係では、鷲田小弥太『大学教授になる方法』青弓社1,545円が、その後出た本では秀逸。)
●第12号 石津ちひろ『まさかさかさま動物回文集』河出書房新社1,000円(何度読んでもおもしろい。最近の私の作品「探険マン健太」「次朗舞い舞う路地」。)


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