第2巻第10号                    1989/7/1
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DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY


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毎月1日発行[発行責任者:守 一雄]



  例年、教育学部は教育実習のために6月中に夏休みが始まりますので、7月号と8月号は授業で配るわけにもいかず、発行部数が著しく減ります。(去年も書いたことだけど、)この文章を誰がいったい読むことやら。
 さて、(と、気を取り直して、)年間百冊読むためには、「1212運動」で1週間に2冊ずつ、1単位につき2冊ずつ読めばいいのだけれど、「百冊の本をどう選んだらいいのだ」という声も聞かれます。普段あまり本を読まない人が、本を読もうとするときに、障害となる第一のものは「本を読む時間がない」ということのようなのですが、本を「たくさん」読もうとするときの第一の障害は、実は、「読む本がない」ということなのです。私の体験でも、しばらく本を読めなかった期間があると、それはたいてい「忙しくて本が読めなかった」というよりも、「読むのにちょうど良いような面白い本が手元になかった」ということの方が多いのです。
  そんなときよく話題になるのは、「○○新書を100冊読む」といった方法です。たとえば、最近は岩波新書の新刊が毎月4冊出ますから、年間50冊近くはこれで確保できます。ただし、欠点として「岩波新書はちょっと難しい」んです。 (「なに大学生のくせに岩波新書が難しいとは嘆かわしい」とエライ先生には怒られそうですが、正直言って大学教官の私でも岩波新書はテゴワイものがかなりあるのです。)
 そこで、私が目につけていたのが、弟分の「岩波ジュニア新書」です。これは、中学生・高校生を対象に書かれたものですから、だいぶやさしい。なかには、やさしすぎると感じるものもある。しかし、だからといってバカにはできない。
 佐藤文隆『アインシュタインが考えたこと』岩波ジュニア新書(\600)
はやっぱり難しかった。もっとも、同じ著者の
 佐藤文隆『宇宙論への招待--プリンキピアとビッグバン』岩波新書(\480)
はまるで歯がたたなかったのだから、やはり「ジュニア」は有難いのだ。
 総冊数が150冊程度というのもウレシイことです。というのも、このくらいだったら、どうしても興味の湧かないものや、あまりに幼稚すぎると感じるものを除けば、ちょうど100冊くらいになるからです。今ちょうど創刊10周年のフェアが行なわれていて、内容紹介の小冊子も用意されています。ジュニア新書とはいえ、これを100冊読んだらやっぱりスゴイと思うヨ。  (守 一雄)

【これは絶対面白い】  

小原嘉明『オスとメス:求愛と生殖行動』

(岩波ジュニア新書 \600)


  これは恋愛論です。すべての人間のオスと人間のメスに自信を持ってオススメします。ジュニア新書読み始めの1冊にどうぞ。       (守 一雄)
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html化1996.8.26