Disclosure Announcement

北大路書房の公開案内状

  
●報道関係者各位
●取次・書店等関係者各位
●『ちびくろさんぽ』読者のみなさまへ

            1997年12月12日

       京都市北区紫野十二坊町12−8
       株式会社 北大路書房

謹啓

 師走の候,ますますご清祥のことと拝察申し上げます。

小社は本年10月20日に,絵本『チビクロさんぽ』を出版いたしました。この絵本の出版につきましては,テレビ,ラジオ,新聞,雑誌,週刊誌,業界紙(誌),ミニコミ誌など幅広くご紹介をいただいており,すでにお聞き及びのことと存じます。

 さて,このたびお便りいたしましたのは,この小社絵本につきまして,大阪・堺市にある「黒人差別をなくす会」より,11月2日に「内容証明郵便」で「ご質問状」をいただいており,以降12月10日までの小社との全やりとりの記録をご紹介するためです。

 もとよりこの絵本につきましては,1988年以降,絶版について,差別について,原作評価について……などなど社会的に議論がなされてきておりました。この絵本の原作がもっている性質からして,今回の小社の改作出版につきまして,小社に寄せられた「ご質問・ご意見・ご批判」などについては,小社の責任ある返答など,真摯な対応が必要であると心得ておりました。さらに,そこでの「ご質問・ご意見・ご批判」そのものと小社のそれについての「返答・考え方」は,たんにその発信者に返していくのみならず,広く多くの人々の耳目に及ぶよう小社としても極力努力し,より多くの人々に,そこでの議論を知っていただくことが必要であろう,とも考えておりました。これら内容の「公開」をしていくことは,もし小社の考えに誤りなどある場合,それをただしていただく機会も増えることにもつながり,両者のフェアなやりとりが保障できるものとも考えます。これらの意味でもともと,小社に公式に寄せられた「ご質問・ご意見・ご批判」などについては,小社の外部に「公開」していくつもりでいたものです。

 上に述べました意味からも,「黒人差別をなくす会からの文書」と「小社の返書」の内容は二者間のみのものではなく,「公開」すべき内容と判断いたしておりました。

 さて,二者間の議論そのものは,すでに終わったわけではありませんが,現時点ではやや停滞しているようにも感じております。ここで今までの経緯を公開することにより,今後の実りある議論が果たされれば……,との思いで別紙資料をお届け申し上げます。

 なお,このたびの「公開」につきましては,「黒人差別をなくす会」(以下,「会」と略記)に対し,もともと小社から呼びかけ,了解を求めておりました。しかし,会の方から小社に対し,12月10日現在,直接の返答はいただかないままになっております(この間の事情は,同封の「公開物」資料<「黒人差別をなくす会」と「北大路書房」のやりとり>を参照ください)。

 小社といたしましては,小社の「公開」が,けっして「会に具体的な不利益をもたらす」ものではなく,「会を中傷したり,名誉を傷つける」ことにもあたらないものであると判断いたしております。また,けっして自社の営業に利する「公開」をするつもりもありません。このたびの<公開物>の全容(小社の「公開内容」すべて)を,以下にお示ししておきます。

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○公開物・・・資料「黒人差別をなくす会」と「北大路書房」のやりとり

11月 2日付−−黒人差別をなくす会の1通めのお手紙
11月 5日付−−小社の受け取り通知状1
11月10日付−−黒人差別をなくす会の2通めのお手紙
11月13日付−−小社の受け取り通知状2
11月17日付−−小社の1通めの返答書
11月22日付−−黒人差別をなくす会の3通めのお手紙
11月28日付−−小社の2通めの返答書
12月 6日付−−黒人差別をなくす会の4通めのお手紙
12月 9日付−−小社の3通めの返答書
12月10日付−−小社の公開通知状

○公開の対象と方法

・小社に「読書カード」等でご意見をお寄せいただいた読者の方(12月10日現在,全国約 200名の方々)への「公開物」の郵送。

・全国の主な取次店・書店への「公開物」の郵送。

・インターネット「ホームページ」への「公開物」の掲載。改作者(森まりもさん:本名 守一雄・信州大学教育学部助教授)のホームページ,http://zenkoji.shinshu-u.ac.jp /mori/sampo/sampoQandA.html)

・全国の新聞社をはじめとする報道機関(約100社)ほか(一部,評論家および読書団体) への「公開物」の郵送。

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 なお,このたびの公開以後,会からの小社へのお手紙および小社からの会へのお手紙につきましても,同様にすべて「公開」してまいる所存です。また同様に,それらの「公開」につきましても,けっして自社の営業に利する「公開」をするつもりはありません。

また,読書カードなどで読者の方々から寄せられております「ご意見・ご感想など」については,今後,読者の方を中心に別途小社からの「通信」をお返ししていく予定にしております。

 以上,この件に関しましての小社の考え方・姿勢をご理解いただきたく,このたびのお知らせとさせていただきました。

   敬具


●報道関係者各位

追伸
  この手紙は,小社の立場から会とのやりとりの経緯の概略と小社の姿勢を述べたものです。報道にあたられましては,上記「公開物」そのもの,黒人差別をなくす会のお考えなど,十分ご取材の上,よろしくお願い申し上げます。


●取次・書店等関係者各位

追伸
  この手紙は,小社の立場から会とのやりとりの経緯の概略と小社の姿勢を述べたものです。内容のご理解にあたられましては,お手間をとりますが,「公開物」そのものを,十分お読みくださいますよう,お願い申し上げます。
 なお,この手紙は,全国の主な取次店・書店様にお送りしております。


●『ちびくろさんぽ』読者のみなさまへ

追伸
  この手紙は,小社の立場から会とのやりとりの経緯の概略と小社の姿勢を述べたものです。内容のご理解にあたられましては,「公開物」そのものを十分お読みくださいますよう,お願い申し上げます。


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