音階の曲集の使い方

(ドレミ楽譜出版社刊)

《バイエルと併用する場合》


「音階の曲集」は先生の自主的な工夫によって、色々に使うことができるテキストです。そうはいっても、そのようなやり方に慣れていない先生には、戸惑うところもあるかと思います。そこで、参考までに「音階の曲集」をバイエルと併用して使う指導スケジュールの一例を、紹介させていただきます。

バイエルの場合、調による学習曲の編成は、合理性に欠けるだけでなく、調号が増えて難しい調になればなるほど、学習曲の数は大変少なくなっています。(ホ長調も変ロ長調も1曲のみ) しかし、「音階の曲集」と組み合わせて、このカリキュラム案のように巧みに編成すると、どの調も新しく学習する時には、その調により一層習熟できるように、必ず連続して複数の曲を学習することができます。また、その後は適当な間隔をあけて何回も学習することができます。これにより、学習した内容が徹底され、かつ忘れそうになる前に再三学習することで、理解と記憶がいっそう堅固なものになるでしょう。その意味から、この編成は理解と記憶の心理学にかなった編成だということができると思います。

 もう一つの特徴は、曲を追うごとに次第に難しくなっていく技術的な難しさのカーブがとてもなだらかになっているということです。これにより子どもたちは、自信を持って着実に学習の効果を上げていくことができます。バイエルの順番がかなりの程度改変されているのは、調の合理的な配列とともに、このような技術的な難度についても配慮したためです。

このように学習効果が上がるカリキュラムも、いざ次に習う曲は何かなとこの表の中から探すことは、慣れない先生にはちょっと難しいところがあります。そこで、実際の使用に当たっては、このカリキュラムを印刷して各生徒に持たせ、これから習う曲を赤鉛筆で丸く囲って生徒に指示しましょう。そして、学習し終わった曲は横線を引くとかしてチェックします。そうすれば、生徒も先生も、自分がどこまで進んでいて、どの曲が終わって次はどの曲を勉強するのか、すぐ分かります。

このカリキュラム表をブラウザから印刷すると、4頁くらいになると思います。もちろん、これはこれで、例えば調が色別になっているので、同じ調を適当な間隔をおいて何回も学習できるようになっていることを確認するためには、とても分かりやすいと思います。(残念ながら、ブラウザで印刷するとこの色は印刷されません)しかし、レッスンの中で参照のために使うには、これではちょっと印刷枚数が多すぎるとお感じの先生のために、 MS Word で2頁にまとめて編集しました。このファイルの圧縮ファイルを用意しましたので、これをお使いになりたい方は、下の「圧縮ファイルのダウンロード」のリンクをクリックして、ご自分のパソコンにダウンロードして使ってみて下さい。圧縮ファイルの解凍の仕方については、参考書をご覧いただきたいと思います。
「バイエルとの併用カリキュラム表」を見る
圧縮ファイルのダウンロード(onkaicri.lzh)


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