野尻湖発掘の歩み

偶然の発見!

1948年、野尻湖畔の旅館のご主人である加藤松之助氏が、野尻湖底でナウマンゾウの臼歯(きゅうし)を発見しました。「湯たんぼ」にしては変だと思ってひろい、地元の野尻湖小学校の日野武彦校長にみてもらったところ、ゾウの歯ではないかといわれ、とっておいたのが発端でした。 

まず掘ってみよう

化石のでた地層を検討していた研究グループの人たちが湖畔で議論をしていたところ、「議論ばかりしていないで、掘ってみたらどうか。まず実践だ」という古生物学者の井尻正二氏の提案があり、発掘することが決まりました。1961年、始めての発掘の前の年のことです。

野尻湖発掘がはじまる!

clip1962年3月に第1次野尻湖発掘がはじまって、2010年までに18回の調査を行ないました。発掘調査は専門家だけではなく、全国各地から集まった小学生から大人まで多くの方の参加や協力があり、沢山の遺物が発見されました。その発掘の歩みを年次別にご案内します。

年次別 野尻湖発掘の歩み

2010年3月21日(日)〜30日(火)に行なわれた第18次野尻湖発掘の成果報告はコチラ

最初に発見された化石
ナウマンゾウ上顎第3大臼歯(重さ約5kg、長さ約30cm) 博物館に展示されています。

 立が鼻遺跡


フィルム

野尻湖発掘記録映画

NPO法人科学映像館が配信する無料の動画です。どなたでも自由にご覧になれます。

野尻湖発掘(湖底・陸上)年表

発掘 おもなことがら 発掘品数 参加人数
1948   加藤松之助さんがナウマンゾウの臼歯を発見。    
1961   湖畔の議論。    
1962 第 l次発掘 ナウマンゾウ・ヤベオオツノジカの化石を発見。 20 70
1963 第2次発掘 放射性年代の測定と花粉分析によるウルム氷期の確認。 40 150
1964 第3次発掘 最初の旧石器剥片の発見。 77 200
1965 第4次発掘 ナウマンゾウの頭骨の一部を発見。8.5メートルの材木化石の発見。 315 400
1973 第5次発掘 「月と星」発見。ナイフ形石器・骨器の発見。専門グループの発足。 1402 1107
1975 第6次発掘 ビーナス像(?)、生痕化石の発見。ラミナ掘りはじまる。友の会発足。 10154 3652
1976 第1回陸上発掘 ナイフ形石器と乾痕の発見。 1217 377
1978 第7次発掘 友の会単位での発掘参加、ナウマンゾウ頭骨の発見。昆虫化石の発見。 8174 2897
1979 第2回陸上発掘 土壙・爪形文土器・台形ナイフの発見。 1868 327
1981 第8次発掘 2.4メートルの牙・ヤリ状木質遣物の発見。骨製スクレイパーの発見。 8384 2897
1982 第3回陸上発掘 約2万年前の湖岸線の発掘。隆線文土器の発見。 2214 344
1984 第9次発掘 キルサイト確認、糞石(?)発見。 8429 2377
1987 第10次発掘 骨製クリーヴァー(ナタ状骨器)の発見。 7872 1969
1990 第11次発掘 ナウマンゾウの足跡化石の証明。 5570 1672
1993 第12次発掘 線状痕(解体痕?)のある肋骨の発見。 4033 1498
1994 第7回陸上発掘 野尻湖文化の石器発見。 1152 243
1997 第13次発掘 たたき石、ナウマンゾウ上腕骨の発見。 2485 855
1998 第8回陸上発掘 野尻湖文化の石器集中してみつかる。 1008 186
2000 第14次発掘 化石の産状を詳しく観察する調査法をはじめる。 2020 573
2003 第15次発掘 昔のなぎさの場所を発見。    
2006 第16次発掘 オオツノジカの切歯の発見。「産状確認法」を本格導入。 746 300
2008 第17次発掘 オオツノジカの顎の骨やナウマンゾウの首の骨の発見。 245 732
2010 第18次発掘 たたき石やナウマンゾウの切歯片、肋骨片などの発見。 499 193
2012 第19次発掘 次回の発掘は2012年3月の予定。    
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