第18次野尻湖湖底発掘 成果報告

第18次野尻湖発掘  場所:立が鼻遺跡 2010年3月21日(日)〜30日(火)

 あいにくの天気に見舞われた日も多くありましたが、大きな日程の変更もなく、けが人が出ることもなく、無事第18次野尻湖発掘が終了しました。第18次野尻湖発掘の目標は「キルサイト(狩り場)の性格を明らかにするための証拠をたくさん発掘すること」でした。今回は新しい試みとして、グリッドの中にサブトレンチを掘り、地層をよく観察しながら発掘しました。グリッドの表面で見えるラミナを観察して、約4万数千年前の川の流れを調べました。川の流れが速かった粗い堆積物からたくさんの化石や遺物が見つかりました。

 みんな「私も掘りたい」、「4万年前の野尻湖の様子を知りたい」という夢を達成でき、本当に楽しそうに毎日を過ごしていました。
 この発掘をおこなうためにご協力、ご支援頂きありがとうございました。そして発掘に参加された皆様本当にご苦労様でした。 これからは、次の第19次野尻湖発掘に向けて準備する期間になります。みんなの目標、夢をもっともっと深いところまで解明できるように、研究し話し合い勉強し、再来年もまたこの場所で出会いましょう。

おもな出土化石遺物と出土点数 ( )は重要品

立が鼻砂部層(T2ユニット)約4万9千〜4万4千年前
総出土点数499点(うち重要品48点)

  • 人類考古遺物/ 18点 (1) 敲石(たたきいし)
  • 哺乳類動物化石/ 281点 (42) ナウマンゾウ切歯片群、胸椎棘突起、切歯片、下顎大臼歯片、胸骨横突起、頭蓋骨片、切歯片(先端)、ラメラ片群
  • 生痕化石/ 6点  二枚貝もぐりあと
  • 植物化石/ 144点 (3) チョウセンゴヨウ種子?
  • 昆虫化石/ 2点 甲虫破片
  • 貝化石/ 48点 (2) マツカサガイ多産

主な成果 
28日、約4万9千〜4万4千年前の地層からナウマンゾウの切歯(牙)の先端、マツカサガイや植物の種子、昆虫の羽の化石も出土しました。 25日、26日も雪の降る悪天候にもかかわらず、沢山の哺乳類化石が発掘されました。ナウマンゾウの胸椎の一部、頭骨の破片や切歯片(象牙のかけら)などの骨片が見つかっています。他にも、貝化石や昆虫化石も見つかっていて当時の環境を知る手がかりとなります。25日夜は中日コンパ(親睦会)が開かれ結束を深めました。 23日、ナウマンゾウ中位胸椎の棘突起(32x12cm)の化石、野尻湖では3例目となる敲石(たたきいし/ 7.4x3.8x2.3cm)、24日、ナウマンゾウの臼歯片(下顎臼歯)や肋骨片など貴重な化石が産出しています。ここ数日は雪や雨の悪天候です。グリッドの上に特製のテントを設営し、皆さんかじかむ手を温めながら作業や調査を進めています。

発掘成果()は重要品

  • 3月28日 出土品 115点(6)
  • 3月27日 出土品 93点(2)
  • 3月26日 出土品 51点(8)
  • 3月25日 出土品 59点(3)
  • 3月24日 出土品 57点(9)
  • 3月23日 出土品 60点(7)
  • 3月22日 出土品 43点(5)

参加者

  • 3月28日 午前:134人 午後:123人 見学者:76人
  • 3月27日 午前:110人 午後:130人 見学者:71人
  • 3月26日 午前:77人 午後:95人 見学者:34人
  • 3月25日 午前:70人 午後:72人 見学者:14人
  • 3月24日 午前:71人 午後:71人 見学者:25人
  • 3月23日 午前:68人 午後:70人 見学者:25人
  • 3月22日 午前:72人 午後:78人 見学者:84人
  • 3月21日 午前:40人 午後:59人

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