平成21年8月18日(火)飯山商工会議所にて伝統産業新価値創造研究事業「~飯山仏壇の未来を探る~」が開催されました。 まず(株)宗教工芸社代表 住田孝太郎氏が「これからの仏壇と宗教観」と題した基調講演を行いました。時代の変化に伴って日本人の持つ宗教観や死生観も大きく変貌している状況を報告されました。 続いて行われたパネルディスカッションでは、基調講演に引き続き住田孝太郎氏をはじめ、各地の伝統産業に詳しい産地プロデューサー杉原広宣氏、(有)ビジネスプランニング勝瀬典雄氏、江戸小紋の染色工房(株)二葉代表の小林元文氏、そして飯山仏壇事業協同組合理事長高橋栄司を交えた5名が「飯山仏壇の未来を探る」をテーマに伝統産業の活性化事例を参考に飯山仏壇や飯山市の未来を語りました。 中でも興味深かったのは東京で江戸小紋の伝統を守る小林氏の実体験で、単に和服の素材としてだけでなくバッグなどの新しい製品を開発したことをきっかけに、さらに新しい素材への染色やデザイナーとのコラボレーションなど新規分野へのチャレンジできるようになったこと。また職人たちの作業現場を見学できるミュージアム的な工房にしたそうです。当然職人たちは大反対だったそうですが、それまで問屋や呉服店といった限られた業界の人とのコミュニケーションだけだったものが、直接消費者の声が聞こえるようになって、職人たちもモノ作りの喜びを実感できるようになったそうです。最初は反対していた職人たちも今では見学者とのコミュニケーションを楽しみにしているそうです。 私たち飯山仏壇としてもヒントとできる話が多かったシンポジウムでした。参加いただいた講師、パネラー、関係者はもとより、聴講された皆さまに感謝いたします。 このシンポジウムをひとつのきっかけとして、新しい時代の仏壇づくり、店づくりを考えていこうと思います。