Potsdam Declaration

謝罪要求状


平成9年9月22日

『教育心理学研究』編集委員会
      編集委員長 坂野 登殿

          信州大学教育学部
           守 一雄

Q24論文への不適切な審査に対する謝罪要求

  1993年に投稿のQ24論文への審査をめぐって異議申立を行い、貴委員会への質問状を提出して参りましたが、回答がいただけないままになっています。(1997年9月13日付けで最新の「ご回答」をいただきましたが、「手続きに誤りはなかった」「これ以上審議はしない」という内容で、肝心の質問状には何一つお答えいただいておりません。)

 ここで再び「質問状に回答するよう」督促することも可能ですが、貴編集委員会は私の督促の趣旨を取り違えているのではなく、意図的に「質問状には回答しない」というご意志のようですので、何度督促しても同じことと思われます。

 質問状に回答できないのは、非があることを認めたくないからであって、責任ある立場の方々のするべきことではありません。そこで、はっきりと謝罪することを要求します。「じっと耐えていればそのうち風化するだろう」という見通しは甘いことをお伝えし、以下の通り正式な謝罪を求めます。

【謝罪要求】

1.日本教育心理学会『教育心理学研究』編集委員会は、Q24論文の審査において、誤りがあったことを認め、論文の著者に謝罪すること。謝罪文は『教育心理学研究』の広報欄に掲載すること。掲載する謝罪文の文面については、あらかじめ論文著者の確認をとること。(なお、Q24論文の掲載は求めません。)

2.上記、謝罪要求の事由。
 正当な理由なく、Q24論文を「不採択」としたこと。「不採択」の理由が正当でなかったことは、その後再三にわたって質問状を差し上げたにも関わらずお答えいただけないことから明らかです。

                  以上。

【付記】

 Q24論文の採否に関して争われてきた論点の一つに、「『ちびくろサンボ』の改作を子どもに与える必要はない。」(審査委員A氏のコメント)がありますが、来月20日にその改作が『チビクロさんぽ』として市販されることになりました。

 論文投稿の時点では、この改作を出版する意志もありませんでしたし、そうしたつてもありませんでしたが、この審査委員のコメントに反発して、出版を決意しました。また、貴委員会がこの問題を学会内の問題にとどめ、ひたすら嵐が過ぎるのを待つという戦略に出たことに対するこちらの戦略の一環でもあります。私の戦略は、この問題を学会の外に広く知らせることでした。そこで、商業誌への該当論文発表やホームページなどを活用して、公開に努めてきましたが、今回の『チビクロさんぽ』の出版は決定的に有効な宣伝効果を持つはずです。

 見本刷りはすでに完成し、全国のマスコミ各社に出版社から連絡がいっています。すでに、地元のテレビ局(信越放送テレビ)新聞社(信濃毎日新聞)だけでなく、毎日新聞、共同通信、中日新聞、神戸新聞、京都新聞の取材がありました。日本テレビ、テレビ朝日などの全国放送からも照会が来ています。

 こうした取材の中で、「なぜこの本を出版することにしたのか」は必ず聞かれる質問です。この質問への回答の一部として、日本教育心理学会との論争(といっても論を述べているのは私だけですが・・・)を詳しくお話ししています。どんなに隠そうとしてもこの問題は必ず世間の目に触れるようになることをお知らせしておきます。

 権威ある学会誌の編集委員会が非を認めることは勇気のいることだと思いますし、屈辱かもしれません。しかし、このまま非を認めずにそのことが広く知られるようになったら一層恥ずかしいことです。念のため、この件に関して朝日新聞の編集委員からいただいたお手紙の一部をご紹介します。

「審査員A氏のコメントには驚きを禁じ得ません。(中略)これはひどすぎます。「他に喜ぶもの」があるなら、漱石が消えようが賢治が消えようがかまわない、という論理です。」

 貴委員会の審査に問題点を感じているのは私だけでないことを私は確信しています。私の方から闘いを止めることは決してないことをはっきりと宣言しておきます。謝罪要求の実現に期限はもうけませんが、上記のような経緯からできるだけ早く謝罪して下さるようお勧めします。

                    以上。


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