守@KRの回答(その2)(1997/9/8)

Date: Mon, 8 Sep 1997 16:43:42 +0900
To: Masanori Urakami
From: kazmori@gipwc.shinshu-u.ac.jp (MORI Kazuo)
Subject: Re: KRについて
Cc: kazmori@gipwc.shinshu-u.ac.jp (MORI Kazuo)
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浦上様:守です。

At 3:43 PM 97.9.8 +0900, Masanori Urakami wrote:
Masanori> 私は,研究を始めた初期に「社会的学習理論の新展開(金子書房)」を 読んだから
Masanori>か,「自己効力」の中に「感」が含まれている(私自身の概念説明もこれ に従ってい
Masanori>ます)と考えて使っています。Self-efficacyは,efficacy expectancyの 認知された
Masanori>ものであるため,「感」以外の何者でもないと思います。ですから,「自 己効力感」
Masanori>と書くと,「感」を二重に使っているような気になってしかたがないのです。

 論文を読んでおそらくそうであろうと判断していました。
 そこで、論点は「自己効力」に「感」の意味を含ませて考えることが適当かどうか という判断になります。私は、「感」の意味を持たせるのには無理があると思います 。理由は以下の通りです。
(1)日常的な用語としての「効力」には「効力感」という意味はない。(辞書など では「ききめ」などと書かれているだけです。)
(2)「心理学の専門用語として感を含んだ意味を持たせるのだ」という主張ができ ないことはありませんが、言葉の意味は結局一般の人が決めるのであり、どんなにが んばっても多勢に無勢で、誤用が一般的になってしまうものです。

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守 一雄@信州大学教育学部学校教育講座 380長野市西長野6-ロ(カタカナの"ろ")
kazmori@gipnc.shinshu-u.ac.jp 電話 026-232-8106 内線454
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