浦上さま:守@KRです。
お返事ありがとうございました。
At 9:49 PM 97.9.5 +0900, Masanori Urakami wrote:
Masanori>>>「進路選択に対する」の部分が一般的な修飾語
Masanori>>>に感じられてしまう。
Masanori>この点は,他の先生からも何度か指摘された点でもあり,筆者自身も難ありと感じて
Masanori>います。ではなぜ変えないのか,という点ですが,「変えた方がわかりやすい」とい
Masanori>う考えと,「一度提起した概念名を簡単に変えてしまってよいのか」という考えの板
Masanori>挟みになって動けないためです。
Masanori>もし先生のお考えがあれば,お聞かせください。
Masanori>
「一度提起した概念名」がどれだけ定着しているかが判断の分かれ目だと思います
。少々難有りだったとしても、広く使われるようになってしまっていれば、修正は混
乱の元となります。「自我同一性」などがこの例にあてはまるでしょう。
まだ、広く定着していないうちならば、改める方が賢明でしょう。そもそも、広く
定着しなかったことの理由がその命名のまずさにあったのかもしれないのですから。
浦上さんの提唱するこの概念名は、私の見るところではまだ浦上さんご自身しかお
使いでないようです。今のうちに「進路選択自己効力感」とする方がいいと私は思い
ます。
Masanori>>>ここで問題となっているのは「自己効力」ではなく「自己効力感」 である。
Masanori>このご指摘は,私にはよく理解できません。なぜ先生が,「自己効力」ではなく「自
Masanori>己効力感」だとおっしゃるのか,もう少し詳しくお教えください。
Masanori>
「Self-efficacy」の訳だから「自己効力」だとお考えだとしたら、英語と日本語
とが対応するものだという誤解に影響を受けています。この種の有名な例に、「Arti
ficial Intelligence=人工知能」があります。Artificial Intelligenceは文脈によ
って、「人工知能そのもの」とそうした「人工知能を作り出そうとする学問」の両方
を意味しています。そこで、後者の場合は「人工知能学」とか「人工知能研究」と訳
すべきものです。
Self-efficacyも、もちろん「自己効力」というのは直接に対応する意味ですが、
この研究での文脈からは「そうした自己効力を被験者がどれだけ感じているか」です
から、「自己効力感」とすべきだと思います。
実は、浦上さん自身もこの概念を説明する際に、「進路を選択・決定する過程で必
要な行動に対する遂行可能感」(p.196左)と「感」を使っています。
Masanori>こちらの聞きたいことを勝手に並べてしまいました。
Masanori>このお返事が,先生の意図されているところに合致しているかどうかにつ
いては自信
Masanori>はありませんが,ご意見が伺えれば幸いです。
Masanori>
私も思いつくままに意見を書きました。再反論がもらえればうれしく思います。
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