第6巻第5号 2000/11/1
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KR
Kyoshinken Review, or Knowledge of Results
学問の発展は
互いに批判しあうことで
なされるものである。
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不定期発行・発行責任者:信州大学教育学部・ 守 一雄
kazmori@gipnc.shinshu-u.ac.jp
http://zenkoji.shinshu-u.ac.jp/mori/kr/krhp-j.html
目次
【『教心研』第48巻第3号掲載論文批評(その1)】
筑波大学の
石隈さんからメール
が届きました。(2000.12.28)
福島大学の
福田さんからメール
が届きました。(2002.3.11)
【『教心研』第48巻第3号掲載論文批評】
(その1)
元論文へのリンクを張りました。(2014.8.10)
○清水由紀(
yuki@hss.ocha.ac.jp
):
幼児における特性推論の発達
--特性・動機・行動の因果関係の理解--
幼児が他人の行為の背景にある性格特性や動機についてどの程度理解しているのかを、3〜6歳児136名について個別面接法で調べた研究である。具体的には、8つの架空の場面を作り、登場人物の性格特性を判断させたり、別の場面でその登場人物がどう行動するかの予測をさせたりした。研究方法にも大きな問題はなく、結果も適切に図示されていて、分析方法も間違っていないので、それなりに「いい研究」なのだが、それ以上ではない。なにが足りないのかは私にもわからない。研究の結果が、一言で言えば「年齢の上昇とともにそれなりに発達していく」というようなことにすぎなかったからなのかもしれない。
○馬場安希・菅原健介(
sugawara@u-sacred-heart.ac.jp
):
女子青年における痩身願望についての研究
女子大学生500名に対し、質問紙調査を行い、「痩身願望を規定する諸要因をパス図」に表した研究である。結果は、p.271のFigure1に集約されている。つまり、痩身願望への道筋は以下の3つである。@太っている→痩せたいA人気者になって注目されたい→痩せれば注目される→痩せたいB自分に自信がもてない→それは今の体型のせいだ→痩せればいい→痩せたい。なお、この結果は摂食障害など病的な痩身願望とは不連続であるそうだ。やってみたわけでもないしやってみる気もないが、おそらく、「発毛願望」で同じような調査をしても同じような結果が得られるにちがいない。つまり、発毛願望への道筋は以下の3つである。@禿げている→髪を増やしたいA人気者になって注目されたい→髪を増やせば注目される→髪を増やしたいB自分に自信がもてない→それは今の頭髪のせいだ→髪を増やせばいい→髪を増やしたい。
●西垣順子(