福田一彦さん@福島大学からのメール(2002/3/11)

From: "Kazuhiko Fukuda"
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Subject: KRコメントについて
Date: Mon, 11 Mar 2002 16:19:49 +0900
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守一雄先生:
 福島大学の福田一彦です。はじめまして。ウェブをブラウジング中に先生の サイトで我々の論文のレビューをしていただいているのを偶然見つけました。 有難うございます。同じ著者グループが別の互換性のない形式の調査を行い、 そのために正確な結果の比較が出来ないという問題点を指摘していただいてい ます。その指摘は全くもっともであり、こちらとしても痛い点なのですが、こ れにはいくつかの事情があります。

 まず、竹内ら, 2000の論文は、日中の日常生活までも含めた生活スタイルを 分類の対象としているのにたいして、Fukuda et al., 1999の論文は、ある明 確な目的を持った研究プロジェクトに組み込まれていた研究であるために、分 類の対象を睡眠に直接関連した変数に絞っています。覚醒中の生活と睡眠とは 無関係でないために、結果として、竹内ら, 2000の結果とFukuda et al., 1999の結果はかなり似た物になっていますが、まったく同じ質問項目というわ けではないので、あのような歯切れの悪い記述をしなければならなかったとい う点がひとつあります。つまり、同じ著者でも研究の目的は少々異なっていた のです。

 もうひとつは、竹内ら2000のデータはFukuda et al. 1999よりも早い段階で 得られていたのですが、ある事情でFukuda et al. 1999の方が先に掲載されて しまいました。出版の順番だけ見ると、Fukuda et al., 1999である結果を出 して、竹内ら, 2000では自分たちでわざわざ質問紙を改訂しておきながら、考 察の中で改訂した言い訳をしているように見えますが、実は、有るデータをも とに論文を執筆し、別の目的のために改訂した質問紙を用いて調査を行い論文 を執筆したのだが、後のほうが先に出てしまい、かつ前のデータと関連する結 果が出てきてしまったというのが、実情なのです。Fukuda et al. 1999と同じ 質問紙で採った大学生のデータがありますので、社会人と大学生の比較は別の 所でするつもりです。また、一部はshort communicationですが、出版されて います。論文が出ましたら、別刷りなどお送り致します。


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Kazuhiko Fukuda, Ph.D.
Department of Educational Psychology
Fukushima University
Kanayagawa, Fukushima 960-1296
JAPAN
tel/fax: +81/24-548-8160
email: kfukuda@educ.fukushima-u.ac.jp
URL: www2.educ.fukushima-u.ac.jp/~kfukuda/
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