大学受験の数学の問題を解決するような場合に、どんな知識が必要かについての研究を「例題アプローチ」「解法構造アプローチ」「構造生成アプローチ」の3つに分けてレビューした論文。受験参考書までを文献に含めた柔軟さは評価できるが、ハッキリ言ってレビュー論文としてはもの足りない。「本当にこれしか研究例がないのだろうか」という感じである。もし本当にこれしかないのならば、まだレビュー論文にまとめるのは早いのではないだろうか。Terao et al(1997)が何度も登場してくるのもそうした印象を持たせた原因かもしれない。この論文は発表抄録にしかなってないようだから、著者たちにはこれを中心にした本格的な実験論文を書いてもらいたい。