「トランペット吹き」が退屈なわけ
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グローバーの曲には、その作りがたいへん画一的で退屈なものが多いと思いますが、どのようにしてそのような結果になってしまっているのか、第3巻にある「トランペット吹き」を例に見てみたいと思います。この曲は一見このレベルの曲としては、壮大な感じの曲ですが、以下に指摘しているように、むしろ壮大に退屈な曲になっています。
- モティーフaの定型的な上昇分散和音のフレーズが、4回そのままの形で繰り返されますが、さすがに4回も繰り返されると、その単調さがいっそう強調されて音楽を陳腐にします。
- また、最初の4つの4小節フレーズが、全てモティーフbの終わりの音「ソ」で終わっています。このため、各フレーズが一々この「ソ」の音のところで、尻餅をついて止まってしまう感じがして、この曲の持つ単調さをさらに強めているように思えます。
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(グローバー・ピアノ教本・VOL.3 18頁)
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