「音階の曲集」を使ってみて

お母さんの感想


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いつの間にかたくさんの曲が弾けていた
新川みどり(新川真理:小2年生母)
小2の娘は、昨年の7月「夏目音楽教室」に入室し、「音階の曲集」を習い始めました。それまで多少ピアノを教えられる私が、不定期になんとなく見ていただけですので、娘も不安であったと思います。それまでバイエル半ば程度はひいていたものの、さすがに一曲目「みちくさ」を初めて弾いたときは、ぎこちなく弾いておりました。ところが初めてのレッスンですぐに先生の魔法にかかり、娘の不安はなくなりました。

2回目を過ぎ3回目あたりから変わってきました。まず、譜読みが楽になりました。新しい曲の中にも、前の曲と同じパターンが必ず入っています。娘はそれを発見することで、音の並びや弾き方などを思い出し、さらには先生がいつも同じ言葉の表現で繰り返しおっしゃられる弾き方のポイント(指の腹で弾くところ、重みを乗せるところ、手首の位置など)も、新しい曲の中から見つけられるようになりました。すると、初見のときからすでに指の形の準備ができているから、不思議です。指が自然に動くのでしょう。すぐにそれなりのいい音が出ます。娘も心地よいはずです。譜読みが楽にできると、ピアノを弾くことも楽しくなります。

曲を弾く前に必ず弾く音階の勉強も、有意義でした。指の力の弱い娘には、準備体操の働きをするだけでなく、それぞれの調が持つ音色の性格を十分に味わうこともできます。そのうち各調により違う音階の一本一本の指の広げ方が身につくようになると、鍵盤をいちいち探さなくても、楽譜を見るだけでどんどん弾けていきます。ほとんどの曲がワンフレーズ・1オクターブ以内の動きに収まっているので、助かります。さらに初見がスムースにできるわけです。

また、面白いことに、この曲集は弾いていると、いつの間にか言葉がついてきて、歌になっているのです。「ミャーミャー泣いてるねーこちゃん」(「迷子の子猫」)とか「イチ・ニ・サン・シ・ゴー・ロク、イチ・ニ・サン・シ・ゴー・ロク」(「朝の体操」)とか、たくさんあります。娘はきっと絵のように、お話のようにイメージを膨らませて弾いていたのでしょう。

余談になりますが、よく面白い歌詞をつけては、家中で笑ったりもしました。家族がそれぞれに違うお話をつけたり、お話の続きにしたりして弾く楽しみができました。例えば「迷子の子猫」の子猫ちゃん「わすれな草の歌」の原っぱまで行ってしまって、探しに行きました。なかなか見つからなくて心配でしたが、楽しい子猫ちゃん探しでした。「それで、結局どこにいましたか?」ですか? 曲集のあちこちに、迷子の子猫ちゃんは隠れているような気がします。皆さんも探してみてください。

さらに特徴としては、先生ご自身のカリキュラムで、バイエルを「音階の曲集」に織り交ぜて勉強することです。バイエルも「音階の曲集」といっしょに弾くと、またいっそう楽に弾けてしまうから不思議です。「音階の曲集」の中で繰り返し見つけ自然と弾けるようになったいくつかのパターンや、先生が繰り返しおっしゃられる弾き方のポイントに当てはめると、実に楽に弾けるのです。

娘は今中田喜直の曲をいくつか弾いています。現在習っている「音階の曲集」よりはるかに高いレベルの曲ですが、これまでの勉強で培った力で、これらの難曲も初見のときからすでに表情をつけて弾くようになりました。無機質な譜読みの時間がなくなったわけです。

このようにして、初めはぎこちなく1曲が精一杯だった娘ですが、すぐに2・3曲が弾けるようになり、やがて7曲ぐらいは平気になりました。そうこうしているうちに、曲集のほとんどは終わってしまいました。楽しみながら、いつの間にかたくさん弾かせていただいた感じがいたします。そして一年前とはまったく違う表情豊かなピアノの音がいつも流れ、家の中が麗しくなりました。

先生のご指導は魔法のようなご指導ですが、ただの魔法ではなく、確かな研究に基づく「音階の曲集」あっての魔法、それから先生のお人柄でしょうか。何よりも「先生のところだと弾きやすい。」という娘の言葉が、全てを物語っているように思います。

天からの贈り物みたい
小林香織(小林葉月:小2年生母)
「音階の曲集」を使い始めて約2ヶ月がたちます。小学校二年生の娘は「ピアノが楽しくなった。天からの贈り物みたい。」と言って、楽しんで頑張って練習しています。

「音階の曲集」を練習する以前は、「バイエル・ツェルニー」「バーナム」「やさしいインベンション」「バスティン」を勉強してきましたが、「音階の曲集」を使うようになったことで、ピアノの世界が大きく変わったように思います。一番大きな変化は、練習が楽しくなってピアノが好きになったことです。

どうして楽しくなったのかを考えてみますと、「音階の曲集」を使うようになってから、思った通りに弾くことが出来るようになった。思い感じたことが表現できるようになったからだ思います。「音階の曲集」に使われている音階は、ほとんどの曲が主音から主音への基本的な1オクターブの音階で書かれています。また、メロディーの音域も多くは1オクターブ内に収まっています。伴奏の形も、主要三和音を中心として書かれています。そのため、譜読みが無理なくできるのです。譜読みに時間がかからない分、すぐにも表現の学習に取りかかることができます。

実際、「音階の曲集」は譜読みの分かり易さからは想像できないほど、やさしさ、うれしさ、明るさ、悲しみなど、とても多様な感情が盛られているので、いろいろな感情の表現を勉強することができます。例えば、やさしい曲を弾く時には、指の腹を使って鍵盤に接する面を多くとって弾くことを勉強します。反対に、明るくきびきびした曲は、指の形を丸くして手の形をしっかり決めて弾きます。

もちろん、曲の細かな感情の機微までひく勉強をするようになると、何から何まで楽しいだけと言うわけにはいきません。練習時間の確保、反復練習、気配り、集中力等どんな勉強にも必要な努力が求められます。ただ、「音階の曲集」を使って違ったことは、同じ努力をして得られる完成度の高さだと思います。

「音階の曲集」では、それぞれの曲の持つイメージを、とても素直に感じることができます。そしてそのイメージをふくらませ、それにふさわしい音色はどういう指の使い方で出したらいいかを、学習することができます。このような勉強の積み重ねで、思い通りに弾けるようになったときは、大きな喜びであり、また次の曲への意欲にもつながっているように思います。

もう一つ付け加えますと、一度出てきたポイントが、他の曲でも活かせるように配慮されていることです。そのため同じ表現のテクニックが反復して勉強できるので、テクニックの定着が自然に深まっていくように思います。

このように「音階の曲集」で得た宝物を大切に、さらにステップアップできるように、そばから応援してあげたいと考えています。


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