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RGB Video の同期信号
 
  • 普段なにげなくパソコンとディスプレイをケーブル一本でつないでいますが、実はビデオと違ってパソコンのRGB接続では複数の線が使用されています。赤・緑・青の「映像信号」は当然として「V-Sync(垂直同期信号)」「H-Sync(水平同期信号)」または「Composite Sync(複合同期信号)」と言った同期信号や「VD(垂直駆動信号)」「HD(水平駆動信号)」と言った駆動信号もある場合があります。

    面倒なのはこれらの信号の名称・表記がバラバラで混同されていたり、ディスプレイ側がある程度入力信号を判別して内部でモードを切り換えているので、見た目にはどの信号が生きているのか判らない点です。

    純正のディスプレイを純正ケーブルで接続しているとほとんどこの問題にはお目にかかれませんが、汎用のディスプレイを汎用のケーブルで接続すると時々問題があります。特に高解像度用などでBNCコネクタを使用したタイプではきちんとした信号を接続しないと画面が出ないので困ることがあります。

    もちろんちゃんとした機器の仕様書や結線図があればいいのですが普通ありません(商品に付属していることは希である)し、たとえあっても意味が判らなければしょうがないですので、ここで少し解説してみます。

    特に同期信号関係は複雑ですのでそのことに触れておきます。

同期信号の種類と名称  
  • まずその種類と名称

    「V-Sync(垂直同期信号)」
    「H-Sync(水平同期信号)」
    「Composite Sync(複合同期信号)」
    「VD(垂直駆動信号)」
    「HD(水平駆動信号)」

    などがありますが、実はVD, HDと書いてあっても本当は垂直同期信号、水平同期信号であることがほとんどです。これは用語の混同なのですが最近はこれらは同じ物(同期信号)として扱われているようです。

  • 「Composite Sync(複合同期信号)」は「HD/Sync」などと表記されることもあるようですが、これは二重に変です。まあうるさいこと言っていてもしょうがないので、この意味するところは「セパレートシンクの場合は水平同期信号を入れて、コンポジットシンクの場合は複合同期信号をつなぐ端子」ということです。

  • 「複合同期信号」と言った場合は、H-SyncをベースにしてそこにV-Syncをちょっと細工した形で一緒に入れています。(単純混合ではない)これは大体0.3Vp-pか1Vp-pのパルス信号です。V-Sync/H-SyncはTTLレベルですが4Vp-pが多いようです。

    そんでもってこの「複合同期信号」を映像信号を「映像信号(RGB)」の負極性側に折り込んだ物が「複合映像同期信号」となります。最近はRGB全てに付加していますが(Sync on RGB)、昔はGチャンネルのみに同期信号を付加していました(Sync on G)。

    ここではRGB方式の話しなので触れませんが「NTSC複合映像信号」=コンポジットビデオと言うのもありますが、全く別物なので混同のないように。またNTSCやNTSC系のRGBやコンポーネントでは同じ1Vp-pでも映像と同期の電圧比率が違います。ですからそのまま接続すると(たとえ周波数は変換できていても)レベルがおかしくなりますので注意が必要です


配線の組み合わせ  
  • という訳でRGBの場合の同期の送り方のセットは以下のようになります。

  1. 5線接続
       R (0.7Vp-p)
       G (0.7Vp-p)
       B (0.7Vp-p)
       H-SYNC (TTL)
       V-SYNC (TTL)

  2. 4線接続
       R (0.7Vp-p)
       G (0.7Vp-p)
       B (0.7Vp-p)
       C-SYNC (1.0Vp-p or 0.3Vp-p) (HDの線を使用)

  3. 3線接続
       R with SYNC (1.0Vp-p)
       G with SYNC (1.0Vp-p)
       B with SYNC (1.0Vp-p)

  4. 3線接続
       R (0.7Vp-p)
       G with SYNC (1.0Vp-p)
       B (0.7Vp-p)

  • 変則的なパターンとして3.) とか4.) に別に同期信号がつくパター
    ンがあります。

  1. 5線接続
       R with SYNC (1.0Vp-p)
       G with SYNC (1.0Vp-p)
       B with SYNC (1.0Vp-p)
       H-SYNC (TTL)
       V-SYNC (TTL)

  2. 4線接続
       R with SYNC (1.0Vp-p)
       G with SYNC (1.0Vp-p)
       B with SYNC (1.0Vp-p)
       C-SYNC (1.0Vp-p or 0.3Vp-p) (HDの線を使用)

  3. 3線接続
       R (0.7Vp-p)
       G with SYNC (1.0Vp-p)
       B (0.7Vp-p)
       H-SYNC (TTL)
       V-SYNC (TTL)

  4. 4線接続
       R (0.7Vp-p)
       G with SYNC (1.0Vp-p)
       B (0.7Vp-p)
       C-SYNC (1.0Vp-p or 0.3Vp-p) (HDの線を使用)

  • H-SYNC/V-SYNCからC-SYNCをどのように合成しているかはとても文字では表現できないので省略しますが、H-SYNC/V-SYNCが単純なパルスなのに対してC-SYNCでは映像の水平輝線消去期間(画面の右まで行って左端に戻るまでの映像のない期間)に納まるようになっているとか、0Vから始まる-V側に反転されていたりします。

波形が見られるなら・・

映像信号の例(RGB)
+-走査線の表示される部分--+
+ +
+0.7-*--------------**--------*------------------- 100%
- * * * * * * **
- * * * * * * * *
- * * ** * * *
- * * ** * 映像信号
- * * *
- * * * *
0 ----********-------------------------********- 0%

複合映像信号の例(RGB)

+0.7-*--------------**--------*------------------- 100%
- * * * * * * **
- * * * * * * * *
- * * ** * * *
- * * ** * 映像信号
- * * *
- * * * *
0 ----***--***-------------------------***--***- 0%
- * * * *
- * * * * 同期信号
-0.3------****-----------------------------****---

複合同期信号の例(SYNC)(負同期)

0 *******--*******************************--****
- * * * *
- * * * * 同期信号
-0.3------****-----------------------------****---

HDの例

TTL(H)*****---******************************---***
- * * * *
- * * * *
- * * * * 同期信号
- * * * *
- * * * *
TTL(L)----*****----------------------------*****--


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