K氏へのお返事(その4)
平成10年5月25日
K 様
信州大学教育学部
守 一雄
前略
5月21日付けのお手紙拝見いたしました。
1.前回の手紙でこちらから4つの質問をさせていただきましたが、お答えがはぐらか
されてしまいました。そちらのお答えを簡単にまとめると以下のようです。これではま
ったく答えになっていません。(学生ならば、「来週までにもう一度勉強してこい」と
怒鳴り返すところです。)
[質問1]『チビクロサンボ』に「サンボ」という蔑称以外に、どんな「黒人差別的内
容の問題性」や「隠された黒人差別意識の問題性」があるとお考えなのでしょうか?
【Kさんのお答え要旨】
「サンボ」という蔑称の問題にしぼってお話ししたい。
[質問2]そうした問題性は具体的にどのような「被害」を黒人に与えているのでしょ
うか?
【Kさんのお答え要旨】
まずは、守の方からどのように理解されているかを教えて下さい。
[質問3]また、「日本でおこっている黒人差別の実態の内容」とは何でしょうか?
【Kさんのお答え要旨】
日本人の黒人観にある各ケースを参照していただきたい。
[質問4]そして、それと『チビクロサンボ』がどのような因果関係を持つのでしょう
か?
【Kさんのお答え要旨】
(私への質問のみで実質何も回答していない。)
2.Kさんからの質問がそのあとに続いています。基本的には、私に投げかけられた質
問のポイントは「『チビクロさんぽ』が差別的でないことを実証せよ。」ということだ
と理解しています。私の立場は、裁判での被告にあたります。Kさんが原告ですね。
さて、裁判において、被告を裁くためにはまず原告側が主導権をとって被告の犯行を
立証しなければなりません。被告に「まず、おまえが無実であることを実証せよ」と言
うのでは被告側はどうしていいのかわかりません。Kさんは原告側なのですから、私の
投げかけた上記4つの質問に具体的に答えなければ、話が進まないのです。最初にいた
だいたお手紙によれば、この問題を研究なさっているとのことでした。研究成果の一部
でもいいですからご披露願えませんか?
3.Kさんのお手紙のフロッピーがいただけないことは残念です。しかし、公開には反
対しないとのことですので、こちらで打ち込むことにします。北大路書房は『チビクロ
さんぽ』発行後のアフターケアとして、著者や出版社に届いた反響を小冊子『チビクロ
さんぽ通信』にまとめて読者や報道機関に公開してきています。近々、その第2号の発
行が予定されています。Kさんからの質問状も私からの回答と一緒にその中に掲載させ
ていただきます。よろしくご了承のほどお願い申し上げます。
それでは、1.の4つの質問へのお答えをお待ちしています。
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