相良順子さん@お茶の水大学からのメール(2000/10/20)

Date: Fri, 20 Oct 2000 16:42:53 +0900
Subject: Kのコメントへの返事
From: "相良順子"
To: kazmori@gipwc.shinshu-u.ac.jp
Mime-version: 1.0
X-Priority: 3


守 一雄先生

 「児童期の性役割態度の発達―柔軟性の観点からー」へのコメントありがとうござ います。
お返事が遅れてしまいまして申し訳ありません。

先生の主な意見は、人数に対してわずかな得点の差をもって
”学年が上がるにつれ柔軟性が高まる”というのは言い過ぎではないか、
というものでした。
 Figure1(「感情的態度の柔軟性の発達的変化」というタイトルは、
「認知的態度の柔軟性の発達的変化」の間違いです)の職業の柔軟性、家庭内の柔軟
性について
SDは1年から3年まで0.20、0.19、0.27、家庭内の柔軟性は、0.26、0.31、0.31です。
1学年の人数を約180名とすると1項目あたり0.04〜0.06程の平均値の差があれば有
意となります。

問題は、その差をどう考えるか、という点だと思います。
 得点の差に意味があるかという点は、客観的な判断がむずかしい問題だと思います。
たとえば、平均値だけではわかりませんが、「職業的態度」得点の3点以上の子ども
の数が、14名、32名、52名と学年が上がるにつれ増加していることは、私は十分意味
があると思います。

「感情的態度」についても同じです。
なお、4件法の中身は、「好きでない」、「あまり好きで無い」「好き」、「大好き」
です。

 ただ、職業の柔軟性は家庭内役割と比べると、得点が低い方に片寄っていること、
女子は得点が単純に増加しているわけではないことから、
職業の柔軟性と家庭内の柔軟性を一緒にして
「職業、家庭内の役割に対して学年が上がるにつれ柔軟性が高まる」という表現は
適切ではなかったかもしれません。

相良順子