Role Construct Repertory Test(RCRT)がいろいろなところで活用されていることはわかったが、「で、RCRTっていったい何なの」って自問してみてもなんだかわからないままの展望論文。RCRTの鍵概念であるらしい「コンストラクト」がいったい何であるかの説明がわかりにくいことが一番の問題なのだと思う。引用されていた若林論文(『心理学評論』1992)の方がずっとわかりやすくて内容も充実している。それにしても、伊藤論文を読むと近藤充夫氏がこの分野の日本の第一人者のようであるが、若林(1992)にはまったく引用されていないのは不思議だ。