住吉さん@福島大学からのメール(1999/6/25)

住吉さん@福島大学からのメール(1999/6/25)

Subject: お礼
Date: Fri, 25 Jun 99 14:59:57 -0000
x-sender: sumiyoshi@db2.educ.fukushima-u.ac.jp
From: 住吉 チカ
To:
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守先生

いつも、丁寧なコメントとKR会報どうも有り難うございます。反論ではなく、幾つ
か私の論文の至らないところについて、お返事をさせて頂きました。

カテゴリ間距離は個人差多次元尺度法に基づいて求めており、個人ごとのカテゴリ
間のカテゴリ間距離はわかっております。そこで論証の材料選択においては、上記
の結果に基づいて、ほぼ全ての被健児において、表の順でカテゴリ間の非類似度(
カテゴリ間距離)の大きいような論証対を3種選択致しました。

しかし、先生がおっしゃっていますように個人差があり、ごく少数の被健児は
Table2の順にカテゴリ間距離が大きいわけではありません。そういうこともござい
ますので、被健児が非類似度の大小順に論証を選択したかについては、個人毎のカ
テゴリ間距離の大小に基づいて論証を選択しているか否かで、“非類似度の大小順
に判断した”かどうかを決定しております。このことは、実験1の結果考察の中にも
記しております。ただ、誤解を招かないようにもっと強調すべきでした。
 また、論文には、刺激カテゴリの概要をつかんでもらうために、被健児の平均カ
テゴリ距離(Table2)と共通布置(Figure1)を載せました。しかしそれのためにか
えって、個々人の非類似度に基づくべきはずなのに、そうしなかったかのような印
象を与えたかと思います。Figure1やTable2について、上記のような解説か注をいれ
ておけば良かったかと反省しております。

また、一貫した論証の選択パタンの期待値は、ご指摘の通り6/8になるかと思います
。申し訳ございませんでした。一貫した論証の選択は、期待値が高いので偶然でも
一貫したパタンを取る確率は高いかと思います。被健児が、偶然でそれらのパタン
に落ちたか、それとも本当に一貫した判断を行っていたかは、実験2については結論
つけられないと思います。実験2で課題の認知的負担が増したために、本当に一貫し
た判断を行いえなかった可能性は十分にあるかと思います。
 しかし、一貫した論証選択をした被健児の中で、非類似度の大小順に論証を順序
付けられた幼児が、実験2でも有意に多かったことから考えますと、確証度について
も実験1同様、推移性を意識して本当に一貫した判断を行っていたのではないかと推
察されます。
 論文において、有意ではなかった結果を記した後にこのような推察を述べて、幼
児の一貫した論証選択能力を支持する結果だったと主張すればよかったかと思いま
す。

また、岩男卓実氏の見の誤字について、ご本人の名前をじゅうじゅう存じ上げてい
るにも関わらず、校正の段階でも気付かなかった不備をお詫び致します。


住吉 チカ

福島大学 教育学部 教育心理学講座
ウ 960-1296 福島市 松川町 浅川字 直道 2番地

TEL & FAX  024 548 8161
 


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