第1巻第2号   【創刊第2号】     1996/2/1
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KR

Kyoshinken Review, or Knowledge of Results
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不定期発行・発行責任者:信州大学教育学部・ 守 一雄
kazmori@gipnc.shinshu-u.ac.jp
http://cert.shinshu-u.ac.jp/facul/psycho/mori/kr/


目次


【KR発刊の目的】

(第1巻0号からの抜粋の抜粋)

  • KR第1巻第0号
  •  学問の発展は互いに批判しあうことでなされるものであると思います。しかしながら、そうした批判や議論が起こりにくい実情があることも事実です。一方、学会誌に掲載された論文の研究結果が真実であるかどうかは「追試」によって確認されなければなりません。ところが、こうした「追試」研究も学会誌に掲載されることはありません。


     そこで、『教育心理学研究』に掲載された論文を定期的に批判したり、「追試」の結果を載せたりするシステムを個人的に作ることにしました。どうぞよろしくご支援下さいますようお願いします。

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    【KR第1巻0号へのコメント】

    (到着順)

  • KR第1巻第0号
    ◎谷口高士@大阪学院短期大学さん:
     趣旨には賛成です。「心理学研究」も対象に加えて欲しいな、と思います。レギュラーでなくても良いですから。
    ◎小林春美さん:
    素晴しい企画ですね。海外のジャーナルではよく批判論文、反論論文が載って面白いなと思っていましたので、追試結果も含め、読んでみたいなと思います。
    ◎市川伸一@東大教育学部さん:
     ネットワークという自由な媒体ができたのですから、これは、非常におもしろい試みではないかと思います。ただ、互いに批判し合ってより学問のレベルを高めるという生産的な方向にどれだけ向かうかというのには、参加するメンバーの資質や態度が問われると思います。くれぐれも、単なるあらさがしの羅列になって、著者からいたずらに反感を買うことないよう、そして、著者と建設的な対話が起きるようなネットになることを期待しています。
    ◎村越真@静岡大学教育学部さん:
    今回の企画、非常に興味深く感じました。私自身は、この分野で貢献することは当面はないと思いますが、情報の相互交流は自分の研究分野でも必要だと感じています。
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    【KR第1巻1号掲載分著者からの反論】

    (到着順)

  • KR第1巻第1号
    ◎高橋@大阪教育大学さんからの反論:
     若干の補足説明(一般的には弁解とか言い訳とも言うようですが)をさせていただきます。[KRで比較対象が問題にされていたが、]「大学生と幼児」という条件は(考えないこともなかったのですが),条件としては不自然であり,あまり適当なものとは思われません。けれども「母親と小学生」という条件については検討しておくべきでした。正直なところ,母子を大学にどうやって招くか,また会話の分析カテゴリをどうするかといった点に努力を傾けすぎたため,その他の点についての詰めが甘くなった点は否定できない事実です。しかも,論文にするのを急ぎすぎました。(何やら弁解と反省ばかりです。でもこの論文について見つめ直すいいきっかけになりました。)
    ◎平@大学入試センターさんからの反論:
     誤解があるようなので、補足説明をさせていただきます。
    (1)論文の目的 この論文の目的は、教育心理学的研究において、主に付加的な情報として被験者の基礎的な日本語能力を知りたいときに、簡単に実施できるテストの開発を目的にしたものです。尺度化の理論的根拠として「項目反応理論」を用いています。そのため、テスト形式に制約を受け、語彙理解力、漢字読み取り能力と言った分野以外での項目作成は難しいわけです。したがって、「日本語の能力」がこの二つだけに限られることを主張するつもりはありません。
    (2)研究用のテストと選抜用のテストの違い この論文で開発しようとしているテストは、あくまで研究のためのものです。したがって、被験者がテスト項目について事前に勉強することは想定していません。また、「国語」という教科で教育される能力、および、その成果の測定を目指したテストと、本研究の「日本語の基礎」とは異なるものであり、分けて考えていただきたいと思います。
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    【『教心研』第43巻1号掲載論文批評】

    (その2)


    (「なんだ単なる感想ぢやないか」とご批判下さるな。
    『KR』はまだ「赤児」徐々に育っていきまする。)

    太田・山崎論文
    「放射線問題」にとりつかれた第2著者の「教心研」論文第2弾である。条件の命名が山崎(1990)では「FVRO条件」などと無意味綴り的だったのが、本論文では「内一致・間不一致条件」などと、わかりやすくなったのがウレシイ。
    湯沢・大山・杉村・白川論文
    特に感想なし。すみません。
    上瀬・堀野論文
    「自己認識欲求喚起と自己情報収集行動の心理的背景」という難しいタイトルであるが、要は「若者(特に女子学生)は心理テストが好き」という現象の分析である。著者ら自身も問題点としているように、この種の分析を男女こみでしていることが一番の問題点であると思う。私は男女差を知りたい。
    小泉論文
    「中学校入学時の子どもの期待・不安と適応」というテーマで日本の教育心理学者が論文を書いたらきっとこうなるだろうなという予想通りの内容であった。
    谷島・新井論文
    「中学生におけるクラスの動機づけ構造の認知に関する探索的検討」。同上。
    柴田論文
    著者曰く「本研究は、過去の対人経験を母親に尋ねた回想的研究であり、また被験児数も少ないことから、これらの結果をそのまま一般化することはできない。」幼児1人ひとりをビデオに撮り、15秒単位での分析がなされているにしても、やはり36名では少なすぎると思う。
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    【『教心研』掲載論文「追試」結果報告】

    (今回はなし)

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    【『KR』はインターネット上で配布している他、オリジナル論文の著者にも郵送しています。】