図1
Q.子宮ガンとは、どんな病気なのですか?
A.子宮ガンは、ガンの発生する部位により、頚ガンと体ガンに分類されます(図1)、ガン細胞の種類も、発生原因も異なります。
Q.子宮ガンの原因は何ですか?
A.子宮ガンの約80%は頚ガンで、原因はヒトパピローマウイルス(HPV)であることが明らかになってきました(子宮頚ガンの9割以上にHPV-DNAが検出される)。HPVは性交により感染するウイルスで、SEXの低年令化が若い女性の頚ガン増加の原因のひとつと考えられます。体ガンは、原因がまだ不明ですが、女性ホルモンや欧米型の生活習慣などが何らかの影響をおよぼすと考えられており、中高年の女性に発生しやすいのが特徴です。
Q.どんな症状があるのですか?
A.子宮頚ガンは、その広がりの程度により0期から4期に分類されますが、出血がもっとも多い症状です。しかし、0期(粘膜内に限局)の場合は、無症状の事が多いので、症状がないからと言って安心とは言えませんね。
Q.若い女性も子宮ガンになるのですか?
A.頚ガンの原因として、HPVが重要と考えられますので、SEXの経験があればいくら若くても可能性がありますし、特に、最近は20代の女性に頚ガンが発見される事が増えているという報告があります(29歳以下の女性で、約0.61%に異常細胞または、癌細胞が発見されるという報告があります)。ただし、HPV感染は通常の性行為で感染しますが、感染者のすべてがガンにかかるわけではありません。
Q.何才位から、検診を受けたらいいのでしょうか?
A.もしSEXの経験があるのでしたら、20才から受けられる事をお勧めします。地域によっては25才以上の方は公費の援助を受ける事ができますので、病医院の窓口で御相談下さい。
Q.ガン検診はあまり役に立たないと聞いたことがあるのですが?
A.多くの臓器に様々なガンが発生します。たしかに発見するのが困難なガンもありますが、1998年に発表された「厚生省がん検診の有効性評価に関する報告」でも、頚ガン検診の有効性は高い評価を受けています。子宮頚ガンに関しては、充分に有用なものと思います。
Q.子宮頚ガンの検査はどのように行うのですか?
A.まず、子宮頚部の細胞を擦り取って異常の有無を調べます(class 1〜5に分類します)。細胞の異常の程度により、次いで、局所からマッチ棒の先程の組織を取って詳しく調べます。(痛みは、ありません)。
組織検査と内診などにより、ガンの進行度(広がりの程度)を決定(0〜4期)、その結果、治療方法も決まります。
Q.私は結婚したばかりですが、子宮頚ガンの初期と言われました。もう子供は望めないのでしょうか?
A.初期に発見されて、よかったですね。初期とは0期から1期の一部と考えられますが、もし0期(粘膜内に限局)ならば、頚部の部分切除ですみますので、子宮を残すことが出来、妊娠は可能です。主治医とよく相談してみましょう。
子宮頚ガンは、早期発見が可能なガンです。早期に発見できれば100%治ります。ぜひ、検診をうけましょう。
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