Q.結婚して3年になります。去年から子作りにはげんでいますが、なかなか出来ません。私は 不妊症なのでしょうか?
A.不妊症とは、夫婦間で正常な夫婦生活があって、2年以内(避妊期間を除く)に妊娠されない場合を言います。これは、通常夫婦の90%以上が2年以内に妊娠するという事実に基づいています。でも、もし貴女が35才以上でしたら、早めに検査を受けられる事をおすすめします。
Q.子供がなかなか出来ないので、先日、産婦人科を受診しましたが、まず基礎体温をつけるように言われました。基礎体温とはどういうものですか?
A.婦人体温計(薬局で買えます)で、毎朝、口内体温を測って、排卵による体温上昇(黄体ホルモンにより、約0.3度上昇します)を確認する方法です。排卵がなくても、黄体ができれば体温が上がる事もあるため、超音波検査を併用して排卵の有無をチェックします。
Q.妊娠するタイミングはいつが一番いいのでしょうか?
A.実際、タイミングを合わせることは難しいことがありますね。一般的には排卵が起る少し前にタイミングを合わせるのが良いと思います。精子は比較的長時間受精能力を維持したまま体内に留まることができますが、卵子は排卵後半日程度しか受精能力がないからです。
Q.病院で、いろいろな検査が必要と言われました。どんな検査をするのですか?また、費用はどの位かかるのでしょうか?
A.まず、不妊症の原因についてお話しましょう。検査で原因が100%分かるものではありませんが、できれば、原因が確認出来ればそれをつきとめてから治療する事が大事だと思います。
原因として、女性側によるものがおよそ1/3、男性側1/3、両者によるものが1/3と考えられていて(表1)、決して女性側に多いというものではありません。
検査は、大体、下記のようになります。
1.基礎体温
2.子宮卵管通過検査(造影法、通気法、通水法など)
3.血液中ホルモン検査
4.精子・頚管粘液適合性検査
5.超音波断層法
6.精液検査
費用は保険適応ですのでそれほどかかりません。但し、ホルモン検査は約1〜2万円程の自己負担が必要になります。
Q:私は子宮外妊娠を2回したため、体外受精が必要と言われました。人工受精と体外受精とはどう違うのですか?費用はどの位かかるのでしょうか?
A.配偶者間人工受精(AIH)は、夫の精子を濃縮したり運動性の有るものを集めて、子宮内へ注入する方法です。
体外受精-胚移植法(IVF-ET)は卵管が詰まったりして卵管内での受精が望めない場合に、卵子を取り出し、夫の精子と試験管内で受精させ、それを子宮内にもどす方法です。また、配偶子卵管内移植法(GIFT)といって、どちらかの卵管がつながっていて、卵巣から得た卵子と精子を腹腔鏡下で直接卵管内に注入してそこで受精させる方法もあります。いずれも保険対象外のため、特にIVF-ETやGIFTは20〜30万円かかるようです。
Q:夫が無精子症と言われました。もう子供は望めないのでしょうか?
A.顕微受精法(ICSI)という新たな方法があります。精巣内に精子の元になる細胞があれば、それを顕微鏡下で、直接卵子の中に注入して受精させる方法です。
【トピックス】
長野市では、不妊治療を受けている夫婦の経済的負担の軽減を図るため、平成16年4月から、体外受精と顕微受精を補助対象として年間10万円の補助を受けられるようになりました。(特定不妊治療費助成事業)
〈問〉長野市保健所健康課 TEL 026(226)9960
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