山響楽器中山店の公開講座の報告


 4月15日横浜の山響楽器中山店の月例の講座に講師として招かれ、「基本の指づくりから表現のテクニックへ」と「初級用ピアノテキストの抱える問題への一つの回答」の二つのテーマで講演をさせていただきました。

 この講座は、市田儀一郎先生や中村菊子先生といった、公開講座のベテランがよく講演されている会でしたので、信州の田舎教師の講座が、どんな風に受け止められるか、正直心配していました。しかし、いざふたを開けてみると、私もすっかり熱が入ってしまって、聴講された講師やレスナーの皆さんには、感動を持って受け止めていただけたようです。

 講座では、初めのテーマの「基本の指づくりから表現のテクニックへ」に、2時間の持ち時間のほとんどを使ってしまいました。しかし、後半のテーマの「初級用ピアノテキストの抱える問題への一つの回答」では、私のテキスト「音階の曲集」を具体的に紹介する予定でしたので、20分ほど時間を延長させてもらって、簡単に触れさせていただきました。たったそれだけの解説しかできませんでしたが、持参した20冊のテキストはあっという間に売れてしまって、手に入れられなかった先生の分30冊を、後日長野からお送りすることになりました。

 その席には、某楽譜出版会社の課長さんも同席されていたのですが、「このような熱気のある会は、最近見たことがない。」とまで持ち上げられてしまいました。また、その会社でも自社の楽譜の販売を促進するために、しばしば講座を開くのだそうですが、講座ではあまり売れないのが最近の実状とのことでした。そんなことから、無名のしかも出版社で作ったものではない、私的に作ったテキストが、あっという間に売り切れたのを目の当たりにして、さかんに感心していました。

 そのお話を聞いて、流通経路に乗っていない、言い換えれば楽器屋さんの楽譜売場で、簡単に手に入れられるような本ではないにもかかわらず、よく売れたということは、日頃子どもたちの指導で苦労されている先生方が、私の「音階の曲集」を、これならとても役に立ちそうと評価してくれたからではないかと思っています。この経験に自信を得て、さらにこのテキストの普及をはかっていきたいものと考えた次第です。



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