「第29回ピアノ・サロン」の模様を信濃毎日新聞の記事でご覧いただけます

第35回

ピアノ・サロン

と き 平成18年4月9日(日)1:30p.m.
ところ 長野県民文化会館小ホール
出 演 夏目芳徳生徒16名(小2〜大4)
    
◆駐車場について
当日午後2時よりフジ子・ヘミングのコンサートが大ホールにて、日本公文教育研究会主催のイベントが中ホールにて予定されています。駐車場の混雑が予想されますので、ピアノサロンへお車でお越しの方は、お早めに来られることをお勧めします。


《 プ ロ グ ラ ム 》
◆ピアノソロ◆
三善 晃 「わんぱくさざえ」「笛吹き奴のかくれんぼ」他
ヘラー イ短調の即興曲
ベートーヴェン ピアノソナタ ト長調 作品14の2 第1楽章
リスト 即興的円舞曲
三つの演奏会用練習曲 第3番 〈ため息〉
メンデルスゾーン 「無言歌」より〈過ぎ去った幸福〉〈春の歌〉他
ショパン ワルツ 第12番
練習曲 作品10-9 ヘ短調
幻想曲 ヘ短調 作品49
ブラームス ラプソディ ロ短調 作品79の1
シューマン 「幻想小曲集」より〈飛翔〉
「クライスレリアーナ」より
その他
◆アンサンブル◆
ハイドン ピアノ三重奏曲 変ロ長調 Hob.XV:8 より
モーツァルト ピアノ三重奏曲 ト長調 K.564 より
ピアノ三重奏曲 変ロ長調 K.254 より
ベートーヴェン バイオリン・ソナタ 第2番 ニ長調 作品12の2 より
その他

《賛助出演》
◆加藤 晃(バイオリン)
愛知県立芸術大学音楽学部卒業後、1991年ドイツ国立アーヘン音楽大学に留学。1996年バイオリンとビオラでDIPLOM(国家演奏家資格)を取得。バイオリンを中澤きみ子、新藤義武、綿谷恵子の各氏に、バイオリン・ビオラ・室内楽をシャルル・アンドレ・リナーレ氏、ビオラをマッシモ・パリス(イ・ムジチ合奏団)に師事。現在、名古屋弦楽ゾリステンの音楽監督等を努める傍ら、長野ではSBCアンサンブルのトレーナー、また長野市のプロフェッショナルな演奏団体〈アンサンブル・ノーヴァ〉の代表及びコンサートマスター。
◆宮澤 等(チェロ)
1985年国立音楽大学卒業。チェロを小野崎純、室内楽を小林道夫、ヘルムート・バルトの各氏に師事。1992年オランダ、オルランドフェスティバル(室内楽)マスターコース合格、オランダ各都市で演奏。現在国立音楽大学委託演奏員、及び附属音楽高等学校講師、長野SBCアンサンブルトレーナー。東京のウッドランドノーツ室内合奏団主宰。


《ピアノ・サロンへのお誘い》

ピアノ・サロンは、私の生徒たちが演奏するコンサートです。このコンサートでは、毎回たくさんの新しい曲目を取り上げるよう努力しています。それにより指導者も生徒も、またコンサートにお出でになったお客様も、新しい創造に立ち向かい、新鮮な発見と感動に出会うことができる、と考えているからです。今回はどんな曲が演奏されるか、どうぞ楽しみにしていてほしいと思います。

出演生徒の多くは、「ピティナ・ピアノコンペティション」で優秀な成績を修めた生徒たちです。また平成15年には新潟大学2年生の松木夏奈さんが「第38回新潟県音楽コンクール」で「県知事賞」を、愛知県立芸術大学1年生の高橋早紀子さんが「第16回春日井市ピアノコンクール」で第1位に入賞、また一昨年は高校1年生の佐藤みさきさんが「第28回ピティナ・ピアノコンペティションF級」の「全国決勝」で第4位の評価を得て「ベスト賞」を獲得、桐朋学園大学音楽学部1年の坂原美菜さんは「第7回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール」の「大学生部門」で2位(1位なし)を受賞しました。このようにように、ここ数年各種コンクールでも高い評価を受ける生徒たちも参加するピアノ・サロンは、それぞれに個性豊かな子どもたちが、多彩な演奏を披露してくれることと思います。

今回も新しいピアノ三重奏曲に挑戦

かつての「ピアノ・サロン」では、ピアノソロの間に連弾を入れて、プログラムに変化を持たせてきました。子どもたちはこの連弾の勉強を通してアンサンブルの楽しさを知り、また合わせる技術も身につけることができたと思います。その後過去8回のコンサートにおいては、最初の2回は地元のプロフェッショナルな演奏団体〈アンサンブル・ノーヴァ〉のコンサートマスター・加藤晃さんの参加を得て、バイオリンとのアンサンブルを取り入れました。このようにして本格的な室内楽の演奏を、バイオリンソロとのアンサンブルで慣れたところで2回にわたって芸大チェロ科に学ぶ西山健一さん(その後NHK交響楽団に入団)の協力も得て、モーツァルトとメンデルスゾーン及びハイドンのピアノ三重奏に取り組みました。お蔭様で過去8回のアンサンブルは、バイオリンを演奏していただいた加藤さんに「子どもと共演しているとは思えなかった。立派な大人の音楽家を相手に、真剣に演奏している気持ちで演奏できた。」とまでおっしゃっていただきました。

このようにバイオリン、チェロという弦楽器とのアンサンブルを主に演奏してきましたが、途中クラリネット奏者の田本摂理さん(現在大阪フィルハーモニーの団員)にも参加をいただいて、クラリネット、ビオラ、ピアノによる三重奏と、クラリネットとバイオリンのソロも楽しむ機会を持ちました。そんな歴史を背景に、今回は二人の小学5年生の生徒、倉石麻由さんと鹿島弘貴君が、初めてのピアノ三重奏に挑戦します。昨年初めてアンサンブルに挑戦した小学校4年生の田中恵理奈さんは、昨年の曲よりはるかに音楽的にも技術的にも高度なハイドンのピアノ三重奏をひきます。中学1年生の小林葉月、鶴田奈子はモーツァルトのピアノ三重奏曲です。また、中学2年生の男子生徒池田錦君は、ベートーヴェンのバイオリンソナタ第2番の第3楽章に挑戦です。

彼らが演奏する全ての室内楽曲は、常に新しい曲に挑戦する「ピアノ・サロン」の伝統に従って、今回初めて取り上げる曲目ばかりです。バイオリンの加藤さんチェロの宮澤さんとも、今回取り上げたハイドンの曲を演奏するのは初めてだそうで、頻繁に演奏活動をするお二人にも珍しい曲のようですが、その魅力には両人ともはまったようです。

毎回違った曲になっているのは、ただ、違いのために選んでいるのではなく、それぞれの子どもの色々な演奏能力などの条件を考えて、一番いい結果の出る曲、そして何よりも音楽的に魅力があって楽しい曲という視点から、長い時間をかけて選曲した結果が、たまたま毎回違った曲になっているだけなのです。ですから、違いに意味があるのではなく、その曲の音楽的魅力とそれをどの程度まで演奏に反映できるかということを大切に考えています。子ども達と合わせる中で、二人の演奏家がその魅力をともに感じてくれ、合奏する喜びを語ってくれたことに、私は心からの満足を覚えました。

事前の練習の中で、子ども達も楽しく勉強しているこれらの曲が、当日はステージ上でどんな演奏になるか、今からとても楽しみです。



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