白馬鑓温泉
(はくばやりおんせん)
テントを担いで登った日本第3位の高所温泉
建物と建物の間の石垣が露天風呂みくりが池温泉(立山・2350m)、本沢温泉(八ヶ岳・2150m)に次いで、日本で3番目に高いところ(2100m)にある温泉。ただし、天然湧出量では上位二つの温泉を上回るそうだ。

この温泉へは、車では行くことができない。高低差約800mを登る山登りになるので、それなりの装備と気合いが必要だ。

登山口の白馬村・猿倉を午前6時前に出発。歩き始めて1時間で降り始めた雨と重い装備に苦戦しながら、ちょうど5時間(休憩時間含む)で温泉に到着。
露天風呂からは遮るもののない展望受付を済ませ、雨の中テント設営。早速温泉へ。前日白馬岳へ登った登山者が下山の途中に立ち寄るようで、7、8人の先客がいたが、浴槽が広いので問題なし。

眼下には、空と山と雪渓が壮大なスケールで広がる。特に山小屋横の巨大なクレバスは背筋が冷たくなるような迫力で圧倒された。

お湯は熱めで、雨にぬれた体にじーんと染み渡る。湧出量が豊富なため、浴槽からザーと勢いよくあふれ、登山道横の岩場を滝のように流れていく様子は圧巻。
myテントと雪渓お湯に色はなく透明だが、硫黄のにおいがかなり強く効能がありそう。露天風呂には囲いなどないので、登山道やすぐ下のテン場から丸見え。仁王立ちは厳禁。

翌日は、お湯に浸かりながらご来光を拝む壮大な計画があったが、雨のためあっけなく中止。しかも土砂降り。天気の回復を11時まで待ったが雨の中下山。

天気は悪かったが、苦労して登った者だけが楽しめる温泉は格別。しかも高所にあることや景色だけでなく、温泉の質そのものも一級品。雪渓のない天気のよい時に是非再訪したい。
Data
 【所在地】 長野県北安曇郡白馬村白馬岳国有林
 【営業時間】 24時間
 【定休日】 なし(ただし山小屋開設は7月上旬〜9月末頃)
 【料 金】 300円(宿泊:素泊5,900円 2食付8,600円 テント幕営500円/人)
 【駐車場】 なし(猿倉登山口に約100台)
 【源泉名】 白馬鑓温泉
 【泉 質】 含硫黄-マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩温泉(中性低張性高温泉)
 【泉 温】 45.6℃(気温13.0℃)
 【湧出量】 不明
 【掛け流し】 ○
 【飲 泉】 不可(給湯口不明のため)
 【設 備】 露天風呂混浴1、女1・内風呂女1
 【備 品】 洗面器
 【最新入浴日】 2003年8月

 【泉 質】 S
 【設 備】 S
 【情 緒】 S
 【総 合】 S

 【付近の温泉】
   白い白馬三山を眺めて肌もつるつる 「白馬八方温泉・みみずくの湯
   初夏の白馬でゆったり温泉 「白馬八方温泉・第一郷の湯
   美人の湯の足湯で目指せ美脚 「白馬八方温泉・和の湯(足湯)
   白馬山中の野湯 「白馬八方温泉・小日向の湯(野湯)
   白馬に新温泉誕生 「白馬龍神温泉・湯あそび処おぶや
   後立山連峰のダイナミックな眺め 「白馬姫川温泉・天神の湯
   目も癒されるブナ林の中の露天風呂 「小谷温泉・小谷温泉露天風呂
   屋上の豪快天望風呂 「姫川温泉・朝日荘
   懐かしい香りのする温泉宿 「島温泉・島の湯旅館
   豪快掛け流しと新そばを堪能 「来馬温泉・風吹荘

  

Trekking data
1日目:長野→猿倉→小日向のコル→白馬鑓温泉(泊)
2日目:白馬鑓温泉→小日向のコル→猿倉→長野

 特に危険箇所はないため、登山経験者であれば問題なく登れるはず。エアリアガイド(昭文社)のコースタイムでは登り4時間30分、下り3時間40分なので、熟練者は日帰りも可能。ただし、お湯に浸かった後は歩く気がしなくなるかも。
 猿倉からコース中間の小日向のコルまでは樹林帯の中を歩くが、後半は展望が開けて気持ちが良い。高山植物が咲くお花畑が数ヶ所あるので、途中ゆっくり休憩できる余裕を持った計画を立てたい。
 今回登った2003年8月現在、雪渓のトラバースが3ヶ所、雪渓上の直登が1ヶ所(温泉直下)。筆者は持参しなかったが、すれ違った登山者の8割がアイゼンを装着していた。雪渓上では常に上方からの落石に気を配ること。雪渓上での落石は音を立てず猛スピードでやって来る。
 今回は温泉入浴だけを目的とした、猿倉からの往復だったが、猿倉-大雪渓−白馬三山(白馬岳・杓子岳・白馬鑓ヶ岳)-白馬鑓温泉-猿倉の、2泊3日のコースがメジャーで人気がある。

 尚、猿倉登山口の無料駐車場はシーズン中の休日はすぐ満車になる。その場合は手前の八方地区の駐車場に停め、バスかタクシーを利用することになる。前日の夜か当日の早い時間(午前3〜4時)頃に猿倉に着けば駐車できる可能性が高い。


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