Date: Thu, 20 Feb 1997 22:51:00 +0900
豊田さんの議論の多くはなるほどと勉強になりました。ただし、私の議論は安藤さんの
論文へのコメントではありません。守さんがそのような意味で引用されたかも知れませ
んが、もっと一般的な私の考えであり、私が接する教育関係者の「常識」に対するコメ
ントです。したがって、安藤さんの議論と無関係の多くのことが入っていますし、その
上、段落観のつながりは飛躍しています。いくつかの論点を並行して言っているからで
す。その点だけ、誤解をお正し下さい。
無藤
そうそう、分散の半分くらいと言う表現はラフな言い方で、遺伝がもっと効いているも
のも少ないものもあり、それをはっきりさせるのが行動遺伝学の最重要な仕事であるこ
とはまったくその通りだと思います。言いたいことは教育的に普通重要だとされる特性
の多くについて、遺伝と環境と同じように決定的に効いていると言うことです。
瓜の蔓にはなすびはならず、とは遺伝で解釈するのが普通の人の思いこみだろうと私は
想定していますが、そうでないと思われる人もいるなら、実証研究が必要なのでしょう
。(心理学的には初期環境、特に親の養育は親と子の遺伝的共通性で相当程度説明され
るのではないでしょうか。)
From: 無藤 隆
Subject: RE:Toyoda Comment
To: kazmori@gipwc.shinshu-u.ac.jp (MORI Kazuo)
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