塘さんへのお返事#2(1998/6/2)

塘さんへのお返事#2(1998/6/2)

Date: Tue, 2 Jun 1998 08:48:19 +0900
To: 塘 利枝子
From: kazmori@gipwc.shinshu-u.ac.jp (守 一雄)
Subject: Re: KR

塘さま:守です。

 反論のメールありがとうございました。

At 2:07 AM 98.6.2, 塘 利枝子 wrote:
>
> 以上の一つの方法論の立場に従って、私は研究を行っています。ここで、この
> 方法論を認めないというのであれば、これ以上議論する余地はありません。例
> えば前提のplausibilityが納得できないので、論文の結論も認められない、と
> いう立場もあると思います。そのような立場であるならば、議論をしても無駄
> でしょう。まずご確認ください。
>
 はい、私は(たぶん日垣氏もだろうと思いますが)、
「前提のplausibilityが納得できない」のです。

「教科書を買いかぶっている」という表現にそうした意味を込めたつもりでした。
『KR』でも
KR> その背景となる研究の論理は、「教科書の与える知識や情報は、
KR> どのように行動したらその社会の成員として認められるかを
KR> 子どもたちに示す材料としても使用される」からというものだが、
KR> 教科書を買いかぶりすぎているのではないだろうか?
とコメントを書きました。

塘さんは、
> すなわち「子どもが毎日接する教科書の内容は子どもに大きな影響を与える」
> という前提を私が置いたのは、全く研究の目的のためであり、それを正しいも
> のとして研究を進めていますが、その現実的妥当性についての印象とか判断に
> ついては不問にふしています。
とおっしゃいますが、私は、
「子どもが毎日接する教科書の内容は子どもに大きな影響を与える」という
plausibilityの低い前提を不問にして、研究のためだけの研究をしていること
それ自体を批判しているのです。
現実的妥当性とは無関係に「研究のやりやすいことだけを研究している」
というのが、『KR』の批評の骨子です。

こんなことを前提にしているなんて「信じられなーい」
という感想を述べているのですから、
著者の反論で「前提が正しいかどうかは不問にふす」とされたのでは
確かにこれ以上、議論しても仕方ないですね。

「信じられなーい」と言われたこの前提の正しさを
見事に証明して見せて
「まいった」と言わせてみせて下さい。
 
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守 一雄@380-8544信州大学教育学部学校教育講座(これだけで郵便が届きます。)
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