日垣さんからのメール(1998/5/25)

日垣さんからのメール(1998/5/25)

Date: Mon, 25 May 1998 19:14:04 +0900
To: kazmori@gipwc.shinshu-u.ac.jp (守 一雄)
From: Higaki Takashi
Subject: Re: Reply from Prof.Tomo to KR

> > ****************************************************
> > (1) 「教科書を買いかぶりすぎているのではないか」という点について
> >  確かに現代の子どもにとってテレビ、マンガ雑誌、ゲームソフトの方が教科
> > 書よりもはるかに魅力的であり、それゆえにより影響力を持っていると言える
> > であろう。しかしどの子どもも一律にテレビやマンガに接しているとは限らな
> > いし、日本以外の子どもがすべて日本の子どもと同程度にテレビ、マンガ雑誌、
> > ゲームソフトを手に入れることができる環境に囲まれているとは言えない。そ
> > れに対して教科書は、どの社会においても小学校段階のほとんどの子どもが接
> > することができるものである。これが教科書を分析材料として異文化間比較を
> > 行った1つ目の理由である。
> > さらに教科書を分析材料として用いた2つ目の理由としては、教科書がその社
> > 会での理想的な価値観や行動を次世代に伝えるための道具として位置づけられ
> > ているからである。教科書は当然その社会の大人が作成したものであり、また
> > その作成目的からして、子どもに悪影響を及ぼそうと意図されて作成されてい
> > るものではない。むしろその社会の行動規範や価値観を教えようと思って作成
> > されている。もちろん教科書の中で扱われている行動規範や価値観はその社会
> > の理想像であって、現実像を必ずしも正確に反映しているものではないのかも
> > しれない(これは現在進めているドイツの教科書を入れた多文化間の比較分析
> > の中から得た結論なのだが)。したがって、教科書よりもテレビやマンガ雑誌
(後略)

ここまで読んで、この文章の書き手が、異常なほど(あるいは無垢にも)教科書を
買いかぶっていることが確信できます。どういう生い立ちをしたら、こうなるかは
容易に推察できますが、まじめな人(子どもの現実を知らない人)であることは、
うらやましいほどです。

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日垣 隆
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