Date: Thu, 20 May 1999 21:17:54 +0900
From: "麓 信義"
MIME-Version: 1.0
To: "守 一雄"
Subject: Re: KRvol.5-1
守 一雄 wrote:
> しかし、考えてみると、ビデオに撮っておいて自分で見るということは、スポーツ選手をはじめ
> 誰もが当たり前のように活用している方法でもあるわけで、「なにをいまさら」という気が
> しないでもない。
>
スポーツ選手は、自分の技を極めるための反省材料として見る場合と、状況に適切な行動を
したかどうかの反省材料として見る場合があり、この論文の例は後者の場合と対応すると思わ
れます。
それよりも問題は、このような実験をやるのであれば、プラセボ効果を検討すべきなのでは
ないでしょうか。ビデオは隠れて撮って、教員には何も見せないか、テープレコーダーで音声
だけを聞かせるような群を作って、自分の保育の反省を言葉で書いてもらって、それによる指
導技術の向上との差をみるのが本来の研究方向ではないでしょうか。
もっとも、最近、別の学会の審査員をやらされて、このような対照群を作るのが本来の方法
だが、この研究は応用研究なので、それまで厳密な研究をしないと論文として認めないという
姿勢も問題であり、その限界を記述すれば原著論文でもよいだろうという審査結果を書きまし
たが・・・・・・。
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English
Nobuyoshi Fumoto Professor (Psychology of Sport and Physical Activity)
Department of Health and Physical Education, Faculty of Education, Hirosaki
University
Bunkyocho 1, Hirosaki, Aomori, Japan 036-8560
Japanese
麓 信義 (弘前大学教育学部教授:運動・スポーツ心理学研究室)
住所 〒036-8560 弘前市文京町1 弘前大学教育学部保健体育科教室
Tel 0172-33-8295 Fax 0172-32-1478 E-mail fumoto@cc.hirosaki-u.ac.jp
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