2026・1~
トップページはこちら
長野県日中友好協会のホームページへようこそ
|
長野県日中友好協会会長 西堀正司 新年おめでとうございます。会員・役員の皆様、友人の皆様、日頃のご活躍ご協力に感謝を申し上げます。 昨年は戦後80年の節目の年でした。国際情勢は混沌としており、不安を強める事柄が数多くありました。ウクライナ戦争、イスラエル・パレスチナ戦争、米国発の関税対立等があり更に自然災害も多数ありました。 日本でも政変があり高市内閣が発足しました。高市首相は、中国習近平主席と就任直後に会談を行いました。新しいスタートを切りましたが、日本の国会での初の予算委員会において、失言とも言える発言をしてしまいました。日中関係に大きな影響を与える答弁でした。 日中関係には、重要な原則的な四つの政治文書があります。両国政府と国民の財産である四つの文書を理解して守る事は、政治の責任であり義務であります。この政治文書にある中心的な課題に抵触する恐れのある課題について発言してしまいました。中国は猛烈に反発して日中関係は重大な事態に陥ってしまいました。「コロナ禍」以後ようやく明るさを迎えた「新時代」いわゆる交流再開のチャンスに対する挑戦です。 高市氏は、台湾をめぐる存立危機事態の提起を行い、集団的自衛権の行使について危険な発言を行ってしまったというものです。後になって発言を否定するかの発信を言っていますが、はっきりしていないのです。それ以後、交流が縮小に向っており国民は心配しています。 昨年は各地区協会の皆さんと協力して沢山の事業を行いましたが、日中友好都市中学生卓球交歓大会、高校生文化代表団、大学生訪中団と県訪中団派遣等も実現し。有意義な交流 が行われました。新時代にふさわしい交流でした。 本年は長野県日中友好協会創立70周年の節目の年です。70周年を県民的慶事として記念し祝いたいと思います。記念事業として70周年記念誌『虹の架け橋―長野県日中友好の歩みⅤ』の発行、記念式典の開催などが計画されています。会員の皆さんの力を結集して成果が上るようにしたいと思います。格別のご協力をお願いいたします。 日中関係の長期安定的な発展を目指して、平和を守り前進させ、戦争を防ぐ活動は、日中友好協会の使命です。先人の思いを引き継ぎ、「日中友好は、日本の最大の安全保障である」という信念のもと一年間頑張ってまいりましょう。 ( 2026.1.1) |
2026年の初春を迎えて 長野県知事 阿部守一 明けましておめでとうございます。 皆様には、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。 昨年は、日本人に対する短期滞在ビザの免除措置が追い風となり、日中間の交流が一層活発化しました。 3月には貴会及び県日中スキー交流委員会のご尽力により、河北省からアルペンスキー選手団が志賀高原を訪れ、冬季スポーツを通じて絆を深めることができました。翌月には河北省衛生健康委員会の視察受入れや、大阪・関西万博の中国パビリオンでの河北ウィークの開幕式へのご招待を受け、両県省の交流の歩みを広く共有する機会となりました。また、張超超河北省常務委員を団長とする石家庄市訪問団が県庁を表敬され、今後の更なる友好交流について意見を交わしました。夏以降は日中友好都市中学生卓球交歓大会訪中団の河北省等での交流、長野県と河北省の大学生相互訪問、長野県高校生文化訪中団派遣と続き、研修や文化体験を通じて若い世代の絆を深める意義深い交流が実現しました。 日中間には様々な課題がございますが、こうした時こそ地方間の顔の見える交流を着実に進めることが重要であると確信しております。県といたしましては河北省ならびに北京市との友好をさらに深め、貴会と連携しながら草の根レベルの交流を広げてまいります。西堀会長をはじめ貴会の皆様とともに、中国との友好の絆を一層強めるべく全力で取り組んでまいりますので、引き続きご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶といたします。 |
| 第29期第2回日中連続市民講座 「AIはどのように教育を再構築するのか」(12/20)
夏先生は、はじめに、2022年にOpenAIがChatGTPを発表して以来、人工知能技術は急速に発展し、仕事や生活を急速に変え始めていて、教育分野も例外ではない。AIは教育に何をもたらすのか?人々はAIに大きな期待を寄せる一方、大きな不安を抱いていると述べ、次の5項目について報告しました。 (1)AIの中国における興起と発展、(2)AIはどのように中国教育を全面的に支援しているか①基礎教育②高等教育③中国メディア大学の実践、(3)AI教育が直面する道徳的リスクと対応、(4)政府の政策と未来展望、(5)AI教育と日中協力 参考になると思われるので以下紹介したいと思います。 |
| 長野孔子学堂、「迎新年晩会」(年末交流会)を開催(12/13)
はじめに、長野ラジオ孔子学堂を代表して、西堀正司孔子学堂理事長(県日中会長)が「戦後80年は激動の中で終わろうとしており、間もなく新年を迎える。長野孔子学堂の皆さんの活躍に感謝し、新年の平和と発展を願う」とあいさつ。続いて孔子学堂中国側責任者の夏丹老師が2025年を振り返り、県日中友好協会の支援協力のもと、中国語教室、端午節餃子粽交流会、西安研修旅行、中国語スピーチコンテストをはじめ様々な活動に取り組み、交流成果を収めたことを回顧するとともに、11月北京・香港で開かれた世界中国語大会に出席した報告を行いました。大会のメインテーマが、“AIの力で中国語をより身近に”であったことを紹介し、AIを活用し中国語学習の普及発展を目指していきましょうと述べました。 続いて、西安語学研修旅行に参加した、千曲教室の宮坂光子さんと長野教室の上條優子さんが映像を使って、西安交通大学での日本語学習学生との交流や悠久の歴史を持つ西安の魅力などを報告しました。 特別講演で西堀会長は「未来への日中友好」と題して戦後80年にあたった今年が大激動、大変化の年であったことを振り返り、戦争と平和について考えさせられた年であったと述べ、日中戦争の反省から、戦争に反対し平和を守り持続させること、中国が国交正常化の際戦争賠償を放棄してくれたことを忘れず、日中友好は最大の安全保障との信念をもって進みたい。高市首相の「台湾有事」発言に対する中国側の怒りは大きいが、政治家たるもの隣国と仲良くする、平和を守ることが基本であるべきであり、日中両国の指導者に正しいみちを選択するよう期待したいと述べました。1部の締めくくりとして、戸井田靜男事務局長が、1年間の孔子学堂の歩みを報告しました。 |
第29期日中関係を考える連続市民講座スタート(11/29) 第29期日中関係を考える連続市民講座が11月29日スタートしました。県内の大学や県日中友好協会などで作る県日中学術交流委員会主催で、毎月1回のペースで文化、歴史、経済関係などをテーマに明年3月まで、計5回の講座が開かれます。第1回は長野大学の塚瀬進教授が、「近年の中国留学生の動向―長野大学の事例を中心に」と題して講演しました。20名の受講者は熱心に聞き入りました。
塚瀬先生は、長野大学に在籍し、中国近現代史が専門ですが、長野大学での留学生受け入れに長年携わってきた立場から今回中国人留学生の動向についてお話しいただきました。 中国人留学生は1980年代後半以降に増加し、現在ではどの大学にも在籍することが普通になっています。中国人留学生の受け入れの変化について歴史学的考察を加えた興味深いお話でした。 (2)長野大学の中国人留学生の状況:02年45名(うち内モンゴルから20名)以後協定校を増やし、10年には最多の165名になる。17年以降、中国人留学生数は減少。15年55名、17年26名、25年16名。長野大学の総定員は1400名なので中国人留学生の割合は1.1%。 ⑥中国の変化: ⑦終わりに |
| 2025世界中国語大会(北京・香港)に参加(11/14~18)
引き続いてグロバル孔子学院香江フォーラムが11月17~18日香港の香港理工大学で開かれました。このフォーラムには、69の国と地域、79の孔子学院から代表が参加し、デジタル時代における中国語教育と文化交流について意見交換が行われました。 長野県日中友好協会ラジオ孔子学堂から夏丹・中国伝媒大学教授で長野孔子学堂代表と布施正幸・長野県日中友好協会副会長が出席しました。大会並びにフォーラムの内容は夏丹先生の報告をご覧ください。 北京滞在中には中国伝媒大学を訪問する機会を得て、李懐亮・同大の人類運命共同体研究院院長はじめ関係の皆様から温かい歓迎をいただき大変お世話になりました。広い学内もゆっくり参観させていただきました。また30数年ぶりに訪れた香港も大きく様変わりしていて印象に残りました。 期間中、中国、香港、マカオはもとより、ブラジル、マレーシア、韓国、フランス、オーストラリア、ガーナなどの国々の人たちとも交流できたことも良い思い出です。中国語が英語と並んで世界言語の仲間入りをしていることを実感しました。AIの翻訳機能を使えば瞬時に日本語に転換できる時代になりましたが、脳トレをかねてアナログで中国語と英語学習に取り組もう思います。(F) ≪夏丹先生の報告≫ 今回の世界中国語大会は「デジタルと知能の力で、中文をより身近に」をテーマに、世界160以上の国と地域から約2000名の代表が北京に集い、国際中国語教育の未来について活発な議論が行われました。大会では、AIクラウド教育プラットフォーム、音声自動訂正システム、国際中国語コーパスなど、多くのデジタル成果が発表され、技術が「未来の構想」から「実際の教室」へと進化している姿が示されました。また、世界各地の孔子学院に対し、「AI+中国語教育」を積極的に推進することが提唱され、私たちにとって大きな示唆であると同時に、新たな使命でもあると感じております。 香港で開催された香江フォーラムには、69の国と地域、79の孔子学院から代表が参加し、デジタル時代における中国語教育と文化交流について意見交換が行われました。AIを活用した授業準備や遠隔授業などの先進的な実践例が共有され、学びがより開かれ、効率的で、創造性に富んだものへと変化していることを強く感じました。フォーラムで発表された「香港宣言」では、孔子学院のデジタル転換を共同で推進し、世界的な「デジタル・インテリジェント共同体」を構築することが提唱されました。AIはもはや補助的なツールにとどまらず、教師の教え方、学習者の学び方、そして中国語教育全体のエコシステムを大きく変えつつあります。(抜粋) |
| 中国帰国者のつどいバスツアー 日本海寺泊で交流会(11/9)
朝7時頃からバス2台が市内各地を巡回して乗車した57名(うち中国帰国者47名)で新潟に向かいました。 高速道路の沿道、中野市から新潟県境付近の間がちょうど紅葉の見頃で、車窓からは猛暑の夏が過ぎ、7日に立冬を迎えて妙高山の山頂には積雪が見られる中、短い秋の紅葉を楽しむことができました。 風も冷たくなったことから、開会式等は昼食時に行うこととして、一路寺泊に向けてバスを走らせました。 北陸道の西山インターチェンジで高速道路を下車。ここ柏崎市西山町は田中角栄首相の出身地で、途中には田中角栄記念館などがあります。田中首相と周恩来総理の決断によって1972年日中の扉が開かれ、日中国交正常化がなり、今日の関係が実現したことに思いを馳せました。 買物の前に、遠く佐渡島が見える海岸で記念写真を撮影しました。市場には大勢の人が買物に来ていて、にぎわっていました。鱈汁を飲んだり、新鮮な魚を発泡スチロールに詰めてお土産にするなど、それぞれ楽しむことができました。 雨模様の天気でしたが、皆さんの行いが良かったせいか、買物が終わる頃までほとんど傘を使わずに済みました。4時ごろ2台のバスに分乗して、それぞれお土産を持って寺泊を出発、帰途につきました。「また来年も計画しますから参加ください」と柳沢春夫帰国者の会会長の呼びかけに賛同の拍手を送りながら、今年の交流会を終了しました。 |
| 第43回中国語スピーチコンテストに16人が挑む(10/25)
朗読部門には高校生の部4人、大学生の部1人、一般の部6人が出場、それぞれ全国統一課題文を発表し発音や表現力、熟練度を競いました。 スピーチ部門で優勝したのは、島こころさん。中国と日本の書道をテーマに取り上げました。 審査委員長の夏丹さんは講評の中で「今年の高校生の部の朗読課題文『按馬索驥』は少し難しかったですが、出場した皆さんはとても頑張っていました。もちろん、中国語の学習は難しいですが、努力して何度も練習すれば、必ず上達できると信じています。スピーチに参加した皆さんの原稿は、文の流れが自然で、文法の使い方もおおむね正確でした。中国語を学ぶことで自分に起こった変化、子どものころの思い出、自分の夢や興味、体験した出来事などを語り、聞く人に深い印象を与え、心を打ちました。中国語スピーチコンテストに参加することは、中国語力の向上に大きく役立ちます。是非これからも積極的に参加してください。言葉は、その国を理解するための最良の鍵です。皆さんの中国語がますます上達し、中国のことをよりよく理解されることを願っています」と激励しました。 入賞者は次のとおりです。 ◇朗読部門 高校生の部 ①湯本真凛(長野西高等学校) ◇朗読部門 大学生の部①黒木遥(信州大学) ◇朗読部門 一般の部 ①関崎朋子(孔子学堂) |
日中友好協会創立75周年記念、長野県日中友好訪中団北京、河北を訪問(10/22~26) 日中友好協会(全国)創立75周年を記念して西堀正司県日中友好協会会長を団長とする長野県日中友好協会訪中団一行10名は10月22日から26日まで、北京市と河北省の承徳市と石家庄市を訪れました。
北京市では、中日友好協会を表敬訪問し、程永華常務副会長、程海波副会長らの温かい歓迎を受け、親しく懇談しました。 河北省承徳では、承徳市外事弁公室の閻洋主任らの歓迎を受け、世界遺産の避暑山荘や普陀宗乗之廟などを参観し観光都市として面目を一新したすがたに感銘を受けました。省都石家庄では、王建峰省外事弁公室主任・省人民対外友好協会会長、鄭軼副主任らの温かい歓迎を受け、今後の交流について語り合いました。また石家庄外国語学校を訪問し、幼稚園、小中高一貫教育と全人教育目指す状況を詳細にご案内いただきました。紀竑さんはじめ新旧友人の心のこもったご接待ご案内に感謝したいと思います。 ◇友好を深めた北京、河北5日間の旅◇ビザなし渡航となって落ち着いた雰囲気の中での、北京市、河北省訪問の5日間の友好交流の旅でした。 10月22日午前11時、羽田空港第3ターミナルに集結した一行は、CA182便に搭乗して、北京首都国際空港に向かいました。北京では旅行社の劉雲さんに出迎えられました。途中「金鼎軒」で広東料理の夕食となりました。宿泊は長富宮飯店で、ホテルニューオータニ経営のこのホテルは、日本的雰囲気を漂わせていました。 10月23日は中日友好協会を表敬訪問しました。元駐日中国大使で長野県とゆかりの深い程永華常務副会長や程海波副会長、付博部長らに迎えていただき、打ち解けた懇談が行われました。 程永華副会長は、親しみのこもった語り口で、次のように述べ歓迎していただきました。「皆様のご来訪を心より歓迎いたします。長野県には何度も訪問し、深い交流を築いてきました。長野県日中友好協会は設立以来60余年の長きにわたり、日中の平和友好に尽力されてこられた。皆様の長年の友好のご尽力に感謝したい。この度の河北省訪問が成果を上げられますようお祈りします。中国では第4回中央委員会総会が開かれており第14期5か年計画の総括と15期5か年計画の骨子を決め来年3月の全人代に提出することになる。国際情勢の荒波の中で経済も影響を受けているが、GDP成長率4.8%、(通年では5.2%)を維持している。トランプ関税など厳しい環境の中で、サプライチェーンの確保、内需拡大、WTOのルールに従って経済交流を進めていく政策をとっている。また中国は発展途上国としての経済的優遇を求めないこととした。2024年の日中の貿易額は3000億ドル(44兆円)。在北京の日本商会も活躍している。トヨタは上海でEVのレクサス製造を開始し、パナソニックは水素電池製造や高齢化に伴う医療、介護事業のモデル地区などに取組んでいる。 2019年私が駐日大使離任の時は李克強首相訪日、安倍首相訪中などが行われ、安心してバトンタッチできるかと思えたが、その後新型コロナ禍による交流断絶、日中関係を取り巻く環境は厳しいものとなった。昨年来、石破内閣の誕生、岩屋外務大臣などハイレベルの相互交流再開など明るい動きが出てきていたが、ここにきて高市首相の誕生となり、今後の日中関係のゆくえを心配している。いずれにしても、私たちは連携を深めて民間交流を進めていきたい。」 西堀団長は、「温かい歓迎をいただき感謝したい。この度は、日中友好協会設立70周年を記念しての訪中。中日友好協会の皆様と手を携えて友好前進を続けていきたい。2026年からの第15期5か年計画の成功をお祈りしたい。日中関係は、自公政権が終わり今後の見通しが不透明なところがあるが、地方民間交流に力を入れていきたい。在日外国人が増加する中で様々な意見があるが、阿部知事は多文化共生の方針を打ち出している。外国人が4万人を数える中で、排外主義に陥ることなく、真に友好共生の社会を目指したい。8月、北京で開かれた日中友好都市中学生卓球交歓大会に参加した。日中韓の卓球交流、スポーツ文化交流なども実現すれば良いと思う。青少年交流を推進し、友好の種を播くことが重要と思う」などと述べました。対面交流の重要性、相互の交流を通じて相互理解を深めていくことの重要性など、話は尽きず、玄関前で記念撮影して、お暇しました。 続いて、北京の銀座ともいわれる王府井を散策しました。北京第1百貨店を数十年ぶりに入ってみると近代的なデパートに生まれ変っていました。地下1階では古き時代の展示が行われていました。最先端の街並みと古き時代の対比は印象的で、中国の人々の心の中に伝統文化を大切にする思いが芽生えているんだと思いました。 ホテル近くのレストランで少し遅い昼食をとって、北京駅に向かいました。北京市内には高速鉄道の駅が次々とできていますが、この北京駅はまさに元祖北京駅です。ここで、河北省外事弁公室の紀竑さんと李欣彤さんと合流しました。感激と安心感で固い握手、お二人には以後、最後まで同行案内いただきました。行き届いた心配りには団員皆さん心から感謝です。 北京から石家庄へ行くことが多いのでその場合は北京西駅を使いますが、承徳へ行く場合は(北京西駅)→北京駅→北京朝陽駅→密雲------承徳南駅→(承徳駅)という順序になるので私たちは北京駅から乗車することになりました。10数年ぶりの北京駅はリフォームされていてきれいな現代的な駅舎に生まれ変わっていました。高速鉄道の予約はすでになされているので、パスポートを読み取り機にかざしてチェック、そして安全検査。エスカレーターで2階の待合スペースに移動して待機します。両側には、こぎれいな土産品などのショップが並んでいて、空港待合室に似た雰囲気でした。かつての荷物を担いで行き来するお上りさんで満ち溢れていた駅はこんなにも変化していました。 私たちは紀竑さんの案内よろしく北京発15:30のG7811に無事乗車し、トランクを所定の場所に収め指定席に着座して承徳を目指しました。北京市内の駅を通過すると列車はスピードを上げ、速度表示は時速300kmを超えてかつ、安定した走りでした。17:09承徳南駅に予定通り到着し、承徳市外事弁公室国際交流科の王斌科長と通訳の鄭艶飛さんの出迎えを受けました。
閻主任は、「日中友好協会設立75周年、河北省・長野県友好締結42周年に当たり皆様をお迎えでき、熱烈歓迎いたします。承徳市は面積3.9万㎢、人口332万人の河北省内最大の面積を有する都市で北京、天津、遼寧省、内蒙古自治区などと隣接しています。地理的に北京に近く高速鉄道で1時間ほどで来れます。高速道路、空港で各地とつながっています。環境に恵まれ、水源涵養区としての役割を果たしており森林被覆率60.3%、河北の北の肺とも呼ばれています。資源も豊富で、鉱物としては、金銀鉄、レアメタル、特にチタンは2大産地の一つです。歴史文化遺産に恵まれ、避暑山荘は世界遺産として有名です。清朝の副都でした。金山嶺万里の長城なども有し、全国24の景勝地の一つとなっています。是非再び訪問ください。両省県の友好協力の発展をお祈りいたします」と述べ熱烈歓迎していただきました。 西堀団長も熱烈歓迎に感謝し、承徳市が前回訪問時と大きく姿を変え国際観光都市として発展していることに感銘を受けたと述べ、今後の友好交流の発展を願って乾杯しました。 閻主任は、明るい女性の方で、宴は華やいだ雰囲気の中進み、団側から感謝の意味を込めて「北国の春」を披露しました。閻主任も一緒に加わり、大いに盛り上がりました。 ホテルに戻ると、古い友人の張学良さんと再会でき、語り明かし忘れがたい承徳の夜でした。張さんは、もともとは河北省衛生局幹部で、現在は承徳医学院の副書記として活躍しています。長野での再会を約束してお暇しました。 10月24日は、いよいよ世界遺産「避暑山荘」の参観です。周辺の公園では、早朝から大勢の市民の皆さんがいくつものグループに分かれ太極拳やダンスを楽しんでいました。ここでも主流は年配の女性です。避暑山荘は清の皇帝が夏の離宮として利用したもので、中国で現存する最大の皇室御苑として有名です。1994年にユネスコの世界遺産に登録されました。離宮周囲の自然とうまく調和した、野趣あるたたずまいが特徴で、素朴の中にも格調高いその建築様式は蘇州の寒山寺などがモチーフにされています。宮殿区と苑景区とに分かれており、乾隆帝らが愛した江南地方の美しい風景を再現したものとなっています。離宮の東と北を、寺廟が取り巻いていて外八廟と呼ばれ、1713年から1780年にかけて造営されたもの。寺院は色彩豊かで個性的であり、普陀宗乗之廟(小ポタラ宮)などがあります。 麗正門をくぐり、皇帝の政務と生活空間の宮殿区へ、ここは山荘博物館となっていました。北京郊外の頤和園とよく似た雰囲気を漂わせていました。その後、電気カートに乗って、煙雨楼、熱河、万樹園を参観しました。湖や草原、背景の山林まことに広大な山荘でした。遠目に賓客をもてなすパオ(ゲル)も見えました。 続いて、隣接している普陀宗乗之廟を参観しました。小ポタラ宮ともよばれチベット様式と中国様式を折衷した代表的様式として有名です。廟をバックに記念撮影して、ホテルに向かい昼食をとりました。 承徳南駅より13:58発の高速鉄道G7816に乗り、石家庄に向かいました。北京経由ですが、乗り換えなしで3時間30分ほどで河北省の省都・石家庄に到着しました。 河北省人民対外友好協会の楊倩副会長らの出迎えをいただき、河北賓館に向かいました。 豪華バージョンのバイキングで紀竑さんたちとともにリラックスした夕食会となりました。 一息ついたところで、懐かしい友人の梁国輝さん、孫風国さん、李国方さん、劉梅海さん、董彤さんたちと再会し、楽しい2次会となりました。梁さんは老齢協会の顧問、孫さんは農林科学院のノウハウを生かして活躍、李さんは事業経営、劉さんは善きおじいちゃん、董さんは省友好協会から転出して省外事弁公室アジアアフリカ処で活躍中という個性豊かな」面々です。紀竑さんともども大いに語り合いました。長野での再会も約束しました。 10月25日午前は石家庄外国語学校を参観訪問しました。裴紅霞校長さんに、にこやかな出迎えを受け、丁寧にご案内いただきました。半官半民の幼稚園から高校(高級中学)までの一貫校で1万数千人の園児、児童、生徒が学ぶ全人教育を目指す有名校です。今年9月には、長野県高校生文化訪中団60余名が訪れ、吹奏楽や書道の交流を行った学校で、その時の様子も紹介していただきました。
王主任は、多忙の中、北京から駆けつけて、会見いただきました。「豊収の季節に皆様をお迎えできうれしいです。皆様の長年にわたる友好のご貢献に感謝し、ご来訪を熱烈歓迎します。河北省と長野県の友情を大切にしています。コロナ明け以降様々な交流が盛んになっています。本年5月には、張超超省委常務委員が長野を訪問しました際はご歓迎いただき感謝します。西堀会長とは3回目の会見となります。昨年中国人民対外友好協会設立70周年に王正譜省長と雄安新区を訪問しました。2度目は副省長との食事会、今回3度目となり、古い友人となりました。「朋有り遠方より来るまた楽しからずや」です。今後とも手を携えて、河北省と長野県の友好協力をすすめていきたい。民間交流が盛んで頻繁に行き来しています。残念なことに私はまだ長野を訪問していません。是非長野を訪問しようと同僚と話しています。承徳では避暑山荘や小ポタラ宮を訪問されました。再び河北省においでください。 いくつかの提案をさせていただきたい。①青少年分野の交流を深めていきましょう。9月には長野県高校生文化訪中団の皆さんが河北省に来られ吹奏楽と書道の交流をしました。河北省の青少年も長野県を訪問したいと思います。②冬季スポーツの交流を進めましょう。3月には河北省スキー選手団が長野県を訪問し訓練しました。10月には長野県クロスカントリー訓練隊が承徳を訪れ訓練し交流ました。張家口は北京冬季五輪開催地であり、今後とも長野からのご支援をお願いしたいと思います。友好に裏付けられたスキー交流を進めていきたいと思います。③他の分野のスポーツ交流を進めていきましょう。8月の日中友好都市中学生卓球交歓大会に際しては西堀会長が中学生卓球選手団を率いて来省されました。河北省は卓球に秀でており国の卓球訓練基地もあり、有名な選手も生まれています。長野県卓球連盟と河北省卓球協会との友好関係も応援していきたいと思います。太極拳発祥の地は邯鄲であり、滄州は武術の故郷、呉橋は雑技の故郷です。これらの分野でも長野と交流出来ればと期待します。皆さんの一路平安をお祈りします。」 西堀団長は、王主任は河北省の外務大臣にあたる方であることを紹介し、歓迎に感謝して次のように述べました。「長野県と河北省は1983年11月に友好県省を締結し、本年は42周年を迎えている。この間サーズやコロナ、水害、政治問題など難しい問題を乗り越えて友好を進めてきた。今後とも手を携えて友好交流を進めていきたい。長野県日中友好協会は明年9月設立70周年を迎える。王主任には是非長野県においでいただきたい。現在、70周年記念事業の成功に向けて準備を進めている。友好協会は民間活動で困難はあるが、県や関係団体の協力を得て、ご提案いただいた交流推進に賛成。2027年には国交正常化55周年記念の卓球交歓大会も計画されている。卓球やスキーのほかマラソン、太極拳、囲碁交流なども進めたい。今後の友好発展は青少年にかかっています。」 王主任は、「明年9月の長野県日中友好協会設立70周年記念行事には、対応していきたい。中学生卓球交歓大会にも合同チームを組んで参加しましょう。マラソン大会についても河北省も秦皇島で開催しているので相互派遣を実現したい。囲碁の親善試合も行いたい」と積極的な対応を約束しました。 鄭軼副主任は歓迎昼食会のあいさつで、「王主任と西堀会長は両省県の42年来の友好交流を振り返りました。今年もいくつもの交流事業を行い成果を収めました。私も3月河北省スキー選手団を率いて長野県を訪問し大変お世話になりました。布施副会長には全日程案内いただきました。感謝します。青少年交流、スポーツ・文化交流について両会長のあいさつにあった通り交流が深まり、今後各分野の交流が発展することを祈っています」と述べました。旅の締めくくりとして、両県省の今後の交流発展を確認しあうことができ有意義な会談でした。 訪中団一行は河北省友好協会の許強秘書長さんたちの見送りを受けて石家庄駅を15:31発G668高速鉄道で北京に向かいました。紀竑さんたちに同行していただき、北京の最後の晩餐会も、互いに友情を確認しあって感想を語り合い、懇談し、忘れがたいものとなりました。 26日は早朝、リムジンで北京首都空港に向かいました。最後まで見送っていただいた、紀竑さん李さんたちと固い握手を交わし長野での再会を約してお別れしました。 搭乗手続きを済ませ、CA133便で羽田へ向け飛び立ちました。思いで深い5日間の友好の旅は無事終了しました。 |
戦後80年・全国日中友好協会創立75周年講演と祝賀のつどい開催(10/7)![]() 長野県日中友好協会・県日中経済交流促進協議会・県日中学術交流委員会は10月7日、戦後80年・日中友好協会創立75周年を記念して講演と祝賀のつどいを長野市内のホテル犀北館で開きました。講演会には、約110名が出席。「現代ビジネス」編集次長で元講談社北京副社長の近藤大介氏を講師に迎え「現代中国事情と日中関係の今後」と題して記念講演が行われました。終了後、先生と西堀正司県日中会長の対談がおこなわれました。中国留学や中国駐在経験を持ち、「現代ビジネス」のコラムニストとして日々最先端の中国事情を追跡、論陣を張っている先生ならではのお話で、直前の自民党総裁選の結果を踏まえての新政権下の日中関係の注目点、中国経済の現状、4期目を目指す習近平体制、トランプ関税と戦う中国外交などをわかりやすい資料を基に解説いただき、今後の日中関係の在り方を考える大変良い機会となりました。第1部の司会を大月良則・県日中友好協会理事長が務め、徳武高久・県商工会議所連合会専務理事の開会あいさつに続いて、西堀正司・県日中友好協会会長が主催者を代表して、「本年、戦後80年・日中友好協会全国本部創立75周年を迎えた。日本は新政権が誕生することになる。日中関係は様々な困難や課題に直面している。激動する世界にあって、日本も、中国も、米国も不確かな状況にある。友好協会は創立時の原点を踏まえ、官民協力して日中不再戦、友好協力を粘り強く進めていきたい。近藤先生を講師に迎え、中国の現状に対する理解を深め、平和で安定した日中関係を築くためにはどうしたらよいかをともに考えたい」とあいさつしました。布施正幸・県日中副会長が講師の近藤先生を紹介し、講演に入りました。 ◇近藤大介先生の講演「現代中国事情と日中関係の今後」 近藤先生は冒頭、長野県が戦前開拓団を送り出し悲惨な逃避行で多くの犠牲を出した歴史を踏まえ中国との関係を大切にし地方民間交流に力をいれ全国の模範的な交流活動を進めてきたことに敬意を表したいと述べ、激動する国際情勢の中で、新政権下の日中関係、中国の経済、政治、外交について興味深いお話をしていただきました。(概略下記参照) 長野県日中友好協会の活躍に敬意を表したい。インバウンドで中国人観光客は国慶節連休で大勢来日している。コロナ明けの海外旅行は日本が一番人気という。10年前は爆買いが注目されたが、今は体験の時代で趣が変わってきている。今や中国はAIなど世界の先端分野で活躍しており、キャッシュレス社会、厳しい競争社会。中国人にとって日本は20世紀が体験できる歴史的文物が残っていて自然も豊かな国であり、心を洗う癒される旅が体験できる国として人気がある。 <新政権下の日中関係> 10月4日の自民党総裁選で高市早苗候補が勝利した。日本の新政権に対して、中国はどう向き合うのか?石破政権の時のように日中関係は健全に進んでいくのか?中国は「靖国参拝首相」が誕生すること、特に最も右派の高市氏を危惧していた。在任中の首相・外相・官房長官の不参拝を確約させようとするだろう。いずれにしても「親台派」の高市政権下では、当面「政冷経冷」となることは避けられない。台湾の頼政権は「熱烈歓迎」している。 丸3年に及んだゼロコロナ政策や「総体国家安全観」(政権保持優先政策)を優先させたことなどで経済が悪化。不動産バブルが崩壊し、地方自治体が疲弊した。政府は「V字回復」に全力を挙げているが、苦戦が続いている。 鄧小平・江沢民・胡錦涛時代の高度成長が鈍化した中で、習近平体制の主な経済政策と影響を受けた層を見ていきたい。①2012年~贅沢禁止令→幹部・富裕層に悪影響、②15年~証券市場引き締め、人民元切り下げ→株主・投資家・輸入業者に影響、③16年~供給側構造改革→大企業、④18年~米中貿易摩擦→貿易業者、不動産引き締め→不動産業者・金融機関・中間層、⑤21年~共同富裕→富裕層・大手IT企業、⑥20~22年ゼロコロナ政策→全国民、⑦23年~総体国家安全観→全国民、⑧25年米中貿易戦争→全国民。 中国主要経済統計(25年10月5日現在)上半期GDPは対前年同期比5.3%、8月の大企業工業増加値+5.2%、1~8月大企業利潤+0.9%、8月の小売総額+3.4%、全国固定投資+0.5%、1~8月貿易総額+2.5%、日中貿易総額+4.2%、8月の全国住民消費価格-0.4%、若年層失業率は14.5~16.9%、7月は17.8%、上半期の外資系企業の投資金額は-15.2%、上海総合指数(株価)は年初の3351から10月5日3882などなど。総じて言えるのはデフレの傾向が強くなっている。 GDPの3割を占めていた中国不動産の関連主要統計を見ると、8月の不動産開発景気指数は93.05と5か月連続の前月比割れ。不動産の回復には程遠い状況。恒大など元トップ3⃣は上場廃止など悲惨な状況。4年で不動産価値23%、金額29%、面積35%に下落した。 2024年9月26日、党中央政治局会議で「3つの新処置」(安定成長・内需拡大・リスク防止)を打ち出す。11月8日、藍佛安財務相「地方債務の解決のための財源として10兆元を緊急財政支出する」。25年2月17日、習近平主席、民営企業座談会開催し、民営企業の合法的な権益をしっかり保護していくと強調。3月5日、全国人民代表大会で李強首相政府活動報告し、今年の主目標GDP成長5%前後、都市部失業者5.5%などとし、今年の任務は消費の押し上げ、内需の全面拡大(買い換え促進)、未来産業育成=AI+行動持続的推進などと強調した。1月にはDeepSeekの成功をアピールした。3月16日には中国政府が「消費振興特別行動計画」を発表。賃金所得の増加促進、消費拡大など30項目。5月20日、民営経済促進法施工。7月・8月には中国版ニューデール政策(①チベットのブラマプトラ川水力発電プロジェクト、②新疆チベット鉄道=和田・シガツェ・ラサ=建設プロジェクト)を発表。 民営企業が不景気で採用をへらしているので学生の公務員志向が強まっている。24年12月1日実施の国家公務員試験には325万人余りが殺到、平均倍率69倍、最高倍率は1万5千倍だった。本年7月には1222万人が大学・大学院を卒業したが、就職は「超超超超氷河期」。トランプ関税の影響で浙江省義烏の卸売市場もSHEIN村も不況に陥り「雪上加霜」(泣き面に蜂)状態。 中国は冷戦終結以降4回の危機を乗り越えてきた。①1992年社会主義体制危機:鄧小平が社会主義市場経済を採用し高度経済成長を開始し天安門事件の後遺症を払拭した。②2001年国有企業危機:WTOに加盟し、2008年の北京オリンピックを獲得したことで、国有企業改革の後遺症を払拭した。③2008年世界金融危機:北京オリンピックを成功させ4兆元(当時のレートで約58兆円)の緊急財政支出でアメリカ発の金融危機(リーマンショック)を克服し、「米中2大国時代」の到来を印象づけた。④2015年株と人民元暴落危機:スマホ決済をはじめとするビックデーターを駆使したIT革命によって株価暴落などの危機を脱した。⑤2025年経済不況と米中貿易戦争危機はDeepSeekなどのAI革命によって5回目の順風は吹くのか?注目される。 <4期目を目指す習近平体制> 2022年10月の第20回中国共産党大会で、異例の3期目に入った習近平総書記。27年秋の21回大会では、超異例の4選を狙う。10月20~23日の「4中全会」で引き締めを図る。もしも27年引退なら後継候補は李強・蔡奇・丁薛祥・陳吉寧・胡春華の5人と目される。 <トランプ関税と戦う中国外交> 2期目の米トランプ政権と、早くも貿易戦争が勃発した。1期目の時に貿易戦争で叩きのめされた中国は、今回は賢くトランプ政権と対峙している。そんな中で8月31日~9月1日、天津での上海協力機構、9月3日北京での「抗日戦争・世界反ファシズム勝利80年軍事パレード」を主催し存在感を見せつけた。 米中新冷戦は2018年から始まった。①第1次貿易戦争(追加関税)18年3月~、②5G戦争(ハーウェイ、スマートフォン、EV)18年4月~、③人権戦争(香港、ウイグル、チベット)19年6月~、④金融戦争(為替、デジタル通貨、証券市場)19年8月~、⑤疫病戦争(COVID19、ワクチン)20年1月~、⑥外交戦争(領事館封鎖、留学生・研究者追放)20年7月~、⑦半導体戦争(半導体規制)22年10月~、⑧AI戦争(チャットGTP対DeepSeek)22年10月~、⑨第2次貿易戦争(追加関税)25年2月~、⑩軍事戦争(台湾、東シナ海、南シナ海)??。 第2次貿易戦争、米中共に「誤算」の中でのチキンレースが繰り広げられている。中国が貿易で「脱アメリカ」化を加速し、世界に輸出攻勢をかけている。貿易戦争での米中双方の武器は、◆アメリカの武器は米証券市場からの中国系企業の放逐、香港ドルのドルベッグ制の終了。◆中国の武器はレアアースの対米禁輸、アメリカ国債の売却、中国国内の米製品不買運動などがある。 第1回交渉5月10~11日ジュネーブ、米中互いの追加関税を115%引き下げ。第2回交渉6月9~10日ロンドン、中国が米国にレアアース供給で合意。第3回交渉7月28~29日ストックホルム米側がさらに90日間制裁猶予を延長。第4回交渉9月14~15日マドリッド、TikTok売却問題で基本合意。トランプ大統領を北京に呼びたい習近平主席、しかし内外問題山積のトランプ政権は中国問題にまで手が回っておらず北京訪問の日程は定まっていない。―――以上、詳細なデーターを元に、お話しいただきました。 講演後、近藤先生と西堀会長との対談が行われました。 西堀会長は、戦後80年(中国からすると抗日戦争勝利80周年)に当たり、中国に多大な損害を与え、日本も広島・長崎の原爆に見舞われた、あの悲惨な戦争の災禍が再び繰り返されないよう、中国と仲良く付き合っていく意義を再度確認したい。中国は長い歴史の視点に立って日中友好のために戦争賠償を放棄してくれた。中国は100年に1度の激変期にあり、今後が注目されている。近藤先生のお話しは大変参考になった。日中近代史を顧みる時、両国は手を携えて平和を求めなければならない。日中友好は最大の安全保障という言葉をかみしめたい、と述べました。 続いて「4中全会」後の展望、環境問題、一帯一路、青少年交流などが取り上げられ興味深い語らいが続きました。 また中国から県内への観光誘客をめぐり、近藤先生は、現地では長野冬季オリンピック開催地・白馬などのスノーリゾートへの憧れがあると述べ、スキー場や日本酒などをPRしながら「ファンを地道に増やすことが大事」と指摘しました。参加者は熱心に耳を傾けました。 平井利博・長野大学理事長が閉会のあいさつを行い、第1部を終了しました。 |