小諸市日中友好協会だより
            
   小諸市日中友好協会
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「竹内好の人と思想」(第19回わがまち佐久・市民講座)を聴講(12/13)2021

                                小諸市日中友好協会 会長 笹本常夫

 12月11日(土)に佐久平交流センターにおいて、第19回わがまち佐久・市民講座が開かれ、講師に評論家・作家である佐高信氏を迎え、「竹内好の人と思想」と題して講演が行われました。竹内好に関心を持っていた私は講演を聴講しました。当日170名を超える受講生が熱心に聞き入りました。

 講師からは、佐久臼田ゆかりの先人である竹内好の人物像や「沈黙」「否定」「絶望」という3つのキーワードから物事をどう捉えていたかの解説がありました。そして、疑うこと、立ち止まることを恐れず、流れに抗う精神を持つことの大切さについてお話しいただきました。また「竹内の思想は現在にも深く関係していて、日米・日中の二次方程式を解くことが出来なければ、80年前のような戦争を起こし、滅んでしまうことになる。竹内好が忘れさられることは日本にとって誠に惜しいことである」と結ばれました。

 講演を聞きながら私なりに書き留めたメモを紹介したいと思います。

 ―竹内好は、魯迅の『故郷』の翻訳者・研究者である。竹内は、佐久の臼田に生まれたが、臼田についてあまり書いていない。中国戦線に兵士として従軍している。国民を兵隊として戦地に行かせたのは、天皇制があったからだと言っている。一木一草にすべて天皇制があるとしていた。反近代の問題としてとらえていた。魯迅は、儒教思想に抵抗した。そうしなければ精神革命は起こらないとした。魯迅は「私は人をだましたい」と言っている。藤沢周平は、「故郷とは辛いところである」と言っている。故郷に受け入れられない時もある。魯迅は儒教を批判し続けた。竹内は、優等生が大嫌いであった。新安保条約の強行採決に抗議し大学教授を辞め「沈黙」した。沈黙の意味は、いつも”それは本物であるか”を問い続けていたからだ。ナショナリズムを深く考察し、それを内側から破ろうとした。「沈黙」と「否定」の両方から切る。常識を破ること。学ぶとはすなわちイメージの変革である。魯迅の生き方の中の「希望」とは「稀なる欲望」であると考える。決して安心させる思想ではない。

 ―最近の中国問題は日中関係、日米関係の問題でもある。我々日本人はいつも、ニクソンショックを忘れてはいけない。現在の状況は、ニクソンショック時に似ている。日本人の知らぬ間に1971年7月キッシンジャーが中国を訪問し、1972年2月にはニクソン大統領が訪中して、中国を正式代表として承認、台湾にかわり中華人民共和国が中国の代表になった。日本政府は置き去りにされた。佐藤内閣が倒れ、1972年9月には田中角栄首相が中国を訪問して日中国交正常化が実現した。来年50周年になる。日本は、アメリカと中国の両方に付き合っていかねばならない。これからの日本の総理大臣は、日米と日中の二次方程式を解く人物でなければならない。最近の総理大臣で、この方程式を解いた人物が見当たらないことは残念である。竹内好の思想は、この方程式を解く鍵である。もし、日本の指導者が日米・日中の二次方程式を解くことが出来なければ、80年前のような戦争を起こし、滅んでしまうことになる。竹内好が忘れさられることは日本にとって誠に惜しいことである。

  会長あいさつ
                     
会長  笹本 常夫
 小諸市日中友好協会のホームページにアクセス頂きありがとうございます。
 今までに、私達は小諸市と協力して、中国訪中団派遣を8回、中国藤村文学賞授賞式を南京大学で6回、小諸市で2回開催し、更に、南京大学の先生と学生・卒業生を小諸市に招待するホームステイ受入れ事業も8回行い、日本人の家庭生活での体験や地域文化の祭りに参加するなど、体験してもらいました。
 「交流から理解が生まれ、理解から信頼が生まれ、信頼から友好が生まれる」と言われています。正に私達が取り組んでいる文化交流は、その実証であると確信しています。
 これからも皆様方のご協力を得ながら、子々孫々に亘る永遠の日中友好関係を確立する活動を続け、恒久的世界平和の実現に邁進して行きたいと思います。
 どうぞよろしくお願い致します。


◇小諸市日中友好協会では「中国語会話教室」を開催しています。受講希望の方はお問い合わせ下さい。

また、来年令和4年6月には第10回南京大学等への訪中を計画中です。
関心をお持ちの方はお問い合わせ下さい。大勢の皆様のご参加をお待ち申し上げます。

◇小諸市は中国・南京大学と文豪・島崎藤村の文学を通じて貴重な交流をしています。
昭和62年(1987)第1回中国藤村文学賞授賞式より数え令和元年(2019)第9回の授賞式が南京大学で開催されました。
(写真)小泉市長と南京大学王副学長の調印式


◇小諸市日中友好協会では理解ある会員を募っています。
関心をお持ちの方は電話かメールにてお問い合わせください。
(TEL)08046630024 (E-mail)hiro@ctknet.ne.jp  (事務局長 大西崇弘
 コロナ禍で感じた南京との友情(8/1)  2020

 中国武漢での新型コロナ感染症の発生と感染拡大に続いて世界各地への感染拡大が報道されています。それらを聞くにつけ、各国の指導者の姿勢、国民性、国情等が窺い知れます。

 今回、まず心配した事は、友好関係を持つ南京市の状況でした。早速、佐々木治夫顧問よりネットを通じて、南京大学卒業生、劉雅君さん(7年前に来日、佐々木宅にホームステイをした方。第6・7回藤村文学賞翻訳賞受賞者)及び南京大学日本語学科葉琳教授へ激励とお見舞いを申し上げ、そして友好協会より南京大学学長呂建先生へお見舞い状を申し上げましたところ、早速呂学長よりご丁寧な返書、『日本加油』の激励と日中協力して共々に頑張って行きましょうとの激励を戴きました。

 今回のコロナ禍に対し友好の絆の証として、1月には、日本から中国へ、2月は中国から日本へと、お互いが心を込めて、見舞金やマスクの贈呈がありました。南京大学との交流を通じて、互いに困難な状況下であればあるほど、長年築かれた信頼の絆の強さが現れ、より一層、共感と協力・助け合いの気持ちを生じさせることを実感しました。

(小諸市日中友好協会会長 笹本常夫)
 

 南京で中国藤村文学賞の受賞式(6/23〜26)2019

 3年振りに小泉俊博小諸市長を団長として、15名で6月23日から26日、中国を訪問しました。今回の主な目的は、1998年に小諸市と南京大学との間で締結された「小諸市中国藤村文学賞契約書」を21年振りに改正してその調印式と第9回中国藤村文学賞受賞式を南京大学で行う事でした。

 6月24日、南京大学では、王振林副学長を先頭に、国際合作交流処と外国語学院日本語学科の学生の皆さんの盛大な出迎えを頂きました。盛大且厳粛の中で式典を終了することが出来ました。続いての授賞祝賀会も和やかな雰囲気で交流し友好を深めることができました。30年間の藤村文学交流の成果であり、「継続は力なり」を感じさせる貴重な経験をしました。江蘇省人民対外友好協会主催で、柏蘇寧会長をはじめ多数の協会幹部の先生方が出席して、心のこもった盛大な歓迎晩餐会を開催して頂きました。

4日間で、上海、蘇州、南京という狭い範囲の中国訪問ではありましたが、中国の変貌ぶりに、目を見張る思いでした。交流を重ねる中で、お互いの文化、芸術を尊重し、理解し、信頼して認め合う中で友好関係を続けて行くことが大切であり、特に、これからの若者達にとっては、絶対に必要であろうと思いました。
(小諸市日中友好協会 会長 笹本常夫)
 


南京大学から6人迎え、小諸で中国藤村文学賞授賞式(7/13)
2013

 小諸市と小諸市日中友好協会(佐々木治夫会長)は7月12日、「第7回小諸市中国藤村文学賞」の授賞式を小諸市内で開きました。島崎藤村作品の中国語訳や感想文を寄せて入賞した中国の南京大学の学生12人のうち6人が来日出席し、賞状を受け取りました。

 同賞は南京大学の学生を対象に3年に1回実施。今回は中国語訳の「翻訳賞」に計63作品の応募があり、同大教員らが審査しました。授賞式は中国で行う予定でしたが、今年に入り中国で鳥インフルエンザが広がったため、小諸市での開催に変更となったものです。

 藤村が松尾芭蕉についての想いをつづった『芭蕉』を訳して翻訳賞の1位となった同大大学院1年の李雨萍さんは「翻訳家を目指している。授賞は大きな励みです」とあいさつ。『千曲川のスケッチ』の感想文で愛読賞を受けた大学院2年の杜威凡さんは「小諸では千曲川など原作の風景を見られます」と来日を喜んでいました。

  創立15周年を記念して、
    記念講演と中国琵琶のつどい

 小諸市日中友好協会は11月23日、小諸市民会館において、小諸市日中友好協会創立15周年と日中平和友好条約25周年の記念事業を120名の参加の下に盛大に開催しました。
 まず、記念講演として井出正一県日中友好協会会長が「私と小諸、私と中国、日本と中国」という演題で、御自身の生い立ちから始まり、また地方都市小諸の独自性を発揮しての今後のあり方を強調されました。その後、友好協会が進めている南京大学との文化交流・中国藤村文学賞の今後の進むべき方向などの提言をされました。最後に、現在の日中関係の状況と中国が抱えている諸問題を5項目に要約して述べられました。そして今後「本当の日中共生関係の樹立」に向けて果すべき民間交流の重要性について強調され講演を終えました。
 続いて、蒋亭女史による中国琵琶の演奏と歌唱がおこなわれました。参加者のほとんどが初めてきく中国琵琶の演奏であり、蒋さんの素敵な容姿とあいまっての絶妙な音色と歌声に、時の経つのも忘れて聞き惚れるほどの楽しい集いとなりました。

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