野中広務氏を迎えて講演と祝賀のつどい開催
長野県日中友好協会、県日中学術交流委員会、県日中経済交流促進協議会の共催により１１月７日、長野市内のホテル犀北館
で「中華人民共和国５５周年と日中航空協定締結３０周年記念・講演と祝賀のつどい」が開催されました。講師に（社）日中友好協会名誉顧問の野中広務氏を招き「私と中国・日中関係の課題」と題して特別講演が行われました。当日は県下各地から１８０名が参加しました。はじめに、主催者を代表して井出正一県協会会長が、「日中関係は『政冷経熱』といわれるような残念な状態にあるが､国民同士の交流・心のふれあいを大切にして信頼と友好を深めていきたい。中国要人とも深い交わりを築いてきた野中先生のお話をお聞きしながら､日中関係の課題を共に考えたい」とあいさつしました。
野中氏は、靖国問題や旧日本軍による中国国内の遺棄毒ｶﾞｽ弾の処理問題、サッカーのアジア・カップで中国人観客が反日感情をあらわにした問題などにふれながら、｢２０世紀に起きた問題は２０世紀に解決しておきたいと考えたが、重い課題が沢山残っている。日中戦争当時の傷跡を修復しながら中国はじめｱｼﾞｱの皆さんとの連帯を考えていかなければ日本の未来はない」と指摘。「日本はアメリカ一辺倒でなく、中国や朝鮮半島などと信頼関係や強いきずなを持つ努力をしなければいけない。互いに言うべき事を言いながら友好信頼関係を築くべきではないか」と語りました。野中氏の人としての信義を重んじ国としての信義を重んじる情熱的な講演は参加者に深い感銘を与えました。(特別講演 野中広務先生「私と中国・日中関係の課題」はここ)
講演後、野中氏を囲んで上条宏之・県短大学長や相沢孝夫・相沢病院院長、寺沢秀文・前日中全国青年委員長をパネラーに、西堀正司県日中理事長をコーディネーターに日中関係の展望についてパネルディスカッションが行われました。日中戦争の事実を若い世代に伝え、同時に戦後の平和主義の日本を中国の人々に理解してもらう努力が必要なこと、互いに率直に意見を交換し違いを認識して理解しあうこと、若い世代の育成に力を入れ両国の信頼関係を築いていくことの重要性などが指摘されました。
（写真）上：講演する野中広務氏、左下：パネルディスカッション、右下：祝賀パーティー
長野県日中友好協会
会 長 井出 正一
中華人民共和国建国５５周年を迎え、改革開放をひた走る中国は国際社会との政治経済の結びつきを強め、特に我が国とは切り離し得ない深いつながりを有しています。
日中関係は経済と人事交流の分野では、大きな発展を遂げ、今や、往復の貿易額１３３５億ドル、人的往来３５０万人、日本から中国への進出企業２万７千件、県内企業も２百５十件余りに及んでいます。一方で歴史認識問題などがあり、政治的にはギクシャクした状態が続いています。小泉総理と胡錦涛国家主席の相互訪問は、靖国参拝問題の影響で３年にわたって実現していません。これは極めて異常な状態といわねばなりません。
経済の相互補完関係を踏まえ、アジアと世界の平和を考える時、２１世紀の日本は、ただアメリカの後について行けば良い言うことでは許されない環境におかれています。中国や韓国をはじめとしたアジア諸国との互恵・信頼の関係を深めて行く努力が一層必要となっています。歴史の教訓に学び、未来志向の日中関係を構築していくことはまさに私達の目の前におかれている大きな課題です。相互不信を払拭し、若い世代の友好を深めていけるかどうか、今非常に大切な時を迎えております。
新中国建国５５周年・日中航空協定締結３０周年に当たり、県日中友好協会･県日中学術交流委員会・県日中経済交流促進協議会の共催で、「講演と祝賀のつどい」を開催します。日中関係の現状と課題について、理解を深めていきたいと存じます。長らく政権の中枢にあって中国の第４世代の指導者とも深い交わりを持って日中関係発展に貢献されてきた野中広務先生を講師に迎え「私と中国・日中関係の課題」と題し特別講演とパネルディスカッションをおこない、日中関係の現状と課題について、理解を深めていきたいと存じます。有意義なものとなりますよう皆様のご協力をお願い申し上げます。
＜次 第＞
第１部 記念講演とパネルディスカッション
１．開 会 内藤武男 県日中経済交流促進協議会会長
２．主催者あいさつ 井出正一 県日中友好協会会長
３．特別講演
演題「私と中国・日中関係の課題」
講師 野中広務先生＜（社）日中友好協会名誉顧問＞ ＊
４．パネルディスカッション
＜コーディネーター＞
西堀正司 県日中友好協会理事長・県日中経済交流促進協議会常務理事
＜パネラー＞
上条宏之 県日中学術交流委員会副会長・県短期大学学長
相沢孝夫 県日中友好協会副会長・松本日中友好協会会長・相沢病院院長
寺沢秀文 前日中友好協会全国青年委員長
５．閉 会 牛越 充 県日中学術交流委員会副会長・信濃教育会会長
第２部 祝賀パーティー
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