川原湯温泉・やまきぼし旅館
(かわらゆおんせん・やまきぼしりょかん)
将来ダムに沈む情緒ある温泉
旅館正面川原湯温泉の名は、嵐山光三郎氏の著書で知った。緑あふれる群馬県・吾妻渓谷沿いの崖の上に、旅館十数軒、共同浴場3軒が、肩を寄せ合って建っている。

最近は「ダムに沈む温泉」としても有名。近い将来、首都圏の水ガメとなる八ツ場ダムが完成すれば、川原湯温泉全体がダム湖の水面下に沈んでしまう。

約半世紀に渡って反対運動が繰り広げられたダムの建設だが、道路や鉄道など周辺工事が進み、温泉に入れるのもあと数年らしいので、夏休みシーズン前に訪問した。
嵐山先生命名「崖湯」今宵の宿は、やまきぼし旅館。早速温泉へ。露天風呂は、吾妻渓谷を3キロ先まで見渡せる崖の上にあり、嵐山光三郎氏が絶賛し、「崖湯」と命名したものだ。

お湯は透明で、硫黄の香りが強く湯の華も多い。熱めの源泉が注がれ、先客がいなければそのままでは入れない。自分で水を入れて調整するが、掛け流しで、湯舟に浸かると、ザザーとお湯があふれ、崖の下に流れていくのが気持ちよい。

川原湯温泉には共同浴場もあるが、筆者の印象では、この旅館のお湯が、最もフレッシュのような気がして気に入った。
夕食メニュー夕食には、洋食メニューが1品以上つくのが特徴で、この日はビーフシチューとシーフードグラタンだった。ありきたりの旅館の食事と違い、楽しみがあってよいと思う。

夕方、夕食後、早朝と、滞在中三度温泉街を散歩した。ダムに沈むことが分かっており、新しい建物が増えなかったせいか、鄙びた雰囲気が漂う。

お湯もよし、雰囲気もよし、心から安らげる温泉だった。でも思い出にしか残らない温泉。将来ダムに沈んでも忘れないように、温泉街の景色を目に焼き付けた。
Data
 【所在地】 群馬県吾妻郡長野原町川原湯
 【営業時間】 外来入浴なし
 【定休日】  −
 【料 金】 1泊2食10,000円〜
 【駐車場】 50台・無料
 【源泉名】 川原湯温泉源泉
 【泉 質】 含硫黄-塩化物・硫酸塩泉(中性低張性高温泉),pH不明
 【泉 温】 71.6℃(気温25.5℃)
 【湧出量】 不明
 【掛け流し】 ○
 【飲 泉】 可
 【設 備】 内湯男女各1,露天風呂混浴1(内側から鍵がかけられ家族風呂にすることが可能)
 【備 品】 洗面器,シャンプー,ボディソープ
 【最新入浴日】 2004年7月


 【泉 質】 S
 【設 備】 A
 【情 緒】 A
 【総 合】 A

 【付近の温泉】
   観光客の利用が多い共同浴場 「川原湯温泉・王湯」
   風情ある静かな共同浴場 「川原湯温泉・笹湯」




  


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