オリジナルホラーTRPG原案
「彼方より来たりしもの」Ver0.71

2006/06/04〜 age虫

2006/06/05 Ver0.2
 主に攻撃に関しての記述を修正/加筆。武器のパラメータ、判定方法など少し明確化。
2006/06/05 Ver0.3
 成長に関するルールを追加。
2006/06/10 Ver0.5
 2回目以降の対抗ロールについて表現を修正。
 技能に関するルールを新設。
2006/06/10 Ver0.6
射撃武器関連のルールを追加。
2006/06/16 Ver0.61
 キャラクターメイキングを少し修正。
 成長における能力値の上昇、技能の経験点について加筆&修正。
 恐怖ロールに関して1ゾロ停止とゾロ目減算を追加。
 ”気絶”の目標値を安直に15へ修正>20へ戻すw。そこがスリル、らしい・・・
2006/06/19 Ver0.7
 恐怖ロール、心理的ダメージの、理性値の説明を拡張。理想値/最大値/現在値、”魔力”を新設。
2007/05/05 Ver0.7+
 「プロットメーカー」「モンスタージェネレーター」追加
2016/06/05 Ver0.71
 「利用規約」追加

まずは一読「テーブルトークRPGの遊び方」
物語が思い付かない人に「安直プロットジェネレーター」
モンスターとか考えてみる「安直モンスタージェネレーター」


■利用規約
・基本的には「TRPGのベースシステム」として設計したモノなので、もし”これ”を利用して違うTRPGのルールなどを創りたい、場合は、ほぼ無許可で利用して貰って構いません、が。一応は利用している旨と、「森宮照の気ままにあっぷでーと」”ここ”へのリンクを記載する様にはして下さい。
 ※もちろん今、製作の際には「ストリード」を張る、或いは連携する、などの手順を取る事はお勧めします。

■前提
・「2D6」とは、6面体サイコロを二回振った、その数値の合計の事である。1D6は6面サイコロ1回の出目。
・このゲームはホラーRPGであるので、ゲームは基本的に「きゃー!!」とか「うわー!!」とか「ひぃぃ!!」とか、キャラクタがその様な悲鳴を上げる情景が主に出てくるシナリオをプレイする事を目的としている。
・なので、プレイヤーキャラクタには、あまり「強い」とか「強くなる」とかそう言うイメージは無い。
・まだ武器データなどは作っていないので、技量のある人がシナリオやデータを自作すれば遊べるかもしれないが、基本的には”まだ遊べるとは言い難い”。
・作者の、制作への熱意はそれなりに高まってきたが、テストプレイヤーは居ない(・・・)。


■キャラクターメイキング方法(ラフ)
 1.基本能力値を決定
 2.10の数値を”技能”に割り振って決定
   ※この際に、技能の内容を大ざっぱでいいのでマスターと協議の上で設定しておく。
   >技能決定後、技能数値が関連する能力値よりも高い場合は、能力値をその数値まで上昇させる。
    例:知性4だが、観察に6を入れる>知性も6に上昇。
 3.変動能力値を決定
 4.攻撃関連数値を決定
 5.その他

 基本数値 全て2D6 平均値7
  筋力  力の強さ。重い石を持ち上げられるかどうか。
  器用さ 道具を上手に使えるかどうか。
  俊敏さ 足は速いかどうか。
  知性  賢いかどうか。情報を理解する能力は高いか?
  忍耐  我慢強いかどうか。
  体格  体の大きさ。
  >この中で”知性”は知的判断の他、五感の処理など”身体の情報処理関連”でも適用する。

 変動数値 平均値14
  体力 体格+忍耐 
  理性 知性+忍耐 
  
 攻撃関連数値 平均値14
  身体攻撃 器用さ+俊敏さ
   基本ダメージ 筋力/2(切り上げ)
  射撃攻撃 器用さ+知性
   回避基本値 俊敏さと知性のどちらか高い方。平均7

 技能(マスターが許可した物を任意に。プレイヤーが必要な物を決めて良い)
  観察
  探索
  その他


■行為ロール
・要素+2D6で、目標値を上回れば成功。何か特殊技能が有るなら加えて良い。
・マスターはまず目標値を紙に書いて、それを見せない様にプレイヤーの前に出す。
・その後に判定ロールを求める。振ってサイコロだけで出た数値が7以上で有れば「私見では成功」。
・それ以下は「不明」。相手が数値を出してから、”成功”の場合だけその紙を裏返す。
・数値が上回っていたら「本当に成功」。成功した結果をマスターはプレイヤーに告げる。
・2D6の際ゾロ目が出たら出続ける限り、もう一回振った値を加える事が出来る。ただし1のゾロ目は別。


■対抗ロール
・攻撃する等、キャラクタに対して行為ロールを行う場合は、対抗ロールを行う。相手の対抗するパラメーター+10を目標値にして行為ロール。上回れば成功。その上回った数値によって強弱が決まる。行為ロールと同じく、ゾロ目が出たら加算する。


■恐怖ロール
・この世成らざるものに出会った、信じられない魔術を行った、などした場合。
・「理性」値を目標値に設定し、マスターから提示される「ストレス」数値を用いて判定ロールを行う。幽霊を目撃した事のストレスが3で有れば、2D6+3。それが、理性値を上回ったら”恐怖指数”に+1。同値か、下回る数値が出るまで繰り返し(この時、1のゾロ目が出たら自動的に”数値は下回った”事になり、恐怖指数への加算はそこで止まる)、最後に出た恐怖指数を理性値から引く。
※この際、1ゾロ以外のゾロ目が出た場合はもう一度2D6し、出目を減算出来る。
例:
 理性値 13 幽霊の声を聞いた、ストレス6
 2D6+6の結果>14、16、16、10>理性値13を3回上回った>恐怖指数3
それを、理性値から引く。
・数値によって狂気度が変化。1、2は強い恐怖を感じた、3以上は一時的な狂気。恐怖指数ラウンド分(指数が3なら、約30秒)はマスターがそのキャラの行動を決める。6以上は永続的な狂気で理性値の最大値が−1される。以後3ポイント単位で追加で−1(例えば12ポイント一気に減ると、最大値は−3される)。狂気中は同じくマスターがその行動を決める。
・理性値には、「現在値/最大値/理想値」の3つが有る。理想値は能力値の計算から導かれる最大数値、最大値は現在の上限、現在値は、現在の理性値。6以上の理性値喪失で1ポイント下がるのは”最大値”。この時、理想値との差が、「狂気耐性」になり、それと同値か以下のストレスを提示された場合、チェックの必要が無くなる。
例:
 理性値の理想値が20、最大値が16、現在値が10のキャラクタが、ストレス4の事例に出会った。しかし「狂気耐性」は20−16=4なので、彼はその事象を見ても、理性値の喪失はない。
・理性値の最大値が0以下になった場合、そのキャラの理性値は”魔力”と変わって、理想値まで魔力として回復し、最大値は消えて、以後はプレイヤーキャラクターとしては使えなくなる(覚醒。”人間では無くなってしまった”ので)。理性値の最大値が下がると発狂し易くなり使用できる魔力の最大値も減るが、それは人が人で居るためのリミッターであり、しかし魔術師に言わせれば”試練”として認識されているモノ。
>ここだけ通常の行為判定ロールと違う訳だが。むしろ強調されるから良いか?

■魔力の使用
・キャラクタは基本的に”魔力”というパラメーターは持たないが、例えば何かの碑文書にあった魔術を行う等する場合、「魔力」の消費を求められる場合がある。その場合には、まず消費する”魔力”をストレス値として恐怖ロールを行い、通常通りに恐怖指数の処理と理性値の減少を行い、その後、更に”魔力”分を理性値から引く(この消費では発狂等のペナルティは起こらない)。この際に狂気耐性が有るなら恐怖ロールは行わなくて良い。
例:
 理性値の上限16、理想18のキャラが、治癒の魔力を試みた。消費魔力は3なので恐怖ロールの必要。ロールの結果恐怖指数は0だったので理性値の消費はなく、その後に魔力分の理性値を消費した。体力はかなり回復したが、理性値は現在13、上限16、理想18になった。


■武器
・武器は基本的に、身体武器(棍棒とか)は「身体攻撃値修正」と「追加ダメージ」と「重量」、射撃武器は「射撃攻撃値修正」と「基本ダメージ」と「重量」と「必要筋力」をパラメータとして持つ。身体武器を使用しない場合は、基本ダメージのみ適用。筋力を上回る重量の武器を持とうとした場合、上回っている分を更に攻撃値から引く。また、筋力の倍を超える重量の武器は持てない。それは射撃武器の場合も同じで、更に射撃武器の場合、使用者の筋力が「必要筋力」を下回っていたら、”その武器は使う事が出来ない”。
例1:
 身体武器として、2mは有る大きな剣を持つ>大剣:追加ダメージ+15、身体攻撃値−3、重量10。
 コレを筋力6、身体攻撃値13の者が使うと、ダメージは基本3+武器15で18だが、身体攻撃値への重量のペナルティで−4、更に武器本来の攻撃値修正−3で、身体攻撃値は結局13−7で、6まで下がってしまう。更にこの武器は、筋力が4の者が持とうとしても4*2で8、重量10未満なので”持てない”。
例2:
 射撃武器として、大弓を使う>大弓:基本ダメージ15、射撃攻撃値−4、重量3、必要筋力8。
 コレを筋力8、射撃攻撃値10の者が使うと、ダメージは武器15で15、重量ペナルティは無し、攻撃値修正−4で、射撃攻撃値は結局13−4で、9と言う事になる。更にこの武器は筋力4の者でも持てるが、必要筋力には足りないので”使う事は出来ない”。


■攻撃
・身体攻撃:相手に身体による攻撃を試みる場合は、身体攻撃値を要素として使用し、目標の身体攻撃値に対して対抗ロールを試みる。上回った分がダメージになる。ただし、「ダメージ」の上限までで、それ以上は無視される。武器を使用する場合、その武器の攻撃値修正をそこに加算する(マイナスの場合は引く)。更に筋力が重量を下回っていたら、その分を更に引く。
・通常の身体攻撃では、基本ダメージのみを使用するが、何か武器を使用する場合は、そこに武器の追加ダメージを加算した値がその上限になる。状況によりマスターは、対抗ロールの基本数値を増減させて良い(不意打ちの場合は+5で、等)。
例:
 身体攻撃値16、基本ダメージ4のキャラが、棍棒(追加ダメージ+3、攻撃値修正+1、重量2)で、身体攻撃値14の相手に対して攻撃>サイコロの出目が2、6で8、攻撃値16+サイコロ8+武器の修正1で25。対抗ロールの結果は、結果25−(基本加算値10+相手の攻撃値14)=1で、相手には1ポイントのダメージが与えられる。この時、例えば出目が5、5(ゾロ目ルール適用、追加で2D6)+4、2で、16+16+1で33、33−24=9ポイントが相手へのダメージ!としても、基本ダメージ4に棍棒の追加ダメージ3で”上限は7”なので、相手には7ポイントのダメージが与えられる。

・射撃攻撃:目標に射撃による攻撃を試みる場合は、射撃攻撃値を要素として使用し、30−目標の体格値を引いた値を目標値とする。この際、相手がその行動を回避する意志が有った場合は「変形の対抗ロール」に成るので、そこに相手の知性か俊敏さの”どちらか高い方”を加える(回避基本値)。ダメージの上限は使用する武器のそれのみが適用される。ただし、回避基本値は同一ラウンド中に1回しか使用出来ず、もう一回使用するためには理性を一ポイント消費し、1/2(切り上げ)にして適用する。三回目なら”さらにその半分”になる。
例:
 体格10、回避基本値6(知性)の相手に対して、射撃攻撃値14の者が、投げナイフ(基本ダメージ6、攻撃値修正−2)を投げる。対抗基本値30−体格10で、対抗ロールの目標値は20。出目が4、6で10。射撃基本値14+出目10−攻撃値修正2で22。2ポイント上回ったので、相手には2ポイントのダメージと言う事になる。この時、相手に避ける意志が有った場合、対抗ロールの目標値は+6(知性)されて26となり、当たらない。その同一ラウンド中に別の何かからもう一度同じ攻撃をされた場合、避けようとするなら理性を1ポイント減らして、更に基本回避値を3に、つまり対抗ロールの目標値は23として判定する。

・また、「良く狙う」事で、命中精度を上げる事が出来る。1ラウンドを照準作業に費やす事で+5の修正。ただし、1ラウンド以上の照準行為をしてもそれ以上の修正は無い。
・使用する射撃武器毎に、設定されているなら目標までの距離によって攻撃値には修正がされる。
例2:
 スナイパーライフル(基本ダメージ20、攻撃値修正+8、射程距離100m、以後10m毎に−1、最大射程500m)を持った、射撃攻撃値16、ライフル射撃技能+2の者が、200m先の体格10の目標を狙う。30−10で目標値は20。1ラウンドを照準作業に費やす+5。基本修正+8、技能修正+2、ターゲットまでの距離修正にて−10。16+5+8+2−10、2D6の結果は4、6。21+10=31。目標に命中し、11ポイントのダメージ。


■装甲
・キャラクタが装着している物を、「装甲」として適用していい。
・着ている物には装甲値が有って、その分ダメージを減算できる。
 ※ただし、何らかのペナルティを設定されていたらそれは適用する。
・装甲値は「材質の厚さ/堅さ」と、「防御範囲」から推測。
例:
 金属製のヘルメットは硬いが防御範囲が狭いので、装甲値は2として判定する。防弾チョッキならば装甲値5、ただし重量があり動きにくいので、俊敏さに−1等。


■身体的ダメージ
・「ダメージ」として提示された数値を、「体力」から引く。0に成ったら死亡。
・この時、「何らかの装甲を着ている」場合は、その装甲値分だけダメージを減らして良い。
例:
 厚手の革のコート 装甲値1。4ポイントのダメージを受けた時、ダメージは3に減算。
・体格よりも体力の数値が下回った場合、その人はそれ以上動けなくなる(体が大きい方が(重量が有るから)ダメージの影響を受けやすい、と言う事で)。
・「それでも動きたい」場合、1ラウンド(10秒)行動する為には理性を1ポイント消費しなければならない。”連続して”それが可能なのは、”忍耐”回数まで(忍耐の数値が6なら、6ポイントの理性を消費して1分動ける)。この間、1ラウンド毎に休みながらで有れば、理性値が0に成るまでそれが行える。

・ゲームでの体力の減少は”傷によるもの”なので、睡眠をとっても直ぐには回復しない。基本的には”完璧な治療を受けられたとして”一日に3ポイントの上昇が上限とする。治療をしないままじっとしている事で一週間に1ポイント、応急手当の用具があり、器用さで目標値(30−体力)で行為ロールを行い成功した場合、+1ポイント回復(傷が浅いなら少し治せる)。成功したら、それ以上の応急手当は無意味。


■心理的ダメージ
 「恐怖指数」として提示された数値を、「理性」から引く。0に成ったら発狂。そうなったプレイヤーキャラは、一時的にマスターに預ける。
・知性よりも数値が下がった場合、気絶の可能性が出る。目標値を20に設定して「理性ロール」を行い、成功すれば気絶は免れるが、失敗したら起こさない限り、1D6分間その場で気絶する(知性が高い方が、押し寄せる理解しきれない恐怖に対して弱い)。ただし、気絶時に体力の減少が有れば、1ポイントに付き30分気絶時間が追加される(6ポイント減少していたら、3時間は起きない)。
・この時、プレイヤーが「更に1ポイント消費」を宣言する事で、気絶は免れる。

・心理的ダメージ(理性の減算された分)の回復は、3時間以上の睡眠を取れば、その段階で1D6ポイントは自動的に回復する(なので、気絶してそのまま3時間眠った場合、起きた時には1D6ポイント理性が回復する)。ただし、眠らない限りは如何なる方法を持っても回復はしない。この時、その恐怖体験を日記などに書き記してから眠る事で、眠りから覚めた場合に更に1ポイントの理性が回復する(発散行動)。
 理性値の上限が下がった場合、それは”心理的ダメージが0の状態(理性値に何のマイナスもない状態)のままで”、約一ヶ月を経過する事で1ポイントは回復する。精神病院などに通院してもそこは変わらない(つまり、精神科医は狂気の回復に関しては適切な処方を伝える事こそ出来ても、急激に回復させる事は出来ない)。


■行動
・各キャラは、基本的に1ラウンドに1回何らかの任意的行動ロール(行為/対抗/攻撃)が行える。
・2度以上行いたい場合、理性を1ポイント消費し、更に基礎数値を1/2(切り上げ)にして行う。
例1:
 探索値15で、探索を試みる。目標値30。1回目の出目が6、合計15+6=21で失敗。理性を1ポイント消費し、再び「同一ラウンド内で」最チャレンジ。出目は10。(15/2=8(切り上げ))+10で18。再び失敗。キャラクタは周囲を”必死に”捜したが、そのラウンドでは見つからなかった。
例2:
 相手に攻撃してから、直ぐに相手の様子を探る>最初の攻撃ロールでは、身体攻撃値はそのまま、次の「探る」行為では、理性を1ポイント消費し、その後”知性”と関連技能(観察とか)の合計を1/2(切り上げ)にした数値で行為ロールを行う。

・戦闘など、展開が早く同時に行われる場合は、俊敏さの早い順に(プレイヤーキャラを優先)決定。
・同時攻撃されたなど(触手が二本とか)、対抗ロールが二回続く場合、目標値の数値は何回行われてもそれは”通常通りの数値として”処理する。
例:
 身体攻撃値14のキャラが、触手を四本持つ怪物から同時に攻撃された場合、その四回とも、目標値は10+14で、24として処理する。

・技能は、1ラウンド中に二回使用する事は出来ない。どうしても使用したい場合は理性を1ポイント消費して、半分(切り上げ)にして行う。
例:
 回避(回避に限り攻撃値に加算できる他)として4点持っている者が、同一ラウンド中に二回攻撃された。最初は攻撃値に+4を修正できるが、次の攻撃には半分になり、+2として修正する。


■成長
技能:技能は、ゾロ目加算が出た場合に限り、1点の”経験値”を得る。またまだ持っていない技能、それを新規で行った場合は、”成功した場合に限り”1点の技能点を得る。経験値が現在の技能点を上回ったら、技能点を+1して、その技能点を経験点から引く。
例1:
 まだ持っていない「コンピュータ操作」をキャラが試みた。知性10で行為ロール、目標値は15。出目が3、5で合計18、成功。キャラクタは新規に「コンピューター操作」と言う技能を得て、そこに1点付いた。今後コンピューター操作を行う場合、このキャラは+1の修正を得る。
例2:
 既に持っている「コンピューター操作3 経験値3」を行った。知性10で行為ロール。目標値は20。出目が4、4で、ゾロ目加算が発生(ここでコンピューター操作の経験値として1点が加わる)。更に2、4で、トータルで知性10+技能点3+1回目の出目8+2回目の出目6で、計27、目標値を上回ったので成功。ゾロ目加算が出た事で、ちょっとコツを掴んだ事になり、経験値が4に上昇。技能点3を上回ったので、技能点が+1され4に、経験値は−4されて0に戻る。

・既にある技能を上昇させる為には、独学なら1ヶ月の訓練で「経験値として」1D6点を加算。良い先生に指導して貰えば、その先生のレベルによって1D6点の経験値を得る為に費やす日数は変動する。目安としては(30−先生の知性−先生の技能)日数。例:知性7、技能6の先生に教われば、17日で1D6点の経験値上昇のチャンスが来る(あくまで目安)。

・本を読んで技能を向上させる場合は、基本40からその本の”著者”の知性を引き、本の技能レベルを加え(高い技能について説明するほど難解になるので)、更に修得を試みる者の知性をそこから引く。例:著者の知性が12、本の技能レベル4で知性6の者が修得を試みる場合、40−12+4−6で、26日後に1D6ポイントの経験値獲得のチャンスがある。

※ちなみに先生に教わる場合も本を読む場合も、技能点は「その先生か本の技能レベル以上には成らない」。それ以後は全て独学と言う事になる。また、得た経験点で技能が向上した場合「余り」が出る場合があるが、その余りは次に持ち越して良い。例:1ヶ月費やして、持っていない”簿記”の訓練をした。1D6経験点で、4点。経験点を1点消費して技能が1上がり、経験点は−1されて2に。それでまた上昇するので、技能点は2に、経験点は−2されて1になる。


能力値:基本能力値の上限は基本的には上昇させる事は出来ない。ただし、その能力値に主に関係する技能値の中で”最も低い数値”が、自身の能力値を上回った場合に1ポイント上昇する。
例:器用さ4の者が、「裁縫」の技能を5に上げて、その時関連する技能をそれしか持っていないなら、その段階で器用さは5に上昇する。
>器用貧乏よりも一芸に秀でている者の方が得(笑)。
能力値が上昇したら、関連する変動能力値他の上限も上昇する。その際は、現在値も上昇分だけ自動的に回復する。
例:知性8、忍耐7、理性値15(現在値10)の者が、”破損修復(忍耐)”の技能を8に上昇させた。理性値の上限はその段階で16になり、現在値も11になる。



【第一章:テーブルトークRPGの遊び方】

■準備
貴方は、「じゃあ自分マスター」とまず宣言し、数人の知人を部屋に連れてくる。
「RPGって勝ち負けのゲームじゃないからね?場が楽しいかどうかだからね?」
と、まず集まった全員に同意を取り、可能で有れば署名捺印を求める(・・・)。
>この時にうっかり調子に乗って集めた署名と捺印は他の事には使用しない様に。
「と言う事はマスター(貴方)は、”我々(プレイヤー)が楽しめるシナリオ、
それを用意する必要が有るね?」と、PCの誰かからあえて確認をして貰う。
そこに貴方(マスター)は、当然、出来れば自身を持って「もちろん」と答える。
最後に「だが、楽しめるかどうかは君達の能動的な意志と協力による」と告げる。
プレイヤー達から「当然、そのつもりだ」の一言を貰う。
準備終了。

■本題
 テーブルトークロールプレイングゲーム(以下、TRPGと略)というのは、参加者(プレイヤー)が、進行役(マスター)のプロデュースするその未知なる物語の主人公となって、数々の困難を乗り越えてエンディングを迎える、その過程と結果を楽しむと言うゲーム?です。その中で「マスター」という役は、用意したシナリオにそってゲームの進行を行い、プレイが終わった後でプレイヤー達の「ああ、楽しかった」と言う一言を喜ぶ、そう言う役目と立場です。ですのでプレイヤーと喧嘩するのは以ての外ですし、ましてやプレイヤーを罠にはめてあざけるとか、数多のモンスターに殺戮させ食い殺して悦楽にひたるとか、それは邪道と言うより犯罪に等しい事ですので、マスターは絶対にそう言う行為はしない、そのつもりで居るべきです。もちろんそう言う残虐行為が楽しみに通じる場合もままありますが、マスターが面白くてしょうがなくてもプレイヤーが楽しんでいないのならそれは人の喜びではなく獣のそれですので。その辺は十分考慮した上で、貴方が演出する物語において右往左往するプレイヤー達の狂態、もとい勇姿を楽しみましょう。

◇ゲーム開始前に、マスターがやる事
<理解>
 まず「マスター」は、ルールをざっとで良いのですが理解しておく必要があります。
 この「彼方より来たりしモノ」には、大ざっぱに下記の要素が有ります。

 1.キャラクターの能力
  プレイヤーが操るキャラクタには、どんなパラメーターがあり、何に使うか?
 2.行為ロール
  キャラクタが何かの行動を行った際、それがどんな結果をもたらしたかの判定。
 3.対抗ロール
  キャラクタが何かを”された”場合に、抵抗した結果を調べる判定。
 4.恐怖ロール
  キャラクタが心理的に「恐怖」を感じた場合に、何が起こったか?の判定。
 5.行動の進め方
  キャラクタが宣言した行動をどうやって処理するか?

 通常はここに「戦闘」と言う要素が入りますが、このゲームには有りません。
 全てを”行動の進め方”によって処理する事に成っていますので、マスターとその場でのアドリブが、最終的な決定権を持ちます。マスターが「これで良い」と言う判定に対してプレイヤーが異議を唱える事は可能ですが、まずマスターの意向が優先します。プレイヤーが「こういう行動をしたいから、この様な判定をして良いか?」と尋ねて、それを許可するかどうか?はマスター次第です。ですので、マスターはキャラクタの各パラメーターを熟考し、大ざっぱに、しかし納得出来る判定を心がけて下さい。ともかく、大事なのは「その場のノリ」です。プレイヤーのその選んだ行動が良いモノで有るなら、それを「そんなのルールにないから」とすげなく断る、そう言う事は余り好ましくありません。

<用意>
 プレイヤー達が集まる前に、まずマスター担当者はキャラクタの記録用紙(キャラクターシート)を人数分と、筆記用具、最低で6面体サイコロ2つと、そして最も重要な「シナリオ」を用意する必要があります。どんな感じのモノか?と言うと、「大ざっぱな予定進行ラインにそって、必要なデータが羅列されているもの」です。具体的には下記の様な書式に成ります。
例:
「おばけ屋敷の怪」シナリオ
予定進行ライン
 1.プレイヤー達の元に、何故か「お化け屋敷」への招待状が届く。
 2.そのお化け屋敷へ。開店セールと言う事で無料?時間内に脱出出来れば賞金。
  用意するモノ>お化け屋敷の情報と、管理者の様子。
 3.妙に広くておどろおどろしいお化け屋敷。プレイヤー達はそれに挑戦する事に。
  用意するモノ>お化け屋敷の内部データ。仕掛けが満載?
 4.1時間ほど楽しんでゴールにたどり着くも、扉が開かない。閉じ込められた?
 5.キャラクタ達を殺し、彼らに成り代わろうとする邪悪な存在達が出現する。
   お化け屋敷に招いて遊ばせたのは、データ収集の為の時間稼ぎだったのだ!
  用意するモノ>その邪悪な存在のパラメータ。攻撃手段、倒し方など。
 6.そのお化け屋敷を逃げ惑い、とにかくその存在を倒して脱出。

 ここで熟考するべきは、「PC達がその行動を選択する事に無理は無いか?」と言う事でしょうか。他の行動をされたらどうするのか?予定進行ラインを経由しない場合は?それらは全てを網羅しようと思うと大変難しい問題ですが、しかしその場のノリで怪奇小説がスラップスティックなコメディになっても「楽しければそれで良い」とも言えますので、余り厳密に考える必要は無いと思います。最も最大の問題は「シナリオはマスターが自分で創作せねば成らない」と言う所に有るのですが、作成方法などそれらはまた、後の項で書きます。ともかくキャラクターシート、筆記用具、サイコロ2つ、そしてシナリオを用意出来たら準備完了です。


<ゲーム開始>
 用意するモノを用意し、プレイヤー達をゲームを行う部屋に招いたら、まずキャラクターシートの制作に入ります。キャラクターシートとは、そのシナリオで活躍する予定の、プレイヤー達が演じるキャラクタの情報が記された紙です。キャラクター作成方法に基づいて、マスターの指導の元、全員分をまず作成して下さい。それがゲーム中でのプレイヤー達の分身になります。
 完成したらプレイヤー達は、マスターに向いてテーブルを囲みます。出来ればマスターは、プレイヤー達から手元の資料を隠せる「ついたて」を用意した方が良いでしょう(用語として、マスタースクリーンと言います)。その上でマスターは、参加するキャラクタの経歴やデータなどを参考にしつつ「キャラクタ達が置かれている現在の状況」をプレイヤー達に説明します。

例:「お化け屋敷の怪」にて、4人のプレイヤーを前にして。
 マスター「君達は成城高校に通う高校生で、皆同級生だったりクラブが一緒だったりと面識があり、良く一緒に遊ぶ仲だ。あなた方が学校を終えて家に帰った所、あなた方宛で奇妙な手紙が届いていた。中には「新装開店!超恐いお化け屋敷にようこそ!」と言う題字と無料チケットが入っていた。パンフレットを見ると面白そうだ。そんな訳で君達は「ともかく見に行ってみよう」と言う事で、今その、新装開店されたお化け屋敷の前にいる」
 プレイヤー1「・・・いきなり来てしまいました」
 プレイヤー2「いや、そこで文句言ったらあかん」

 ともかく説明します。その後に、プレイヤー達は当然「お化け屋敷の外観は?」「他に客は?」など、疑問に思う幾つかを尋ねて来ると思いますのでそれをシナリオにある「それ」を元に答え、ともかくプレイヤー達に”能動的なその後の行動”を求めます。

例:
 プレイヤー1「無料チケットっつーのが気になる。何か目的があるんじゃないか?」
 プレイヤー2「まあ、ともかくお化け屋敷だろ?無料だし。いきなり殺されるーなんて事はあるまいよ」
 プレイヤー3「いきなり殺されるお化け屋敷って一体・・・」
 マスター  「で、どうする?」
 プレイヤー4「ともかく入りまーす。見せて貰おうか!新装開店のお化け屋敷の実力とやらを!!」
 プレイヤー1「と言う事で、この人先頭で」
 プレイヤー4「えー」

 ここで、或いはプレイヤーはキャラクタに能動的な何かの行動をさせたがるかもしれませんので、それはその都度適度に処理します。

例:
プレイヤー4「無料チケットを店員さんに渡す」
マスター  「ほい。20才位の店員さんは「はいどうぞ」と言いつつ中へ促すよ」
プレイヤー1「ちょっと変な様子は無いかどうか見る」
マスター  「(小さな紙に目標値20を書いて裏返し、プレイヤーの前に出す)んじゃ、”知性”で行為ロールしてみて」
プレイヤー1「ほい・・、4、5で9、知性が10だから19か。一応成功だけど」
マスター  「残念(裏返す)」
プレイヤー2「目標値20行けば、なんか解るの?」
マスター  「さあ?(バイトの人だって事は解るよ)」
プレイヤー4「ともかく普通のお化け屋敷だって事は解った。さあ、入るぞ!」
マスター  「扉を開いたあなた方の前に、薄暗闇の室内が広がっている、大体こんな感じ(フリーハンドで見える範囲の地図を書く)。内部は古びた洋館風で、おどろおどろしいBGMと時々聞こえる悲鳴?の演出が、雰囲気を盛り上げている」
プレイヤー4「・・・さ、帰ろうか」
プレイヤー1「こいつを盾に前に進む」
プレイヤー4「きゃー、恐いのいやー」

 ともかく、こんな感じでマスターはプレイヤー達と楽しく会話をしながら、シナリオにそって、プレイヤー達を最後のエンディングまで連れていければ、ともかくマスターとしては「成功」と成ります。この様な情景がテーブルトークRPGですので、妙に殺伐としている、プレイヤーがマスターのシナリオをぶち壊そうと意気揚々としている、そう言う情景はTRPGのそれではないと、まずは前提としておきたいと思います。