キャンプ場から和琴半島へのアクセスルートには湿原の中を貫くこの木道がある。
夜ともなれば無数の蛍がふわふわと飛び交い、なかなか幻想的な小径となる。

午後の予定は今回の北海道行きのメインイベントである、釧路川源流部カヌー下りにあたっての下見である。
釧路川はこの屈斜路湖を源とする全長154kmに及ぶ河川である。
釧路川かあら受け取れるイメージは、湿原の中をクネクネと蛇行してゆったり流れる姿であるが、カヌー下り
で最も面白いとされるのは、この屈斜路湖流れ出し〜約20kmの区間だと言われている。
それは人工物のいっさいを遮蔽した原生林の中を下るところに売りがある。
当然、水の透明度、生物の生息数の高いのである。
まあ、要は探検隊気分を味わって下るには申し分ないのである。


和琴半島の付け根には大きな男女混浴の露天風呂がある。
しかし観光名勝地の探勝路沿いにある為、昼間っから素っ裸で入浴しようものならゾロゾロと数珠つなぎに
訪れる観光客に自慢のチンポをタダでさらすハメになる。
まったく、見世物じゃねーんだぞ!
従って、昼間の入浴者はじいさんばあさんか子供天国。
さもなくば水着着用といったところ。

かみさんはガキんちょ達をその露天風呂に連れて行った。

その間、俺は釧路川源流部の偵察に出かけた。
カヌースタート地点となる屈斜路湖の眺望橋から、ゴール地点である美留和橋までのアクセスは、4日ほど前
わずかな晴れ間をついて奇襲するかのように下った、先発隊のミキからメールで克明に情報が入っていた。
屈斜路湖からの流れ出しに架かる眺望橋に立つと、時刻は16時近いというのに、ラフトボート1艇とカナディアン
3艇がこれから下ろうとしていた。
いづれもツアーガイド付である。
ツアー会社もかき入れ時なのだろう。

注目したのは船に乗る人々の服装である。
みな一様にカッパを着込んでいる。雨は無さそうだし、防寒対策といったところだろう。
連日肌寒い日が続いているし、川の上は冷え込みそうだ。
こんな所で病気を悪化させるわけにはいかないので装備はしっかりチェックだ。
又、眺望橋には釣人も多い。フライで鱒を狙っているようだ。

先程のラフトとカナディアンツアー隊はこの釣人とシュルシュルと舞うラインの間をぬって、橋をくぐり、原生林の
奥へと吸い込まれていった。

眺望橋を後にしてゴールの美留和橋に行き、車の駐車スペースなどをチェックし、キャンプ場へと戻った。

晩飯前に屈斜路湖岸探索と風呂と買出しのドライブに出かけた。
この辺には無料の露天風呂も多いし、旅館の内湯なんかでいい感じの温泉も沢山あるようだ。
驚いたのは湖岸の北東部にある砂湯の混み様。
でか〜いパーキングは超満車!砂湯キャンプ場のサイトはテントの嵐! 人!人!!人!!!
湖岸の砂場には温泉が湧き出してるので、穴を掘り、そこに入ってスコップで砂をかけてもらえば、砂湯となるのだ。
でも、こんな場所に泊まるくらいなら、俺は文句なしにうすらさびしい太平洋沿岸キャンプ場を選ぶね。
これだけキャンプ客が多いのだから買出しすべき物資が揃った店もあるだろう・・・と踏んで出かけたのだが、
みやげ物屋以外は何も無しだった。
風呂はちょっと戻ったところにあるコタンキャンプ場の裏手にある旅館の風呂に入ることにした。
500円/人とまあまあの金額。
内湯と混浴の露天がある。
露天は広く温めでなかなか風情がある。客は俺ら一家以外はいないので、カミさんに「露天に来いよ」と誘うが、万が一
他の客が来たら嫌だと拒否された。

ここは内湯が面白い。深さが1mもある岩風呂は男湯と女湯が、湯船の真ん中で薄い板切れでのみ仕切られている。
しかも、この板切れは水中下50cm付近で途切れている。
どういう事かというと、湯船の底から仕切り板までの50cmの空間には、男湯と女湯を仕切るものが何も無いのである。
つまり、湯に潜れば、男湯から女湯に潜入することができるってわけ。

ってなわけでスケは面白がって何度も潜っては女湯と男湯を行き来している。
女湯のナツもかみさんも大喜び。
すげ〜楽しそう・・・・・・やってみてえ・・・・・・・・やろ。

「オラは風呂ん中に潜って女湯に潜入するのが夢だったんだぁ〜!」
ってな勢いで、スケベ父ちゃんも女湯に潜入すべく、勢いよく湯船に潜った。
したらば・・・・・「ゴキーーーーーン!!」「いぃてぇ〜〜〜っ!」
勢いつけ過ぎて、風呂の底の岩に鼻の頭をしこたまぶつけてしまった。
念願の女風呂の湯船にぷかりと浮き出た間抜けヅラの鼻の頭からは血がタラ〜リ。


鼻の頭にバンドエイドを貼りつつ、温泉旅館を後に買出しにでる。
しかし、この周囲にはまともな食料品店というものが無い。
20kmほど離れた弟子屈町のスーパーまで行くのが正しい買出し方法らしいが、めんどう臭い。
俺もかみさんもそこまでしてこだわりの食材でこだわりの料理を作って食べたいと願うグルメでも無し、料理好きでもない。
ある意味、食えりゃなんだっていいのだ。
と、走行中 乾物くらいなら売っていそうな雑貨屋を発見。
店内には大型冷蔵庫もあり、冷凍肉なんかも置いてある。が極めて品揃えが少ない。
恐らく、お盆休みに入ってからはなにも入荷してねえんじゃねえかな?
片隅にちょこっとのこってた玉葱・豚肉・油揚げなんかを買って帰る。
キャンプの時は料理をしないカミさんがめずらしく豚汁を作るという。
が、この豚汁の作り方をめぐって、やっちゃったぁ・・・・・喧嘩。

喧嘩の原因はあまりにもつまらねえ事なんで書く気にならん。

で、その喧嘩だが、場所が場所だけに声を荒げて阿鼻叫喚の地獄絵図だけは避けたかったので、少ない言葉の五寸釘を
お互いの胸に刺し合うような静かなる陰湿ムード満点の喧嘩となった。

やがて鍋からはおいしそうな味噌の風味がぽわ〜んと漂ってきても、うちのキャンプサイトは
「しーーーーーーーーーん」
「おかあさん、何で泣いてんのぉ?」という子供の声だけがやけに大きく響き渡り、隣で食事をしている老夫婦のキャンパー
がジロリ。

普通キャンプの夕飯時っていやあ、一番盛り上がってワイワイきゃあきゃあ楽しい時なのにうちだけは

「しーーーーーーーーん」
キャンプ場において異質な空間。ブラックスポット・・・・。

そして無言のまま片付け・・・・・。

そしてやっぱり無言のまま、和琴半島の付け根にある露天風呂にみんなで行くことにした。

昼間と違い、夜ともなればキャンパー達でこの露天風呂はなかなかの賑わいである。
親父もにいちゃんも子供もギャル(死語?)もうようよ・・・でもいい感じでみんな温泉を楽しんでいる。
湖畔沿いの遊歩道はビョウビョウと湖を渡る風が吹き付けて寒いくらいだから、温泉がほんとしあわせを呼んでくれる。

すっぽんぽんで湯船に飛び込んだ日にゃあ「気持ちいいいいいいいい!」
かみさんも水着をつけて飛び込んだ。

こう気持ちいいと、いつまでも怒って黙っているのが馬鹿らしくなってくる。
温泉のおかげでいつの間にか喧嘩も収まって仲直りとなった。

ぽかぽかのぬくぬくでシュラフに入ると、そのまま朝までぐっすり熟睡・・・・・ZZZZZZ。




8/16 屈斜路湖 和琴国設キャンプ場 2日目

5時半ジャストに目が覚めた。
ずるずるとシュラフから這い出ると、目やにをつけたまま、寝癖に髪の毛を立てたまま、夕べ木の枝に掛けておいたタオル
を引っ掛け“り”を連れて露天風呂に行く。
温泉場でのキャンプはなんといっても早朝風呂に尽きる!!

この気持ちよさには昼間でも夜でも絶対にかなわないね。
あ〜、極楽。極楽。
和琴にキャンプ張ってホント良かった〜。しみじみ。

テントに戻って2度寝して、今度はおいしく楽しく夕べの残りの豚汁を食った。
携帯のインターネット天気予報じゃ今日は晴れるハズだが、見上げる空は薄曇り。
でも、絶対にいい天気になる予感がした。
まあ、あわてる事はない。
カヌーは昼間の一番気温が高い時間帯にやりたかったし、それまで時間はたっぷりあったので半島1周のハイキングに
でかけることにした。
“り”もリードを外してやり、存分に和琴ネイチャーを味あわせてやる。
ビーグル犬はウサギ狩りの猟犬として開発された犬だ。
自然の中におっぱなすと今までにない勢いで駆け回った。






和琴半島には手付かずの原生林がそのまま残されている。

突然「おら、お腹痛くなってきた。うんこ、うんこ〜」
というスケに
“り”の糞回収用のトイレットペーパーを渡すと、森の木陰に走りこんで行った。
「おーい、ケツ拭いた紙はちゃんと持ち帰んなきゃいけないんだぞー」
というと、奴はちゃんと紙を持ち帰ってきた。
ところでこの写真。
うんこが終わって、ズボンを上げた時にジャンパーの裾まで、ズボンにしまい込んでいます。
奴のキャラクターの全てを物語る1枚です。



和琴半島の先端には噴煙を上げるオヤコツ地獄がある。
そこには石でかこった湯船もあり、入浴もできないことなはい。
写真に湯船があるのわかるかなあ?
それに温泉犬
“り”がいるのもね。


半島1周ハイクはゆっくり廻って1時間半だった。
じわじわと気温が上がり、雲の切れ間に青空が覗いて来たぞ!やっぱねー。
かみさんと子供達にはテントに戻って川下りの用意をするように指示し、自分は駐車場に行き、ハイラックスから
大山猫号を降ろし、シュコシュコとエアーを注入する。
膨らんでぺなぺなのナイロン生地からカヌーに生まれ変わった大山猫号を再びハイラックスの屋根に運び上げ、
ベルトで固定する。
いよいよ雲はどっかに飛んでって、空は青いドームになった。




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