ひゅぅるりぃ〜〜 ひゅぅるりぃ〜〜ぃ らぁらぁあぁぁぁ〜〜〜
マジですかぁぁぁぁぁ????
びょぉぉぉ〜〜〜ぉお〜
さて、そんなわけで我々一家は海を求めて南下していったわけだが、
北海道において南の海とは太平洋をさす。
海水浴といえば日本海の長野県人にとって「太平洋」という響きは新鮮で美しい。
日本海から受けるイメージといえば 荒磯・昆布・海苔・佃煮・海女・ナホトカ号・森昌子・越冬燕・心中。
漢字で演歌で、暗く冷たいシュールな情景が目に浮かぶ。
ところが太平洋は違う!
なんたってPacific Oceanだ!
海続きでロサンゼルスともつながってんだぜ!
ハワイだってあんだぜ!
サザンオールスターズ・サーフィン・ヨット・ビーチ・フリーセックスなんていうカタカナ文字がこれでもかっ!と並び
明るくカラッとしたイメージが一気にふくれあがる・・・・長野県人にしてみると。
スケは「海に潜るんだぁ!」と張り切り、
かーちゃんは「日に焼けちゃうかなぁ〜」と独り言を言い、
俺もサンオイルを塗ったくったセクシーねえちゃんウォッチングできるかな・・・
な〜んて、密かに期待していたのである。
「うーみっ!うーみっ!うーみっ!」
海が近づくに従って、車内には子供達のウキウキ大合唱がこだました。
そしてコーナーを曲がった瞬間、我々一家の目に飛び込んだ海とはっ・・・・・!?

おいおいおい、なんだよこの薄らさみしい海はよう!ゴミだらけの海岸はよー!
どこにキャンプ場なんかあんだよー
と、おろおろしてると、ふらふらとした足取りのおっさんが近づいてきた。
「あんたらキャンプするんかい?」
「はぁ。一応・・・そのつもりなんですが。 この海岸は泳げるんですか?」
「はっ、はっ、はぁーーーーっ、馬鹿言っちゃあいけねえや、この海は真夏だって15℃にしかなんねえんだぞ!
前にも無理に泳いで死んだもんがいたけどな。太平洋側で泳ぐ奴なんかどこ行ったっていねえよ」
「・・・・・・・・・・。 」
そう言うと、おっさんはくるりと背を向け、管理棟とおぼしき建物に入っていった。

時刻は夕刻5時を廻っていたし、この辺には他にキャンプ場はないし、しょうがねえか〜との家族会議により
海水浴は諦め、今晩のところはここに泊まることにした。
手続きをしに管理棟へ行き、ドアを開けた。
ぷ〜〜〜ん。 「イカ臭せ〜!」
ストーブの上ではスルメイカがあぶられ、さっきのおっさんがワンカップ大関を煽りながら酒臭い息をハァ〜ハァ〜
させながら言う。
「テントはあっちの砂場で張ってくれな。車は駐車場だ。乗り入れは禁止だぞ。」
「って、駐車場からあの砂場まで荷物もって歩いていくんですかぁ?」
「そーゆうこと。」
「げっ・・・・・。」
まったく整備もされてないような砂浜なのになんで車入れちゃいけないんだよー。
明日の朝 早々に撤収する気でいたから、余計な手間をかけたくなく、テントは車の横に張りたかった。
「あの〜、駐車場にテント張っていいですか?犬いるし、他のお客さんに迷惑かけちゃいけないし・・・」
「ああ、いいよ。 あっちの隅のほうならな」

そんなわけで海辺のキャンプ場だが海は見えず。
見えるのは青いポータブル便所2塔なり・・・・。
晩飯の支度をしていると風がびゅーびゅー吹き付けてくる。
風避けにと車の向きをあっちだ こっちだと変え、七輪に火を起こし、冷凍ピザをアルミホイールに包み遠火でオーブン。
やがてほのかにチーズの焦げる匂いが漂えば、ここもまた楽園なり・・・・・(ちょい、ムリあるなぁ・・・。)
夜になったら風は止み、花火を楽しんだ。
雲の切れ間に星がまたたく・・・・
ここは地の果てのような、はたまた宇宙のどこかのような・・・・・。
8/15 厚内オコッペキャンプ村〜屈斜路湖 和琴国設キャンプ場
バザ、バザ、バザ、、、、、とフライシートに雨粒が叩きつける音で目が覚めた。
いや、嘘だ。
夜中にも何度かバザ、バザ、バザ、、、、、が聞こえ、その都度 その音に起された。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ・・・・・雨ん中で朝飯作るの嫌だ。
雨ん中でテント撤収すんの嫌だ。
と、リアルな外界とナイロンの幕1枚で隔たれたテントの中でシュラフのぬくぬくに包まれていると、駄目人間モードは
どんどんどんどん増幅されていく。
ところが外では子供が元気に遊ぶ声が聞こえる。
あれ?雨降ってんじゃないの?と、テントから顔を出すと、ちょっとパラつく程度の小雨。
「な〜んだ」
外の空気を吸うと元気が沸いてきた。
「さーて、朝飯作りますか!」

本名エリザベス 登録名リザ 呼び名は"り” 4歳♀
この犬も波乱万丈な生き方をしてきた。
もともとは平塚あたりのブルジョアな家の座敷犬として飼われていたらしい。
それがある日脱走。
浮浪する日々を送ったあげく捕獲され、保健所へ。
飼い主が現れないまま、翌日はガス室送りのところまで順番が廻ってきた。
その時、たまたまボランティアでペットの救済をしている方の目に止まり保護された。
俺の友人の両親がそのボランティアの方からもらいうけ、1年間はまるで我が子のように飼われていたが
そのかあちゃんが病気を患い、飼えない環境に・・・。
誰か飼ってくれる人はいないか・・・・と、うちに声がかかったのである。
そんなわけで本名エリザベスちゃんは北海道の薄らさみしい海辺で「自動食器洗い機」として立派に
役目を果たしているのであった。
さて、本日は進路を東に向け釧路−屈斜路湖へと向かう。
モバイル天気予報では曇りor晴れのハズが道中はずっと霧雨。
そーいえば、朝 出掛けに海岸線を走っていたらカモメと激突した。
ボンネットにぶつかった瞬間に羽根がブワッと舞い上がったね。

で、今度は屈斜路湖の手前で前を走っていたカローラが、飛び出してきた子鹿のバンビを思っくそ跳ねた。
動物飛び出し注意の看板は多いけど、ホント大事故につながりかねないわ。
屈斜路湖の和琴半島の付け根には2つのキャンプ場がある。
キャンプ通に人気のあるのが湖畔に面した、「屈斜路湖-湖畔キャンプ場」
ってんで、ウチも通ぶって、そこにしようかと車を入れたら激混み!うげげぇー!
和琴半島は水遊びできるし、なんたって無料の露天風呂もあるので超人気キャンプ場なのね。
そこきてお盆のハイシーズンで、今日はその中でも一番盛り上がり度の高い日。
つまり1年で一番混む日。
しょうがないから、道挟んだ向かい側の和琴国設キャンプ場へ行った。
受付で「犬いるんですけどいいですか?」と聞くと
「本当はペット禁止なんだけど、奥の隅のほうならいいよ」と愛想のいいおっちゃんのありがたい御言葉。
実はペット禁止のキャンプ場って多いから、かなり心配だったのよ。
で、おおせの通り奥へ奥へ。
ここのキャンプ場も車乗り入れ禁止だから荷物はリアカーに載せて運搬するんだけど、綺麗なキャンプ場だし
道も綺麗なんで運んでいて楽しい。
みんな荷物運ぶの嫌さからか、キャンプ場の入口付近はテントが密集していて閉口させられる環境だけど、
奥にいけば行くほどガラガラで静か。
キャンプ場での嫌われ者って言えば、犬と子供って相場は決まってんだけど、その両方を持ち込んだ我が家的
には理想のサイトが見つかったって感じ。
そういえば、やっと!やっと!ここで連泊できる。
少なくとも明日はテントたたんだり、建てたりしなくていいのよ〜!
とってもしあわせよ〜!
と、まずはぐしょぐしょに濡れたテントを干し、シュラフを干し、湖の探索にでかけた。

(あっ、忘れてた。今日の昼飯は残り物のパン&カップヌードルでした)
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