
マシンのコックピット:左上のアルミの弁当箱のようなケースがMDマップホルダー(ルートマップを電動で巻き取る)
その上にICOのトリップメーターが装着
下の金色の物体が高速走行時にハンドルのブレを抑えるステアリングダンパー
右上はGPS(グローバルポジショニングシステム) 走行しながらナビゲーションするのだ。
【 Prologue 】
せっかく大枚叩いて行くんだからメチャクチャ楽しくなければならない。
そこで古からの友人であり、最も好きなライダーの一人でもある水戸の素浪人こと服部さんを誘い、
志をともにした。
そこに更に大都会のサラリーマンライダーのカリ高クンも加わり、去年のマレーシアエンデューロ
遠征以来のトリオで年明けから徐々にアラブ行きを進めていくことにした。
ラリーマシンのチョイスに関しては、トラクション性能・軽さ・高信頼性に加え
「'98の XR400は足回りがそれまでんのとは別物だよ!」
とのモーターサイクルジャーナリストでありオフロードバイク界のスターでもある三橋淳の太鼓判と、
更にはプライベート体制でありながらパリダカールラリー総合10位の金字塔を打ち立てた関西の負けず嫌い
ラリーストこと池町佳生の「砂漠の走りはエンジンにめっちゃ負担がかかるからできるなら新車がええねえ」
との、日本を代表するトップライダーであり古くからの友人でもある2人の信頼できるアドバイスを素直に
聞き入れ、HONDA XR400を10年ぶりに新車購入することとした。
ラリー用の改造はバイク雑誌をひっくり返し、モンゴルラリー出場マシン等の使えそうな部分だけを盗み、
セッティングに関しては、行き詰るたびに友達に電話して聞きまくった。
(テレフォンなぜなぜ相談の先生方:幸繁地蔵/池町王子/まくりオヤジ正井/クラッシャー大西/タカオ
/ダニーのりさん みんなありがとね!)
また銭が無い分、自作を心がけ、MDマップホルダーのマウントステーは図面を起こし、厚手のステンレス板
を切って曲げて穴開けてで製作し、レギュレーションに義務付けられている非常用水タンクは1.5リットル
アルミ製SIGUボトルをちょうつがい式の配管固定用金具(130円)を利用し、アンダーガードに固定した。
('98年貧乏ラリーアイテム コンテスト最優秀作品!なんちゃって)
自分が勤務する会社の仲間では、電装類を始め
とした細部に渡ったマシン仕上げを機器設計課のエース
“斎藤A1”君が担当し、主催者の UAE Desert
challengeへの質問は開発課の“ヒールキング大ちゃん”
が訳した英文e-mailで行なった。
9月某日、千葉のタービュランスで,コツコツと魂入れしてきたマシンをスペアパーツ&人間の燃料(BEER…ね)
と共にコンテナに梱包し、シッピング準備完了。
多くの人々のお世話になりながら、ようやく冒険の扉に手が掛かった。
後は現地で開けるだけである。