Catavina run



プレラン2日目。
と言っても、レース本番にむけてガンガン走り込むってわけじゃない。
写真撮影用(Photographer:トラちゃん、ハットリさん)だったり、
ビデオ撮影用(犬VISON:たしやん)のアクション走行会だったりする。

血を分けた兄弟ってわけじゃないので四六時中狭い車内で面をつき合わせていれば
いろいろとストレスもたまってくるし、色々な人間模様が現われる。

毎晩キャンパー内では作戦会議(酒飲みディスカッション)が行われた。
スタートからゴールまでの2000マイルに及ぶロケーションは、色とりどり千差万別
多種多様なロケーションが展開する。
つまりガレた岩の山岳地帯、深い砂の連続、トラブった時のリカバリーが困難な僻地、
夕方、夜中、昼間、体力が余ってる状態、へばってる状態。
それらを考慮した上で、誰がどの区間の走行を担当するか、シュミレーションする。
ハットリ、たしやん、そして俺は日頃からいっしょに山で走ってるからお互いの得意・不得意
分野が良くわかっているから作戦が立て易い。
が、マセに対してはいっしょに山を走った経験が少ないだけに未知数の部分が多かった。
このような場合は人間性から、走り方を想像する。
マセは勝つ為に、常に100%の力を発揮するライダーと推測した。
まあ、レースなんだから100%出して当たり前じゃないか!と思うかもしれないが、
実はこれが大きな不安要素。
ロングディスタンスのレースの中で、常に100%の力を発揮していたのでは絶対にもたない。

そしてもっとも不安なのが
溢れんばかりのマセの「自信」。
BAJAは1967年の第1回大会から今に至るまで、何十人もの死人を出しているデンジャラスな
レースなのだ。
普通はそれに対し恐れおののき、謙虚になるものだ。
しかしこいつはそれをわかっているのかわかってないのか自信たっぷりに
「僕は絶対にコケません!」だの「できれば全ルートを一人で走りたい」
だの平然と豪語する。
「いったなんなんだ?こいつのこの自信は???・・・・・・気にいらねえ。
とりあえずはこの青二才の鼻をへし折らねえ事には本番がやばいぞ・・・・と、考えるのだった。


マセに対してそんな気持ちを秘めながらプレラン(練習走行)が開始された。
まずはどの程度の腕か観察。
体育会系のまじめな走りだ・・・悪くは無い。
が、やはり余裕に欠けるなあ。


たしやんがビデオカメラを廻す中、マセの乗るYAMAHAがガレた斜面を駆け下り、砂地に飛び込んだ時だった。
フロントタイヤが砂にとられ、YAMAHAはズルッとコケた。
グァシャーーーーン
「あちゃ〜、やっちゃった〜!」
みんながあわてて駆け寄ると、Baja Designから通販で取り寄せた夜間走行用の巨大出目金ライトはぐにゃりと曲がり、
更には、ライトを固定するアルミの留め金が根元からポッキリと折れてしまっていた。



ポッキリ折れた留め金を見つめながら
“やっちゃたーーー!”
って顔をするマセ。
打って変わって、まわりのハットリ、たしやん、俺の3人はすごーーーーーく、うれしい顔になる。

「マセでよかった〜〜!これが逆の立場だったらマセに何言われたか、わかったもんじゃねえや、うひょひょ!」
「まだまだ、修行がたりませんな、マセ君!!」
などとえらそうなコトを言いながら内心はホッとしてたりするのだった。




ひん曲がったライトステーをテコの原理で応急修理するハットリ&たしやん
この手の逆境には強い。



リエちゃんに作ってもらったうどんを食ったあとは
セルベッサ(ビール)の空缶を的にパチンコ大会。


なんだか火星のようなロケーションのドライレイク(干上がった湖)を走ってみる。


なんだかんだ言って、マシンの、そして人間の毒出し完了。
これにて、プレランは終了。
あとは本番を残すのみ。

その前にちょっくらと天使が舞い降りた入り江(バヒア・デ・ロサンゼルス)でバカンスだね。



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