第8巻第7号              1995/4/1
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DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY

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毎月1日発行[発行責任者:守 一雄]

(PDC00137, kazmori@gipnc.shinshu-u.ac.jp)



 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。新年度ですので、この「DOHC Monthly」について簡単に紹介することにします。DOHC(Dokusho One Hundred Club:年間百冊読書する会)は、1987年の春に発足した読書クラブです。特別な活動は一切していませんが、「私もたくさん本を読もう」と思ったら、その時からあなたもDOHCの会員です。
 DOHCには会則はありませんが、「1週間に2冊、1単位につき2冊、本を読む」という「1212運動」を推し進めることを会員の活動としています。1年は約50週ですから1週間に2冊で年100冊になります。また「1単位につき2冊」ならば、ここの学生はだいたい180-200単位取って卒業しますので、学生時代に約400冊、つまり年平均100冊読むことになります。
 そしてこの「DOHC Monthly」は、会員拡大のための宣伝を兼ねた書評ミニコミ紙です。面白い本を皆で推薦し合いたいと考えています。最近読んだ本で面白かったものを推薦文とともに守(教育学部北校舎N224)まで知らせて下さい。学生・教官とも歓迎いたします。
 「DOHC Monthly」は、授業で配布したり、学内に掲示するほか、パソコン通信を通して、全国の講読会員に配布されています。研究室(北校舎N224室)前の箱からも自由にお持ち下さい。なお、バックナンバーは信州大学教育学部をホスト局とするパソコン通信SNOW-Net(0262-37-6125,MNP5/V.42bis/N81XN)のDOHCコーナーで読めます。

【これは絶対面白い】

守 一雄『認知心理学』

(現代心理学入門1)

岩波書店 \2,500


 新年度早々から自著の宣伝で恐縮ですが、お許し下さい。
 この教科書はいろいろな意味で今までにない「心理学の教科書」を目指して書きました。そもそも日本にはまとまな「心理学の教科書」がありません。教科書の種類だけは千点を越すほどもあるのに、どれもこれも「単位と引き替えに学生に買わせるためだけの教科書」ばかりです。「本気で」書いた教科書がないのです。だいたい十人以上の著者で分担して書くような教科書を各分担執筆者が本気で書くはずがありません。そこで、こんなあたりまえのことがセールスポイントになること自体情けないことなのですが、この本のセールスポントは、一人の著者が本気で書いたことです。以前から日本にはまとまな「心理学の教科書」がないことに苦情を述べてきましたが、今回、機会を与えられて「これが守の教科書だ」というものを書くことができました。「まえがき」から「演習問題の解答例」や「索引」まですべてに守色が出してあります。
 セールスポイントの第2点目は、「心理学の教科書」でありながら、実験的な研究例の紹介を大幅にカットして、理論やモデルの紹介を中心にしたことです。時代を追って、5つの代表的なモデルだけを紹介しました。一方、読者の興味を引きそうな実験例をたくさん並べる教科書は、分担執筆もしやすいし、書くのもやさしく、読者(教科書として買わされた読者)にも読みやすいため、そういう「お子さまランチ」のような教科書が花盛りです。しかし、実験も大事ですが、既に認知心理学は20年以上も前から、「実験だけでない心理学」に変わっているのです。日本には、1960年代以降の心理学の歴史をきちんと踏まえた教科書もありませんでした。ほとんどの教科書が基本的には1960年代で止まったままだったと思います。この教科書では少なくとも1980年代まで20年間分歩みを進められたと思っています。難しいモデルの紹介も私なりに噛み砕いてやさしく説明しました。そうした意味で、学部で初めて心理学を学ぶ人だけでなく、20年前から心理学を勉強していた人たちにも刺激的な教科書となっているハズであると自負しています。
 4月6日発売です。学生諸君には4月末まで2割引(\2,000)でお売りします。(守 一雄)


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