転院への歩み


状態が厳しくなってきて、転院するかどうか、その他の状況など、その時に父が知り合いの医師に相談のため宛てた手紙から紹介します。


H10、4、22

昨日は、長い長い一日でした。徹の事を転院させるべきか否かで、迷い続けました。

<本人症状>
4/20 CTをとりました。
その日の夜、初めて患者抜きにして、主治医と話し合いを持ちました。
以前から疑わしかった箇所。ガン転移か癒着か。その箇所がひとかたまりになって大きくなっている。腹水も、この1〜2週間で、以前と同じくらい約500〜600ccが溜まっている。
所見は、ガン転移による「ガン性腹膜炎」。極めて厳しい状態。
本人は、下痢、嘔吐が続き、腹の痛みを訴える。点滴恐怖症などによる治療拒否が続いており、高蛋白が体内に入らずに、低蛋白状態。腹水増加も加速している。生命維持がぎりぎりのところ、ということです。

<この段階の治療方法>
1,痛みを取るー麻薬系モルヒネ使用も視野に入る
2,腹水コントロールーまず利尿剤で引っ張る、反応がない場合、注射針で抜き、少量の抗ガン剤を腹膣内へ注入したい。

<心療内科治療>
4、5日前から、他院の心療内科の治療を受け、精神的に若干の改善が出来た。
ここで話題になった緩和ケア(ホスピス)のための転院問題が、今最大のテーマとなっています。

<転院の問題点>
・私(父)は、徹の治療意欲を高める方法として、一時的な転院(環境を変える)をと考えていました。
・妻(母)は、転院させて穏やかな時をつくってやりたいーと考えています。
・本人(患者)は「今のボクにその判断をしろと言われても、出来ない。考えることが苦痛だ。ボクが考えなければいけないことだが・・・」と悩み始めました。

そこで、昨日遅く(夜8時頃)本人が、主治医に転院問題で悩んでいる旨、うち明けました。

<主治医の見解>
当初、「転院するのであればー治療中止ー」とまで言い切りましたが、患者本人が「相談しているのに、先生はボクを見捨てるのですかー」と訴えました。
この件があって、両親に主治医からさらに詳しく説明がありました。
・ガン発見から現在まで精一杯やってきたこと
・患者本人に長い時間がないこと。いま急変してもおかしくないこと。
・外出を許しているのは、出来るだけ家族との時間をつくってやりたいがためであること
・見た目の元気さと、体のなかで起こっている状態を混同しないように・・。
・医者側からみれば、現状では5月連休過ぎ〜1ヶ月の命であること。
などなどの説明がありました。

山田副院長は、以前にもお書きしましたが、ガンの専門医です。
現在でも、慈恵医大に呼ばれたり、地域医療の講師(医者の勉強会)などを努めるなど、その実力は認めるところです。
今後、1〜2日以内に転院するか否かを決定しなければなりません。
患者本人に選択肢がある、というものの、24歳の患者にその重大決定は重いようにも考えます。

1.主治医
2.心療内科
3.転院先のホスピス院長夫妻
の皆さんが相談にのっていただいている方々です。

アドバイスをお願いしたいと思います。

 


以上、父の手紙より紹介しました。

 

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