1月からオリンピック時の様子


これも父の知り合いの医師に宛てた手紙より紹介します。


H10、2、15

FAXありがとうございました。
ごぶさたしていまして、申し訳ございません。徹の治療と、兄敏のオリンピックで信じられないほど、忙しい日々でした。

さて、徹は1/5に再入院して、抗ガン剤治療の第2クールをしました。
1/9 ハイドレーション開始。10日 CT
13日 シスプラチンとCPT−11注入。白血球 5900
16日、4000、17日 3600
18日 白血球立て上げ治療 9000
27日 CPT−11のみ注入  腸の痛み(腸閉塞気味)が少しある。

CTの結果、「ちょっと疑問?のところがあるが、ガンの再発か、腹膜の肥大なのか、時間をかけて見守るところ一カ所あり」という。
腹膜の線が見えるので、腸管の癒着か?と思うが、慈恵医大の専門家と検討する。
その結果、2/8に腸の癒着と判明したとのこと。説明うけ安心しました。腫瘍マーカーも変化なし。

2/1 白血球 4500 2/8 5600 いずれも若干の下痢症状。嘔吐なし。
2月8日 オリンピックモーグル観戦。ドクターも一緒に観戦。10日退院
11日 オリンピックモーグル決勝観戦。半年前までに、一緒にオリンピック出場を目指した仲間から金メダリスト誕生。
祝勝会に招かれ、興奮しながら帰宅。
「オレはやはり観衆にいるのはいやだ。オレにはアスリートが似合う」といって、全日本選手権(3/1)で復帰を目指すことを決意した。ドクターも、骨密度の検査を併行させながら、スキー練習再開に同意している。

「君は人間じゃない。バケモノなのだから、不可能を可能にするかも知れない。これまでに、腹を切って第1線に復帰できたアスリートはいないのだから・・。それに挑戦したい」と励ましてくれています。
{担当医に朝日病院山田副院長先生は、元アルペン選手(慈恵医大スキー部)で、スキーのことはとても良く知っています。}

ここ2〜3日は、兄敏が出場するオリンピック観戦をしましたが、明日(2/16)いよいよ練習再開に意欲を見せています。
今後一ヶ月はスキー三昧になるのでしょうが、3/5には再入院し、第3クールの治療に入ります。その間は、1週間ごとに検査通院することになっています。
退院はしたものの、治療は際限なく、こういう病院生活が続くと、そろそろ自分の「人生設計」に思いが募るらしく、また別のつらい日々が始まっています。親として心の痛むことです。

ドクター曰く。
徹のような「暴れガン」の場合、手術後、まず3ヶ月の命、そして6ヶ月、さらに1年というふうに、治療の積み重ねの結果として、5年の存命で完治ということになる。
「心のケア」に気配りが必要だが、みんなで支え合いましょう。

抗ガン剤も、シスプラチンの場合は、医者それぞれに10〜20人の患者経験があるものだそうですが、シスプラチンとCPT−11の組み合わせは、極めて例が少なく、ドクター自身も初めての経験だが、自信を深めており、厚生省への報告事例となっている。
徹の場合、若さのうえ並外れた体力の持ち主で、骨髄機能も優れているので、明るい希望を持っている。

とのことです。頑張って奇跡の復活を果たして欲しいと願っています。


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