最後にお世話になった新生病院ホスピス棟の女医さんから

亡くなる一ヶ月ほど前です。


森徹君へ

 

徹くんと病気の話をして、10日経ちました。この10日間も、いろいろな事がありましたね。
あなたは若くてつらい中、「高すぎてとても越えることが出来ない!」と感じられた、難しいハードルをいくつも越えてきました。そんな徹くんに、ホスピススタッフ一同敬意を覚えます。徹くんは、ここでは(少なくとも)絶対的な勝者です。りっぱです。

私も、他のスタッフも、休みの日にもなぜか徹くんの事をずっと考えています。ただ「若いから」とか「今までの業績があるから」とかそんな理由からだけではありません。あなたの中にある「決してなくならない、不思議な輝き」がそうさせるのです。きっと徹くんの魂の輝きなのでしょう。
聖書の中には、『あなたの心のあるところに、あなたの宝がある』と書いてあります。そんな意味で、あなたは今、本当に多くの人の大切な宝です。

ここでのほんの少しの間に、私たちは、あなたが今までどんなふうに生きてきたか、ご家族の方々そして、お友達から聞きました。いろいろと「すごいな!」と思うことがたくさんありました。けれども私が今一番すごいと思うのは、今のあなたを、御家族始め、多くの人が無条件に深く深く愛していることです。
どうぞその大きな無限に続く愛の中に、自分を置き続けて下さい。

b愛は決して滅びない(聖書)b

Love & Care

川端 頼子
新生病院ホスピス棟

 

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