日本の印象と中日関係について

                                 陳健・駐日中国大使

 日中両国の相互関係は、日中国交正常化から20余年の交流により全面的に大きな発展を遂げ比較的成熟したと言えます。同時に両国の相互関係にも変化が生まれました。日本は経済大国から政治大国へ進み、国際的にも地域的にももっと役割を果たそうとしています。中国は国連常任理事国で世界中で最も人口が多く、国土面積が広い発展途上国として段々と経済的に繁栄した先進国を目指す道を歩んでいます。ですから21世紀には東アジア地域に中国と日本という「二強」が並存する局面が現れるでしょう。これは二千年以上の歴史のなかで、未曾有のことです。
 歴史上、中国が強大で、日本が中国に学んだ時期があります。近代になって、日本が強大になり、中国が日本に学ぼうと思っていたが、かえって日本にいじめられるという時期となり、二強並存はありませんでした。現在両国関係が直面している問題はどのように二強並存に対処しともに発展するかということです。互いに相手をアジアの平和と安定を擁護する積極的な要素と見なし、経済協力の主なパートナーとして見るべきです。これは21世紀に中日両国人民が友好的感情を築き上げ発展させるための新たな基礎です。この面の客観条件は備わっていると思います。現実から見れば両国とも平和で安定した周辺環境を必要とし、ともにアジアで両国間あるいは多国間の経済協力を必要とします。こうすれば、21世紀の国際競争のなかで、欧米のように有利な立場に身を置くことができるでしょう。そのため両国は歴史を鑑(かがみ)とすることを基礎に踏まえて、歴史的な葛藤を乗り越え、相互に理解し合い、相互に信頼し合う互恵協力の密接な関係を樹立すべきです。そうした関係に到達するには、双方の政治家が思い切って大胆な歩みを踏みださなければなりません。
−−中日両国の地理的な位置はお隣のように近く、これは変えることができません。経済、資源、技術などの相互補完性は、とても強いのです。二千年の中日往来の歴史から見れば、両国人民は「和すれば即ちともに立ち、戦えば即ちともに傷つく」ということです。互いに学び合い、互いに補い合い、密接に協力することは、両国民の共通の利益と長期的な利益に合致するとともに自地域の平和、安定と発展にも有益です。両国民がこういう大局に着眼し、両国人民の合流点を拡げ、両国の友好協力を促進するよう望んでおります。
                                   (北京週報)
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