パンダ通信  No,3  2000年9月

高原キャンプ・日本の夏
第37回日中友好キャンプin乗鞍高原
 7月29、30日、留学生・研修生54人、協会関係者54人、総勢100人を超える大キャンプが涼しい乗鞍高原で行われた。当日は快晴、下界の気温はぐんぐん上がっても乗鞍のキャンプ場は快適そのもの、楽しい2日間を過ごした。29日午後1時に集合、受付。早速2日間の生活の基本単位になる村の編成、村旗を作成した。村の名前「ブドウ・トマト・スイカ・バナナ・」にちなんだ村旗を各村、趣向を凝らし、参加者全員が協力して素晴らしい村旗が完成した。夕食はお肉たっぷりのバーベキュー、皆お腹一杯食べた。キャンプのクライマックス、キャンプファイヤーではフォークダンスや中国東北地方の民謡を歌い踊り、最後に留学生劉さんの胡弓演奏があり、それぞれ故郷中国、友好国中国を想い、時の経つのも忘れて過ぎ行く日本の夏を満喫した。翌日はゲームを交えたウォークラリーを楽しみ、昼前に解散した。来年も日本にいれば是非参加したいと多くの留学生が言っていたのが印象的であった。
希望の架け橋 広げよう友好の輪
第10回長野県日中青年委員会総会開催される
 第10回県日中青年委員会総会が6月24日(土)、松本勤労者福祉センターで開催された。穂刈委員長の挨拶の後、1年間の活動及び決算報告、活動方針・予算等議事の後、各地区代表3人と県国際交流員吝超傑さんが意見発表を行った。吝さんは「中国の青年について」、飯伊の稲垣さんは「方言中国語対訳集について」、長野市の長沼さんは「青年委員会の活動に参加して」、松本の高山さんは「中国と私ー大地のロマン」という題でそれぞれ熱の入った発表をした。
 活動報告の中で、希望小学校への文具を送る活動について報告があった。中国貧困地区の子供たちの学習環境を支援するため、各家庭に眠っている未使用の学用品を集め、中国に送ろうという活動。7月に信州青年洋上セミナーの船に乗せて希望小学校の子供たちへに届けてもらった。今後もできる限り活動を続けて行きたいと委員長より抱負が語られた。
 又、委員長よりインターネットのホームページのPR活動、
e-mailでの情報交換も今後積極的に続けて行きたいとの
報告があり、アドレスを持っていてまだ登録していないメン
バーに登録要請があった。最後に今年度は是非青年委員
会として訪中団派遣を実現させたいので、メンバーへ参加・
協力の呼びかけがあった。

札幌に集った全国の友好仲間
ー全国青年委員会札幌交流集会開催ー
寺沢顧問が委員長に就任!
 7月15日、全国青年委員会の2年に一度の交流集会が札幌で開催された。長野県からは丸山事務局長はじめ7名が参加した。その席で我が寺沢顧問が全国委員長に就任。世界情勢が混沌とし青年委員会はもとより、友好活動そのものが変わり行く時代に、寺沢委員長のリーダーシップと素晴らしい完成に期待したいと思います。とにかく停滞気味の青年委員会に一発喝を入れてくれるものと思います。
「先に立つ勇気、振り返るやさしさ」の心で 日中・日々友好!
ー寺沢新委員長抱負を語るー
  この度、身の程をわきまえずに全国青年委員長という大役をお受けすることとなりました。
私ももう46歳ですし、もっとお若い方にとお願いしてきたのですが、敢えて「火中の栗を拾う」
思いにて引き受けさせていただきました。長野県日中は親会、青年委員会とも全国随一の
組織と活動内容を誇りますが、残念ながら、全国組織における青年委員会の認知度、組織
力はまだまだというのが実状です。長野県、あるいは飯伊日中でやってきた時とは状況も異
なり歯がゆい場面も多いかと思います。ただ何よりも心強いのは全国No.1の長野県日中の
バックアップと、そして行動を共にしてきた素晴らしき若い仲間たちが沢山いるということです。
 「先に立つ勇気、振り返るやさしさ」、これは私の座右の銘でもある信州青年の船のテーマ
ですが、この言葉を日中友好活動の様々な場面でも、皆で発揮していけたらいいと思います。
「日中友好」という日本とアジアとの次代の鍵を握る大切な分野を我々が担っているんだとい
う先に立つ勇気を持つと共に、日中友好という舞台を通じて日本青年同士が共に活動しなが
ら「日々友好」を図りつつ、自分たちの国・日本の将来も考えてい、日中友好は日々友好でも
あります。
 これまで皆さんと共に活動しながら共に学んで来たことを全国青年委員会というステージで
活かしていくことが、これまでの皆さんからの友情に応えるものとの信念の下に、短い任期で
すが、全力を尽くしていきたいものと思っております。皆さんのご支援、ご協力をどうか宜しくお
願い申し上げます。
私たちの日中・・・飯伊日中友好協会青年委員会の主な活動
方言中国語対訳集編集事業
 平成9年5月から中国帰国者自立指導員として2年間、日本語教室をやっていました。いろいろな教科書を使って授業をしていましたが、やはり学習者が本当に覚えたいと思うことは生活に密着したことで、例えば買い物の時に値引きをしてもらうには何と言ったらいいのか、人を紹介する時には何を言ったらいいのか、お葬式の時の振る舞い、のし袋、のし紙の使い方や表書きは何と書くのか、こういったことを教室でやると教科書で学習するより真剣に聞いてくれます。近所付き合いとか組合の活動、行事、朝晩の挨拶、職場での同僚との会話、そういったときはどうしても方言が混じってきます。教室でも「意味がわからん」と質問されたりしていましたが、徐々に限界を感じるようになり、方言のテキストのようなものはないかと探しましたがありません。
 ないものは作るしかありません。青年委員会として呼びかけたところボランティア含め十数人が集まり、平成10年5月から月に2回のペースで編集作業が始まりました。すでに3年目にはいった編集作業もいよいよ大詰めとなり、今年度中の発行を目指し「ムトス飯田まちつくり事業」の助成申請をしたところ、地域・文化振興事業として認められ100万円の助成金をいただけることになりました。
 飯伊には中国からの帰国者が多数居住していること、中国からの定住者も増加していることから、円滑なコミュニケーションが図られることが重要である、ということが認められた結果であると思います。編集作業は最後の追い込みに入り、委員一同一層の努力をしているところです。
 最後に助成金申請などについて、伊坪前委員長の並々ならぬお骨折りがありましたことを、感謝の意を込めてご報告させていただきます。
いっしょに学ぼう私(日本)と中国 歴史語り継ぎ、勉強会
 飯伊青年委員会では事業計画の一つに「平和・歴史学習、現代中国学習会等の実施」があります。いくつかの項目がありますが、なかでも「正しい歴史認識を身につけること」が重要であると考えています。また語り継ぎ事業として「戦争体験・満蒙開拓団体験等を記録し、次代に引き継ぐ」ということとも合せて、講師の先生のお話も記録していきたいと思います。
 最近、新聞紙上では(時節柄もありますが)、「語り継ぎ」ということが盛んに言われるようになりました。すこし前までは、「語り継いでいこう」というような言い方が多かったように思います。私は本当に口伝てで伝えていくのだろうと単純に不思議がっていました。長い年月のうちに、伝言ゲームのように間違って伝えられていくのではないか、悲惨な出来事がただの物語のように、作り話のようになってしまっては・・・。その上、学校の教科書には十分な記述がないと聞いています。それではどうするか、どうしたらよいのかと考えた時、歴史の生き証人がいらっしゃるのですから、お話を聞き記録し、「学校では教えてくれない歴史の教科書」とまでいうと言い過ぎかもしれませんが、そういったものを次代に残していく、またそういう努力をすべき年代に私たちはいるのではないかと思うのです。
 そこで本年度は8月21日に「いっしょに学ぼう私(日本)と中国(日中歴史講座、満州と満蒙開拓団)という演題で寺沢全国委員長を講師におむかえし、学習会を開催しました。短い時間枠の中、ご無理を申し上げてこちらの希望する歴史の流れに沿ったお話をお聞きすることができました。歴史を知ることは、ただ振り返るだけのことではないと思っています。昨日があって今日、今日があって明日があるように歴史を学ぶことでこれからを、未来をどうするのかということが見えてくるのではないでしょうか。
 今後も学習会の機会を設けて、歴史を学びながら未来を考え、友好活動を考えていきたいと願っています。
                               飯伊青年委員長   稲垣  成夫
PTAと青年委員会の連携 「不要学用品を中国へ送ろう」
 飯田・下伊那PTA連合会では、国際理解・国際協力事業の一環として、家庭で眠っている不要学用品を「中国の希望小学校」に送るため、各学校に収集の呼びかけを行っています。この事業は昨年度より取り組み、昨年は河北省丁西冶希望小学校に、集めた学校のPTA会長が直接手渡すことができ、非常に感動した訪中ができました。この感動を今年度も多くの皆様に味わっていただこうと、飯伊のPTA正副会長約200名が集まる1回目の総会で、寺沢全国青年委員長・長江飯伊青年事務局長に講演を依頼し、各PTA会長・校長先生方に理解を求めました。現在、各学校で取り組みを行い、数え切れないほどの文具が集まっておりますが、何より、その活動の中から、クラス単位で中国理解に取り組む学校が出てきたことは、一番の成果であり、大変うれしいことだと思います。中国と日本の歴史的な理解、また今後、子供たちが築いていくであろう新しい中国との関係の手助けをすることは、我々が次世代に残さなければならないものを守る上で、日中友好協会の大事な使命だと思っています。
 今年度も、10月の北京大交流に日程を合わせ、各PTAに参加の呼びかけを行い、成都の双和友誼希望小学校に、集まった学用品を直接渡すよう、現在活動を行っております。それにしても大量な未使用の学用品を見ますと、物余りの日本の現在を目の当たりに感じます。子供を取り巻く環境があまりにもひどく、この環境を造ったのは「我々大人なんだ」と言うことを反省する時、あの中国の子供たちの澄みきった希望に溢れる瞳が今でも思い出されます。
                                飯伊青年副委員長  三石 高亜樹

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