戦後60周年・日中友好協会創立55周年記念
天児慧先生を迎えて講演と平和のつどい開催

 長野県日中友好協会、県日中学術交流委員会、県日中経済交流促進協議会の共催により9月18日、長野市内のホテル犀北館で「戦後60周年・日中友好協会創立55周年記念・講演と平和のつどい」が開催されました。講師に天児慧早稲田大学大学院教授を招き「現代中国と日中関係の課題」と題して特別講演が行われました。当日は県下各地から130名が参加しました。

 はじめに、主催者を代表して井出正一県協会会長が、「夏の総選挙で小泉総理の一人勝ちという状況になったが、外交特に対アジア・中国外交は行き詰まり、戦後60年の孤独に置かれている。経済や人の交流は大きく発展し、互いになくてはならない間柄にもかかわらず政治的にギクシャクした関係に陥っている。互いの国民が相手国の状況を理解しあうことが大切と思う。今日9・18は日中15年戦争が始まった柳条湖事件の勃発の日に当たる。著名な現代中国研究者の天児先生のお話をお聞きしながら、日中関係の課題を共に考えたい」とあいさつしました。

 天児先生は、「政冷経熱」の関係が続き「靖国参拝」「反日デモ」など深刻な事態が進行しており予断を許さないが、大きな流れの中で、日中双方とも相手を必要としており、長期的に見れば、どちらかといえば楽観している、と述べ、@日中の相互不信・相互誤解をいかに解いていくか、A日中は好き嫌いに関係なく、構造的に付き合っていくべき関係である、B日中関係を戦略的に考え付き合っていかねばならないことを具体的な事例を上げて講演されました。
「互いに冷静客観的に、日中関係を良くするという思いを持って見て行き、友好信頼関係を築くべきだ」と語りました。天児先生の洞察力に富んだ講演は参加者に深い感銘を与えました。

 講演後、天児先生を囲んで上条宏之・県短大学長や井出正一県日中会長、寺沢秀文・前日中全国青年委員長をパネラーに、西堀正司県日中理事長をコーディネーターに日中関係の課題についてパネルディスカッションが行われました。歴史認識の根拠を日本の若者にしっかり伝えると同時に戦後60年の平和の歩みを中国の人々に理解してもらう努力が必要なこと、若い世代の育成に力を入れ両国の信頼関係を築いていくことの重要性などが指摘されました。

 第2部の記念パーティーには、小坂憲次・篠原孝両代議士、吉田博美参議院議員(代)、小林実県議会日中友好促進議員連盟会長、塩沢荘吉県芸術文化協会会長はじめ各界来賓も出席され激励いただきました。


(写真)
上:講演する天児慧先生
中:パネルディスカッション
下:記念パーティー


 

    ごあいさつ

    長野県日中友好協会
    会 長 井出 正一
   (県日中学術交流委員会名誉会長)
   (県日中経済交流促進協議会相談役)

 本年は戦後60周年、日中友好協会が創立されてから55周年の節目の年です。

 日中関係は、往復貿易額が22兆円に達し、アメリカを超えました。両国は経済分野では一層相互依存の関係を深めていますが、一方において政治的ギクシャクが解決されない「政冷経熱」といわれる残念な状態にあります。日中国交正常化から33年を経過する中で、もっとも深刻な困難に遭遇しているともいわれております。靖国参拝問題・天然ガス田開発問題・潜水艦事件・歴史教科書問題・反日デモなどの事件が起きました。極めて重要な隣国同士でありながら、4年にわたって両国首脳の相互訪問が行われないという異常な状態にあります。

 21世紀、日本は、ただアメリカの後について行けば良い言うことでは許されない環境におかれています。アジアの時代を迎えて、中国や韓国をはじめとしたアジア諸国との互恵・信頼の関係を深めて行く努力が一層必要となっています。反日デモの暴走とともに中学歴史教科書問題に見られるような極端な右傾化・民族排外主義の台頭は、有識者の憂慮するところとなっています。日中両国政府の明確な解決の行動が望まれます。

 13億の中国人民と1億2千万の日本国民が隣人として、「平和・友好・共生」の思いを持って付き合っていくことの重要性を再確認しつつ、各界の友好を願う人々と手を携え日中両国の先達の築いた友好協力関係を守り発展させて行きたいものです。

 戦後60周年・日中友好協会創立55周年に当たり長野県日中友好協会・県日中学術交流委員会・県日中経済交流促進協議会の共催で「講演と平和のつどい」を開催します。洞察力と先見性に富む現代中国の分析で知られ、日中関係への有意義な提言を発表されている天児慧(あまこ・さとし)早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授を講師に迎え、「現代中国と日中関係の課題」と題し特別講演とパネルディスカッションをとりおこない、日中両国が、どのように当面する困難を乗り越え、相互信頼を深め、協力提携し、アジアと世界の平和と繁栄に貢献していけるか、日本と中国の行方はどうなるか、理解を深めていきたいと存じます。有意義なものとなりますよう皆様のご協力をお願い申し上げます。


<資料>
相互信頼に基づく安定した日中関係を如何に構築するか−−早稲田大学アジア太平洋研究科教授 天児 慧