満蒙開拓平和記念館のセミナー棟が完成(10/19)

満蒙開拓団の悲惨な歴史を伝え、平和の尊さを語り継ぐ「満蒙開拓平和記念館」の新館セミナー棟が完成し、10月19日竣工式典が行われました。同館や行政、日中友好協会、地元関係者ら約50名が出席し竣工を祝うとともに、これまでの記念館の歩みを映像で振り返り歴史継承へ気持ちを新たにしました。

新館セミナー棟は、本館西側に増築された木造平屋建て建物で、床面積が約90坪。メインは、120人規模のセミナールーム、40人規模の映像ルームなどを備え、特に本館の一番の特徴である「光の回廊」を真っ直ぐに進むと、渡り廊下で今回のセミナー棟に一直線につながる構造となっています。設計者によるとこの「光の回廊」を象徴する館は、平和を祈る聖堂として記憶に残る空間を表しているとのこと。

満蒙開拓平和記念館は、2013年4月、全国で最も多くの開拓団を送出した長野県下伊那地区に全国で唯一の「満蒙開拓」に特化した記念館として誕生しました。日中双方を含め、多くの犠牲者を出した満蒙開拓の史実を通じて、戦争の悲惨さ、平和の尊さを学び、次世代に語り継ぐと共に国内外に向けた平和発信拠点としてスタート、以来様々な平和活動、友好活動に取り組み今までに17万人余りの来館者を受け入れています。

これまで会議室スペースが狭く修学旅行など大人数の受入れに支障をきたしていましたが、セミナー棟の完成によりスムーズな受け入れ体制が整いました。

式典で挨拶に立った寺沢秀文館長は、セミナー棟建設に関わったすべての人に感謝を述べ、「セミナー棟の完成が目的ではない。当館から何を発信するか、平和の種まきのスタートと考え歴史の中から未来に向け平和発信を語りつなげて行きたい」と力強くあいさつしました。また、来賓代表として、大月良則・県健康福祉部長は「国策で長野県から多くの満州開拓団を送り出した。その歴史を語りついでいく責任がある。この記念館は日中友好交流の拠点、平和活動の拠点、新たなスタート拠点であり、平和を次の世代に語り繋げていく大きな役割を果たしていけるよう行政も協力していきたい」と述べました。最後に松川高校ボランティア部長の大平一真さんより、「満蒙開拓の歴史を私たちが後世に伝え、平和の種まき、学びを通じてメッセンジャーとして心の目を磨いて取り組んでいきたい」と誓いの言葉を述べました。長野県日中友好協会から布施正幸理事長、中澤保範事務局長が出席し、関係者の労をねぎらい今後の発展に期待を述べ激励しました。

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