帰国者への理解を深めるつどい・体験発表と春節交流会(2/4)

 長野県と県日中友好協会中国帰国者交流センターは2月4日、「第10回中国帰国者への理解を深める県民の集い」を長野市内のホテル犀北館で開きました。帰国者1世の体験報告と、帰国者2世の医療通訳の体験発表、さらに満蒙開拓平和記念館の報告が行われ、280人余りが熱心に聞き入りました。第2部では中国太陽芸術団による中国の伝統芸術を堪能し、第3部の春節交流会では餅つきやくじ引き抽選会、日ごろ日本語教室などで練習してきた歌や踊りの披露、ヤンコー踊りなどを楽しみました。

 主催者を代表して滝沢弘・県地域福祉課課長と高波謙二・県日中友好協会会長があいさつしました。高波会長は「長野県は全国一満州開拓団を送り出し多くの犠牲を出した。長野県には4000人余りの中国帰国者の皆さんが暮らしている。開拓団の悲劇と帰国者支援問題は長野県と県民にとって忘れてはならない歴史。本日は残留孤児一世の皆さんの歩んだ歴史と現状への理解を深め、支援交流にともに励んでいきたい 。本年は、日中平和友好条約40周年の記念の年。日本と中国は再び戦争せず、末永く仲良く付き合っていくことを約束した。日中関係も好転してきており、喜ばしい。県日中友好協会は長野県政府とともに、中国を相手国とする東京オリンピックホストタウン事業に取り組み、また2022年の北京冬季オリンピック支援交流に取り組む。日中友好の懸け橋として帰国者の皆さんもご協力いただきたい。新年のご活躍を祈ります」と述べました。

 体験発表で高山秀子さん(72)=塩尻市=は、「敗戦後に現地で生まれたが、逃避行の中、父や兄弟がなくなり、母とともに養父に助けられた。困難な家庭環境や文革等厳しい時を過ごしたが養父にかばってもらい親切にしてもらった。47歳の時中国人の夫と帰国、日本語ができず職場で苦労したが、2008年に1世の待遇が改善し生活も良くなった。現在は地元のボランティアの皆さんと交流し有意義に過ごしている」と振り返りました。

 1985年に母と帰国した帰国者2世の秦文映さん(52)=飯田市=は、病院での通訳など帰国者支援にあたっている活動を紹介。言葉や習慣の壁に苦しむ高齢の帰国者が少なくないとし、「耳が遠くなり話が通じないと訴える人が多い」などと具体的な事例を交え話しました。

 特別報告として、「満蒙開拓平和記念館の現状報告」をスタッフの島崎友美さんがおこない、満蒙開拓団の悲惨な歴史を語り継ぎ平和を紡いでいく大切さを話しました。

 第2部は中国太陽芸術団による中国の歌・日本の歌、京劇・変面、二胡演奏を堪能しました。

 第3部の春節交流会では長野市日中女性委員会の皆さんが友好の黄色のハッピ姿で、交流会を進行し・盛り上げに大活躍。アトラクションとして臼と杵を使って、帰国者の皆さんが餅つきを体験しました。抽選会も行われくじを引き当てた人たちが工芸品や中国の銘酒、お米などの景品を受け取って喜んでいました。飯田、松本、伊南、長野、上田の日本語教室に通う帰国者の皆さんが次々と準備してきた出し物を披露しました。上田教室の皆さんはハッピ姿に菅笠を手に山笠音頭を披露。飯田グループはおそろいの中国衣装を着て見事な踊りを披露、長野の皆さんは二胡やフルースの演奏なども披露。最後に中国の東北地方に伝わるヤンコー踊りを会場いっぱいににぎやかに踊りました。参加した帰国者の皆さんは「中国の春節を祝いながらみんなと集まれるこの会を毎年楽しみにしている」と語っていました。

 飯田下伊那、伊南、伊那、松本、佐久、上田、長野、飯山などからおおぜいの帰国者や支援者、市民のみなさんが参加しました。中沢洋子県地域福祉課課長補佐、本山聖一県地域福祉課主査、小林佑一郎元中国帰国者定着促進センター所長、塩入靖長野市生活支援課課長補佐、清水えい子・村山ひとみ・島津美智子県日中副会長、西堀正司県日中帰国者交流センター所長、西沢毅県日中帰国者留学生委員長、、小林勝人飯田日中理事長、北沢吉三伊南日中事務局長、宮沢信代県日中女性委委員長、布施正幸帰国者交流センター次長らも出席し帰国者を激励し交流しました。