日中友好 私の提言  

                     小諸市日中友好協会会長 佐々木治夫 

 日中友好は日本人の誰もが望むことは疑いない事実であろう。中国が嫌いという人でも中国と戦争をしようと思う人は皆無であろう。靖国神社を参拝し、戦後レジームからの脱却、尖閣諸島は断固守るという安倍首相だって、日中友好を訴えて習近平国家主席と会談をしている。

 個人のことを考えても、地域で生活するには、まずとなりの人とは仲良くしたいものである。隣人と争えばストレスがたまるし、住み心地が悪い。国家間においても同じことである。仲良くするには相手が絶対的に嫌がることは避けることが肝要である。

 日本は古代より中国文明を受入れ発展してきた。先ず中国より漢字が入ってきたのが日本文化を飛躍的に発展させた要因の一つであろう。遣隋使、遣唐使は当時先進国であった中国より多くのことを学び取った。

 明治維新以降、日本は欧米文化を取り入れて、アジアでは最も早く近代化に成功した。中国はアヘン戦争以来衰退の道をたどり、諸外国の侵害を受けてきた。その最たるものが日本であり、日中戦争では中国側に1千万人の犠牲者が出たと言う。歴史を美化したくても1千万人も殺したとなれば、ナチスドイツのホロコーストの死者6百万人を上回り、弁解の余地はなくただ恐れ入るのみである。

 中国に対して言いたいことはある。しかし、日中戦争のもたらした負の遺産を考えれば遠慮がちにならざるを得ない。

 有史以来、中国は日本にとっては尊敬すべき隣人であった。歴史に学ぶということは近代史のみならず、遠い過去からの流れを顧みるべきであろう。争いを超えて日中友好を再考すべき時に来ている。中国は金持ちになったとはいえ、個人生活を見れば日本人より貧しい人が多い。相助け合い、協力し合って、ともに平和で物心ともに豊な国になりたいと思うものである。(15.1.1「日本と中国」長野県版新年号より)

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